マドリーがベルナベウでコケ、勝点差は8に。
マドリー方面から、嬉しいニュースが飛び込んできました。後半ロスタイム(!)のサンティ・カソルラ弾によってチームモウリーニョがベルナベウでエンパテ!白組のよもやのカサでの勝点落としにバルセロナ方面の雰囲気はいっきに明るくなっておりまして、バルサ応援メディアはいずれも「リーガ(逆転優勝)はある!!」といった見出しを付けています。実際のところはまだ8つの勝点差があるのですが、こちらには”ミラクルありえる”とのムードが現れている。本当に楽しいことになる、カモしれません。
ゲーム終了間際の同点弾といえば、06/07シーズン第34節のベティス戦、あるいは第37節のエスパニョール戦を思い出さずにいられません。ライカーバルサはこのカンプノウでの手痛い土壇場エンパテによってリーガのタイトルを自ら放棄した。もちろん当時のマドリーはもっと勝点で接近していたのですが、こういった結果はなんとなく”流れの変化”というものを予感させてくれます。リーガ戦線のダイナミズムは春の到来と同時に変わってきているという感覚。ムードなんてものは、意外と些細なことで変わるものです。
◇8ポイント差の逆転例
楽観的データがあります。MUNDO DEPORTIVO(MD)紙の記事によれば2003/04シーズン、マドリーは8ポイントのリードを逆転され、バレンシアにリーガタイトルを獲られているのです。
このシーズン、カルロス・ケイロス率いるマドリーはラファ・ベニテスのバレンシアに第26節終了時点で8ポイントの差をつけていました。しかしシーズン終盤にきて勢いは急下降。まずはサラゴサ相手にコパを落とすと、チャンピオンズでもモリエンテスのモナコに敗れて敗退します。この悪い流れはリーガにも及び、ベルナベウクラシコを1-2で落としたことを皮切りに滑るわ転ぶわ。最終的にはバレンシアに7ポイント差をつけられての4位に沈んでいます。ちなみに2位は、華麗なる復調を見せたライカーバルサでありました。
◇カレンダーはバルサ有利か
さすがにそこまで欲張ることはできませんが、周知のとおりに今後のカレンダーはバルサに有利です。おさらいしておきますと、モウマドリーはこれからビジャレアル、オサスナ、アトレチコ、バルサ、アスレチックとのフエラ戦を残しており、カサでもバレンシア、セビージャ戦があります。カンプノウクラシコはバルサがもちろん頂くとして、他の試合でもいくつか取りこぼしそうじゃないですか。
一方、全戦必勝のバルサにとって要注意なのはカサでのアスレチック戦、マラガ戦、ペリコ戦と、フエラでのラーヨ戦、ベティス戦あたり。曲者たちが多く残っていますが、春以降のペップバルサは強い+逆境のペップバルサは強いの法則からいけば、十分に期待は持てそうな感じです。”カソルラッソ”は大げさではなく、リーガの雰囲気を変えました。
◇ペップの白旗、アルベスのネバーギブアップ
奇しくもこのマドリーの躓きは、ペップ・グアルディオラによる2度目の白旗宣言の翌日に起こっています。サンチェス・ピスファンで勝利した後の会見で、ミスターはこう強調しているのです。「私たちはここへ、自分たちの仕事をするためにきている。本当であればシーズン最後までこのリーガで優勝を争っていたかったところやけれど、私にはそれが可能やとは思えへんのや。今日は私たちは上手く試合に入れた。でも3日後にはまた別の試合があるからね」。ここまでの言葉は、カステジャーノ(スペイン語)で行なわれています。で、カタルーニャの記者たちに向かい、ペップはカタラン語でこう付け加えているのです。「このリーガのことは忘れて。私たちが優勝することはないよ」
日曜日のチーム会見当番はダニ・アルベスでした。ボスがそういった訳アリ発現をすれば、選手たちはもれなくその感想を求められることになります。ラテラルの回答はこうでした。「ミスターの言葉にはいつもなにかしら意味があるんや。なんでリーガを失ったって言うのかは、ミスターに訊ねてよ。いずれにせよ僕らは最後まで戦っていく。僕も逆転優勝は不可能やないと考えてる人間のひとりなんや」
「勝点差はかなりあるとはいえ、マドリーには難しい試合が残っているし、物事が不可能やって言うのは単なる一意見やと思ってる。僕らが差をつけられていたのは、フエラでポイントを落としてたからなんや。フエラで勝ってこその、カサでの勝利。これまでの僕らには、そこが不十分やったよ。そして最近はその失っていたバランスを回復してきている。総括をするのはシーズンが終わってからや。このところのレベルをキープしていければ、僕らはかなり楽しめることやろう」
