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ツアーをしながら強化中

 

チーム戦術を教えるとともに、フィジカルも強化。

パレスチナとイスラエルへの“ピースツアー”、そしてタイとマレーシアへのアジアツアーをこなしながらも、ヘラルド・マルティーノ監督によるチーム作りは進んでいます。バンコク初日となった5日は、幾つかのプロモーション活動をこなした後、現地21時よりタイ・アーミー・スタジアムでのトレーニング。このセッションの特徴はフィジカルの鍛錬に重点を置いたことで、東南アジアの厳しい気温と湿度にやられながらも、選手たちは汗だくになって土台作りに励んでいます。

 

ツアー初、フィジカルトレーニング中心メニュー

5日のトレーニングを中心となって率いたのは、エル・タタが自らのスタッフとしてアルゼンチンから連れてきたトレーナー、エルビオ・パオロロッソでした。彼がフィジカル中心のメニューを組んだのは、“ピースツアー”で幕を開けるこの遠征ではこの日が初めてのこと。選手たちは心拍数やら走行距離やらを計測する機器を装着し、ボールを用いながらのサーキットトレーニングに取り組みました。グラウンドにはパオロロッソの「もっと激しく!」という声が響いていたそうです。一方でタタ・マルティーノ監督は、3人のポルテーロたちのチェックに時間の多くを使っています。

ちなみに“ピースツアー”に入ってからは練習と移動の繰り返しですので、選手たちにも徐々に疲れが溜まってきている模様。プレシーズンの親善試合で飛ばしていたレオ・メッシもこの夜は、通常どおりにトレーニングをこなすためにイブプロフェン(ステロイド性抗炎症薬。鎮痛剤)を摂取していたとSPORT紙は明かしています。6日も朝夜のダブルセッションが組まれていますから、ここは頑張り時。

 

カウンター対応策の伝授

選手たちがひーひーと汗を流しまくったバンコク初日とは異なり、その前日のテルアビブ(イスラエル)でのトレーニングでは、マルティーノ監督はより戦術的なメニュー(相手のカウンターアタックを止める動き)に多くの時間を配分しています。中盤や前線の選手たちとは別にタタさんは守備陣を呼び、ハーフラインより20m後方に4人の最終ラインを配置。そして逆サイドからカウンターのパスが繰り出された場面を想定し、その守り方をシミュレーションしたそうです(MUNDO DEPORTIVO紙より)。

この日はまずモントーヤ、バルトラ、バグナック、アドリアーノによるラインで練習を行い、続いてダニ・アルベス、ピケ、マスチェラーノ、ジョルディ・アルバで実施。普通に判断するに、2つめのセットがエル・タタの先発デフェンサ4人なんですが、モントーヤとアドリアーノを先発起用しても安心の両ラテラルと比べ、セントラルの心もとなさを再実感しますなぁ。

そしてカウンター阻止法をひとまず伝授した後は監督、右腕のホルヘ・パウタッソ、ジョルディ・ロウラらが選手たちと対話し、感想を聞きとっていたとのことです。個人、グループに関わらず、選手たちとの会話が多いのもタタ・マルティーノ監督の特徴。それによって彼はなにをイジるべきでなく、なにが改善可能かを知ることも出来ます。話すって大事です。

対人守備に強く、かつ勇敢なるラインコントロールを実行するカピタン・プジョルが戦列を離れたこともあって、昨シーズンのバルサは特に相手のカウンターアタックに苦労していました。中盤でボールをカットされてからのショートカウンターで、サイドをえぐられて失点したこと数知れず。エル・タタさんはこの弱点の修正に早々に着手していますので、是非、効果を発揮してほしいところであります。

 

プレッシングと、ボール奪取後の動き

それと同時に、失点減少&得点増加のための重要ポイントとなるのが前線でのプレッシングの回復。サントスとのガンペル杯後には「プレスのかけ方が一番気に入ったところ」と語っているように、マルティーノ監督はチームにプレッシングが戻ってきていることに概ね満足しているようです。

デフェンサたちにカウンターへの対処法を授けるのと同時に、エル・タタはこのプレッシングの方法や、ボール奪取に成功した後の、相手チームのプレスが来る前のパスの運び方の練習にも着手しています。とはいっても、これらはバルサがごく自然に行えていたこと。マルティーノはその感触をチームに思い出させるとともに、より細かいポイントを各個人に意識させていくことによって、グループとしての性能を高めようとしているところです。

実際のところは真剣勝負である公式戦が始まってみないと分かりませんが、ここまでのタタ・マルティーノと彼のスタッフによるチーム運営は非常に好印象。彼らもまた、バルサ選手たちのプロフェッショナル精神とハングリーさに感銘を受けているようですし、良い化学変化がびしばしと起こりそうなのが期待を抱かせてくれます。

 

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