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リアクションに向けて

 

チームを勝利へと導くのは、あくまでも日々の積み重ね。

FCバルセロナ・ハンドボール部の元選手で、2004~2007にかけてはトップチームの監督を務め、チームをヨーロッパ王者に導いたシェスコ・エスパルという人物がいます。バルセロナ大学体育・スポーツ学部を卒業し、スポーツプランニングやコーチング、感情コントロールの専門家だそうです。そのエスパルさんが1日付のSPORT紙に現バルサを分析する記事を書いていまして、興味深いのでざっくりではありますが紹介しましょう。彼が指摘するのは、日々のトレーニングこそが試合に勝利するための下地であり、ゲームでオートマチックに動くための速さを獲得するには、トレーニングの激しさを増す必要があるということです。

 

■トレーニングの質

まずエスパルさんは最近のバルサを外から見て、”チームの問題はメンタリティではなく、トレーニングの激しさ不足ではないか”と考えています。日頃のトレーニングで身体をいじめることによって、フォームは上がる。良かった時のバルサのように、すいすいと動ける機敏さを手に入れられるようになるのです。

去年まではペップ・グアルディオラという”口うるさい”ミスターがいて、その隣りにはティトがいて、練習中も細かく指示を出し、必要な時は逐次修正をかけていました。しかし今季はペップが去り、ビラノバまでもが病の治療で不在に。ロウラだけとなった結果、トレーニングの激しさが減少しているように映る、というのがエスパルさんの見解です。

 

■チームにはリーダーが必要

どんなチームも、引っ張っていくべきリーダーが必要です。これ当たり前。前任者グアルディオラはすばらしい船頭でしたが、ティト・ビラノバもまた、申し分なくチームを率いていたと思います。しかし残念ながら現在のバルサには、その人物がいなくなってしまいました。なのでエスパルさん曰く、”今ロウラに求められるのは、リーダーにならねばならないと気付くこと”。チーム管理はテクニコのみんなで分担できるので、リーダー役を担わねばならないとのことです。

選手たちが解決策を探すべくロウラにサポートを申し出るのは高貴なことだけれど、チームの役割の点においては、それはグループに利することはないとエスパルさん。選手たちはロウラのリーダーシップを受け入れ、問題点を修正していくべきだと彼は述べています。

そして各人がそれぞれの役割をベストにこなしていけば、監督を助けることになる。それこそがチームの利益となり、望む結果を獲得することにつながるというわけです。さらにエスパルさんは、現チームは監督と選手間の個人的な対話が忘れられているように見えると語り、そうすることでロウラは選手の状況を知り、いざという時のスピーチにも効果が出てくるとしています。

 

■リアクションの時間は十分ある

コパを失ったことで、バルサの当面の目標はミランとのチャンピオンズになりました。心強いことにエスパルさんは、そのタイムリミットである3月12日は、リアクションを起こすには十分な時間だと断言しています。逆転勝ち抜けのためにまずチームがすることは、日々のトレーニングセッションが最も重要であると考えること。毎日の練習が、フィジカルフォームを作り上げていくからです。最初の項目でも書かれていますが、選手たちが無意識に流れるプレーをするためにはスピードが必要であり、それは日々の仕事によって手に入ります。選手たちは今一度、その点に気付かなければなりません。

もしチームがそう意識すれば、今からでもまだミラン戦で良いパフォーマンスを出来るようになる、とエスパルさんは言います。なぜならバルサの選手たちには、オートマチックなプレーをする能力を備わっているから。自分たちのプレーを信じ、集中し質の高いトレーニングを全力でこなしていくことが必要だと彼は主張し、半年前には異なる状況への解決策を見つけていたのだから、今も出来るだろうとしています。

 

■火曜日の敗北は、起爆剤となりうる

とにかく手痛い敗北だったからこそ、チームはそれを起爆剤として使えるかもしれない。それがあのマドリー戦のレクチャーだとエスパルさんは述べています。注意を促す点においては、土壇場で0-1で際どく負けるより、1-3でこてんぱんにやられた方がベター。頭のチップを根本的に変えるためには、火曜日のような負け方のほうが役立つというわけです。

エスパルさんはそして、トレーニングでの激しさを上げていくためには、相手チームを徹底的に分析し、戦術練習をデザインしていく必要があると言います。バルサは土曜日にベルナベウで負けるかもしれないけれど、その結果はチームのリアクションとは関係ないと気付く必要があると彼。頭のチップを入れ替えている様子が見えれば良い、ということのようです。

 

■ロウラが決断を下す

自分は第二監督であるといつも強調しているロウラですが、日々チームと接しているのは彼なのですから、そのロウラがティトの言葉に縛られずに決断を下すべきだ、というのがエスパルさんの考えです。

チームを率いる人物はシステムや分析に長けているだけではなく、毎日選手たちと接していなければならない。なのでエスパルさんが提唱するのは、ティトが回復してくるまではロウラが監督として行動し、ビラノバはニューヨークの地からアシスタントとして働く、というアイディアです。効果はあるかもしれない。でも実現は難しそうですなぁ。

 

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