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タタのカンテラーノ、ドンゴウ&バグナック

 

アジアツアーに唯一招集されたカンテラーノはカメルーンの2人。

この2013年夏、にわかに注目を集めているカンテラーノたちがいます。プレシーズン序盤にトップチーム練習に参加していたフィリアルの若者たちの中から、見事アジアツアー遠征メンバーへと選ばれたジャン・マリー・ドンゴウとマッキー・フランク・バグナックです。前者はデランテロ、後者はセントラルのカメルーン人選手たちで、年齢はどちらも18歳。ヘラルド・マルティーノ監督は彼らのちょっぴりバルサカンテラーノらしからぬ個性に魅力を感じているようで、このまま順調に事が進んでいけば、今シーズンのびっくりニュースとなるかもしれません。

 

異色な個性がチームに幅をもたらす

ラ・マシア出身の選手たちといえば、それぞれに違った個性はあれど、優等生タイプであるという共通した雰囲気をまとっています。その点でブラジルの血の入ったチアゴ・アルカンタラは異色だったのですが、異色であることにはアフリカンパワーだって負けてはいません。バルサ下部組織での激しい生存競争を生き抜いてくるのですから、彼らがテクニックを持ち合わせているのはもちろんとして、アフリカの選手たちには欧州や南米とはまた違った個性がある。そのラ・マシアらしからぬキャラクターに興味を示したエル・タタは、彼らがチームに移植差で貢献できるかどうかを評価すべく、アジアツアーへと招集をかけました。記事の参照元はSPORT紙になります。

マルティーノ監督がまず惹かれたのは、ドンゴウとバグナックが持つ強い個性とメンタリティだそうです。つまりは良い意味での図々しさ。試合やトレーニングでも諸先輩たちに遠慮することなく自分を表現し、やれることをやってやろうという姿勢に、指揮官はチームに幅をもたらせそうだと予感しました。そして他の若者たちがバルサBへと戻っていく中で、2人のカメルーン人選手たちだけをチームへと残しています。

 

ザ・9番のドンゴウ

マルティーノが初めてチームに合流したオスロで、スタンドから観戦したバレレンガ戦。ドンゴウは後半の頭からレオ・メッシに代わって出場し、51分と55分に連続してゴールを決めています。いずれもアレクシスによるアシストをきっちり活かしての得点ですが、エル・タタの目を引いたのは彼が偽9番タイプのデランテロではなく、典型的な9番タイプの点取り屋だったことでした。ダビド・ビジャがチームを去り、今夏は代わりとなる9番タイプを獲得するプランもないなかで、オプションとしてのドンゴウは使えるのではないか。カメルーン人デランテロがアジアツアーへの参加を手にしたのは、そういった状況からです。

 

チャンスを掴んだバグナック

一方、バグナックはどうか。彼の場合はエル・タタが迷わず招集を決めたドンゴウとは異なり、偶然の要素が強いようです。というのも、先週火曜日のポーランド遠征にマスチェラーノが参加しないこととなり、セントラル要員が1人必要となったので急きょお呼びがかかったのがこのバグナック。2-2で終わったこのグダンスクでの試合で他のカンテラのセントラルたち(セルジ・ゴメス、プラナス)よりも闘争心を見せたことで、監督は彼をトレーニングに呼ぶようになりました。今季よりBチームに上がったばかりのバグナックが、“序列”を吹っ飛ばしてそのままトップチームへと残れるのか。ここからが最初の勝負です。

 

バグナック豆ストーリー

ちなみに・・・ ドンゴウとバグナックはどちらも、エトー財団のチームの一員として、2008年にバルサへとやってきました。この年、彼らはランサローテ(カナリア諸島)のある大会に参加していたのですが、そこにバルサの伝説的スカウトマン、アルベルト・ベナイヘスさんも視察に訪れていたが幸運だった。そこで2人に注目したベナイヘスさんは、彼らをバルセロナへと呼んだのです。

しかしその初年度(2008年)、13歳のバグナックは学校で問題行動を起こしてカメルーンへと帰国。そこからは反省してひたすらにトレーニングや生活改善に打ち込み、2010年にバルセロナへと戻った際には、別人のような落ち着きで関係者を驚かせたのでした。バグナックはまた2010年12月には足首に重傷を負い、全治8ヶ月という苦しいリハビリも乗り越えています。

彼を指導したコーチたちからは、メンタルの強さを称えられるバグナックです。闘志あるセントラルは是非ともトップチームにほしい人材ですので、マルティーノ監督の信頼を勝ち取り、バルサの未来を担う選手となっていくことに期待。ドンゴウと共々、チームにカメルーン旋風を!バモス!

 

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