ちなみにマドリ系AS紙のウェブアンケートによれば、”グアルディオラのリーガ優勝は不可能という言葉は本音だと思う”と回答しているのは49%。僅差ながら51%が本音にあらず、とみなしています。
◇雑感
ここからはしばし、管理人の雑感を記します。よって読み飛ばしてもらってけっこうです。2月26日のアトレチコ・マドリー戦後、ペップは早々にリーガ白旗宣言をしました。そしてこのセビージャ戦後にも、同じ内容の言葉を繰り返した。しかしこの間にチームは公式戦5連勝を飾ってまして、フエラでも今季初となる3連勝となりました。そこで考えられるのは、ミスターが選手たちに対してはなにか別のメッセージを送っている、ということです。さもなければ、ここへきてのナニクソぶりは理解しがたい。指揮官が「優勝なんて無理ムリ」というチームのプレーには見えません。
繰り返しになりますが、ムードなんてちょっとしたことで変わるものです。まだ8ポイント”もの”差が残っているのに、逆転はあるんじゃないかという空気が漂ってきた。マドリーの取りこぼし方も好かった。さも無敵であるかのような結果を残していたモウチームがポイントを落とし、首都系メディアも「まだ分からない」と言い始めた。リーグ戦は終盤に入って上り調子のチームが押せ押せになり、行き詰まったリーダーは大抵残念な結末を迎えます。このままの勢いで勝ちを連ねていれば、大いにナニかありそうです。バモス!!
その他ぷち情報
◇バルセロナ市長、新カンプノウ案を支持
完成から半世紀をすぎ、そろそろ新しいカンプノウを造るのもいいいんじゃないか?という議論が現地では行なわれています。これに関して、改めて支持するという考えを表したのがバルセロナ市長であるチャビエル・トリアスさんです。ティビダボで行なわれた市役所協賛イベントに参加した市長は、「バルサからは公式になんの話もきていない」と断りながらも、こんなふうにコメントしています。
「もしバルサに関わりを求められるのであれば、検討するよ。それは良いアイディアのように思えるからね。クラブが意見をまとめたのであれば、私たちは喜んで話し合いの席に着き、意見を聞かせてもらう。この種のオペレーションでは、地域住民、(建設予定地付近にある)大学、FCバルセロナ、市の誰もが利益を受けなければならない」
◇リーボー、ハットトリック!
リーボーことリバルド大聖人が、現在プレー中のチーム(アンドラのKabuscorp)にてハットトリックを達成しました。1点目はゴール前でのこぼれ球を押し込んでのごっつぁんゴール。しかし残る2点は往年の技健在といったゴールで、エリア際からのフリーキックとポルテーロをかわしてのバセリーナでした。40歳まだまだ現役、バモス!
◇バンガール 「チャンピオンズ本命はバルサ」
ルイス・バンガールがポルトガルのA BOLA紙のなかで、チャンピオンズの優勝候補はバルサだ、との見解を示しています。「私にとっての本命はバルサやね。彼らは非常に強力なチーム。フツウのコンディション(条件、状態、状況)であるなら、彼らが勝つやろう」
バンガールさんはかつてのポルトガル人アシスタントについても言及しています。「彼は自分をスペシャルと言ってるね。彼がバルサに勝つ戦術を見つけられることに期待するよ。プレー内容でいけば、バルサが勝つやろう。そやけど私たちはモウリーニョが一度、コパ・デル・レイ決勝でバルサに勝ってることを忘れるべきやない」
◇バスのカギがない!
SPORT紙のウェブページにこんな記事がありました。サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦終了後、バルサ選手たちは手早くシャワーを済ませ、ミックスゾーンでの取材も急ぎ足で受けました。理由は簡単。スタジアムをさっさと後にし、セビージャ空港で彼らを待っているチャーター機へと乗り込むためです。
しかし・・・彼らはいつもの輝くバルサバスに乗り込むことは出来ませんでした。何故か・・・。どういうわけだか運転手であるサルバドールさんがバスのカギを無くし、車を動かせなかったからであります。盗まれたのか、どこかに落としたのかは不明。ただひとつ明らかなのは、彼の手にカギがないという事実でした。
幸いなことにセビージャのような大きな街であれば、代わりのバスを見つけ出すのは難しいことではありません。バルサはセビージャFCさんの手を借りて、無事代車を確保。チームは空港までたどり着き、飛行機に乗れたのでありました。ただしサルバドールさんはバルサバスと一緒にサンチェス・ピスファンに居残り。紛失したカギの発見、あるいはスペアキーの到着まで、彼はセビージャに滞在することになるようです。
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