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エル・タタの“グループセラピー”

 

トレーニング開始前、選手たちと意見交換。

残り10分の段階まで2-0でリードしておきながら、89分に同点とされ、ラスト数秒での劇的勝利を求められたセビージャ戦のFCバルセロナ。ドラマとしては楽しめたとはいえ、ゲームのやり繰りとしてはあの展開は拙すぎました。まさに無用の苦戦。タタ・マルティーノ監督は試合終了後の会見で修正が必要であることを認めており、昨日(16日)のトレーニング開始前にはその問題を修正するため、実に40分にも及ぶミーティングが行われたようです。

 

選手たちも自由に意見

“タタセラピー”(SPORT紙はそう表現)は月曜日の午前練習開始前に、シウター・エスポルティーバの第1グラウンドにて行われました。トレーニング前に監督が選手たちを集合させ、幾つかのメッセージを与えることは差ほど珍しいことではありませんが、このミーティングの特徴はその長さ(40分)と、選手たちもまた主役だったことです。それはどういうことかと言いますと、ミスターの一方的な説法に選手たちがじっと耳を傾けて終わりではなく、自分たちのなにが悪かったのかを選手たちも考えて意見を出し、修正方法を求め合ったらしく。考えさせる授業という感じでしょうか。

セビージャ戦での問題は、リードしている状況で試合のコントロールを失ったことだと試合後のエル・タタは指摘していました。いわゆる大人のチームであれば、試合終盤で勝っている状況ならば上手く相手をいなして終了のホイッスルを待ちます。バルサは元々そんなに器用な方ではないですが、それでも相手に希望を与えることなく時計を回し、隙あらば追加点という勝ち方を好調時は出来ていた。そうならずに敵チームを増長させる結果、ぎりぎりの勝利を余儀なくされる現状です。

 

チームブロックでの問題点の洗い出し

この“グループセラピー”では多くの選手たちが積極的に自らの見解を語ったそうです。マルティーノ監督も彼らの発言を促し、かといって何か言えと強制することもなく、自由にチームの問題点を口に出させていったと。それによって自然な形で今のバルサが抱える問題が具体化し、各自に今後はこうしていかなければとの意識が刻まれた、ということみたいです。

SPORT紙によりますと、最初にチームの問題点を挙げていったのはタタさんでした。そしてひと通り悪いと考えるポイントを出した後、ミスターは選手たちにそれらに関する意見を求めていった。選手たちは監督の期待通り、忌憚なく問題点について討論しあったそうです。話し合われた問題点は次のようなものになります。

■グループとしての戦術意識の不足、■ラテラルが少々攻撃参加しすぎ、ピボーテの脇を空けすぎている、■プレッシングを開始する際の混乱、■前線でのプレスが足りず、インテリオールが前へ出ることになってピボーテが1人になる、■各ライン間の距離が遠い、■セットプレー時の注意不足、マークのズレ、■試合を決められず、流れを上手く読めていない

セビージャ戦の後にビクトル・バルデスが指摘していた、「なんとなく追加点を取りに行ってスペースを与え、相手にそれを利用された。ラテラルやインテリオールの上がりをもっとコントロールし、ブスケツを1人にしてはならない」という問題点。月曜日のミーティングにおいても、その点は重点的に話し合われています。ブシを孤立させないためには、攻撃大好きなラテラルがリスクを冒し過ぎないだけでなく、前線がしっかりとプレッシングをかけることも必要となる。チームがブロックとして連動することが、ドタバタ守備にならないための必須事項です。

今回挙げられた問題点は、一朝一夕では解決しないでしょう。しかし全員で意識を一つにしたことは、きっとこれからのプレー改善へと役に立ちます。タタさんがセビージャ戦後に述べていたように、「問題を解決するのは、負けている時よりも勝っている時の方が簡単」。リーガ開幕4連勝で首位を走りながらも、問題点を洗い出して向上しようとしていることはとてもポジティブで期待できます。

 

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