ペップ 「いつまでも共に」

 

カンプノウのファンに、感謝と別れを告げたペップ・グアルディオラ。

 

このバルセロナダービーは、言うなればジョゼップ・グアルディオラ監督のためにありました。レオ・メッシがまたもやの活躍によってポーケル(POKER、4ゴール)を決め、ケーキに特大のイチゴを乗せてくれたわけですが、真の主役は他に誰あろうペップ。カンプノウへと訪れた9万人弱のクレたちの目的は、試合後のお別れセレモニーだったといって過言ではありません。

試合終了後、スタジアムにはまずいつものようにイムノが流れました。試合開始前にも振られた”ペップありがとう旗”を振りふり、勝利の余韻を楽しむバルセロニスタたち。もちろん、ここで席を立つ者などいません。セレモニー開始を告げたのは、カンプノウの”名物スピーカー”であるマネル・ビックさんの声です。「あなたがもたらしてくれた成功、そのあり方を私たちはとても誇りに思います。あなたは私たちを、唯一のフットボルで楽しませてくれた。バルサはいつまでもあなたのカサです。グラシアス、ペップ」

そしてカンプノウのビデオスクリーンには、ペップと彼のチームによる数々のベストシーンを集めた映像が流されます(こちら)。とても晴れやかな表情で、それを見つめるグアルディオラ。ああ、彼のこんな顔を見るのは、ずいぶんと久しぶりかもしれない。それはファンを幸せな気持ちにさせるに十分な、とても穏やかな表情でした。

ペップ・グアルディオラによるスピーチはその後のことです。ちなみに彼がマイクを取ったときにスタジアムに流れていた曲は、ペップがファンだという Lluis Llach の “Que tinguem sort!” だそうです。

 

◇「また会いましょう」

ペップのファンに向けた別れと感謝のスピーチは、こんな感じです。

「このプレゼントを私にしてくれた人生に感謝したい。この5年間、私はみんなと近くにいることが出来たし、この子たちによる最高のショーを楽しむことができた。私はみんなと違っていたわけやないんや。みんなと同じくらいに恵まれていた。おそらくは少しだけ、このファンタスティックな選手たちに近かったけれどもね。私がどれだけの幸福感と喜びを抱いているのかを、みんなは想像できへんと思う」

「全ての人たちに心からの感謝を送りたい。なかでも特に、私の側にいた人たちにね。何故ならみんなにプレーを見て楽しんでもらうために、私たちは毎日懸命に働いてきたんや。そしてたぶんものすごく近くにいるというわけにはいかんかったけれど、みんなのサポートはいつも身近に感じてきたよ」

「みんなのことを私が恋しくなると知ってほしい。このなかで最も多くのものを失うのは、この私なんや。でも私はこれからみんなに、出来るかぎりのものを残していくつもりや。その一番が、この選手たち。私の締めていたベルトはとてもきつく、私はそれを緩めることになるけれど、みんなは同じようにする必要はない。そのままベルトを締めていてほしい。何故ならこの先にはまだ、長い道のりが待っているんやからね。みんなの幸運を祈ってるよ。また会いましょう。私はいつまでもみんなと共にあるんや!」

そういえばペップが監督に就任して、カンプノウでファンにチームをプレゼンテーションした時、彼はこう言っていました。「みんなに私の言葉を送ろう。それは私たちが、努力を惜しまないということや。私たちが勝つかどうかは分からない。けれども努力は続けていくよ。さあ、シートベルトを締めてほしい。これからお楽しみが始まるからね」。その言葉通り、この4年間は本当に楽しかった。ありがとう、ペップ。

 

◇胴上げ、パシージョ

スピーチを終えたグアルディオラ。その彼を次に待っていたのは、不敵な笑みを浮かべてにじり寄ってくるカピタン・プジョルと、選手たちによる胴上げでした。「いや、いやいや、今回はそれはええんやないかな、やめろ」といった感じで、後ずさっていくペップ。「ナニ言ってんすか、ミスター。やるっきゃないっしょ」と詰め寄る選手たち。抵抗もむなしくグアルディオラは4度カンプノウの宙を舞い、その後はセンターサークル上で大きな輪を作っての、ペップチームのトロフィー獲得時の定番サルディーナをやっています。この時BGMに流されたのは、トリプレッテシーズンのテーマソング、COLD
PLAYの”Viva la vida”でした。

そうしてペップ・グアルディオラとのサヨナラ式典は終了。再びイムノが流れるなか、選手たちとテクニコが作ったパシージョ(花道)を通り、ペップはロッカールームへと引き上げています。そういえば、グラウンドからロッカーへと向かってのパシージョは見たことがない。バルサ黄金期を築いた名将への、別れと感謝のパシージョでありました。

※バルサはYOUTUBEの独自チャンネルにて、このセレモニーの模様をアップしていますので、見逃したという方、もう一度でも二度でも見たいという方は、(こちら)からどうぞ。

 

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