あの男の言葉がスタルク主審のジャッジに影響した、とラテラル。
どこからどのように見ようとも、あれは完全なるオフサイドだったのが4月2日のパルク・デ・プランスにてパリ・サンジェルマンのズラタン・イブラヒモビッチが決めたゴールです。あまりにも明らかなオフサイドだっただけに、ウォルフガング・スタルク主審にはなんらかの圧力、見えない力が掛かっていたのではないか?との憶測まで流れていまして、試合終了後のミックスゾーンは勿論、翌日の当番選手会見におきましても、ドイツ人主審のジャッジについては主なテーマとなっています。そこで登場したのがダニですから、物申さないはずがありません。
PSG戦のジャッジについて
イブラによるオフサイドゴールを決められたチームの監督があの男だったなら、相当にねちっこく皮肉たっぷりなるコメントにてスタルク主審を非難したことでしょう。通常であれば、線審さんたちはかなり際どい飛び出しであっても確認しているわけで、あのズラタンたちの位置を認識していなかったのは考えにくい。いつもはジャッジには意見しようとはしないバルサ監督・選手であっても、あれはさすがにおかしな判定だったと口にしています。サンシーロでもゴール前の明らかなハンドを見逃されていたことも、背景にあるのでしょう。
パリでの試合から一夜明けての水曜日、トレーニング後の選手会見に登場したのはダニエル・アルベスでした。この会見に誰が出るかをコーディネートするのはクラブですから、もっと”無難”な選手に担当させたことも出来たと思うのですが、ここにダニを持ってきたことになんとなく意図を感じる・・・ と見るのは邪推でしょうか^^。いずれにせよアルベス(金髪を剃ってスキンヘッドに変身)は、スタルク主審の判定エラーについて自身の意見を述べています。
もっともダニも、最初は判定に関してはコメントをしようとはしていません。「審判に大きなプレッシャーを掛けたなら、彼らはそれに合わせようとするもんや。でも僕らは審判の話は止めておくよ。フットボルはフットボル選手のものやから、審判は消えてなければならない。それが主役になるということは、彼らが何か拙いことをしたってことやけれど、僕らはそれに愚痴ったりしない。それは単に、試合結果に影響した試合中の出来事というだけのことや」、てな具合にです。
しかし記者たちは見出しになるような発言が欲しいですから、なんとか炊きつけようとする。続いてある記者に、スタルク主審(2年前のユーロクラシコでぺぺを退場させた)がモウリーニョのブラックリストに載っていて、ヤツがねちねちと持ち出すことが圧力になっていたか?と訊ねられるとダニは「Si」と一言回答。そしてこう語っています。
「フットボルではどんどんプレーがなくなって、不満ばかりになってる。誰もが愚痴ってばかりやね。それに対して、僕らに出来ることはない。僕らはただフットボルをプレーして、ファンに楽しんでもらうだけなんや。僕らは時々、あまりにええ子すぎると思うよ。だからこの手のことが起こる。でもいつものように、僕はこの手のことも話すよ。僕の妄想やと言われようと、別に構わへん。他の人たちと同じように、僕にも自分の望むことを好きに意見できるんやからね。思うに、僕らはほんの少しワルくある必要もあるんや。そうでなければ、結局はアホなことが起こるよ。僕らはとてもコンペティティブな世界に生きているから、そこでも競わなければならない。ただ僕らは愚痴ったりは出来へんから、抗議をしたり、説明を求めたりしなければならないのは罰せられることのない人たちやね。2mもオフサイドやったのが、見えないなんてあるわけがないよ。僕らはアホやないし、僕は他の人のようにええ顔をしてるつもりもない」
そして。「バルサが勝ち続けていくためには、何倍も頑張らなければならない。そうして判定が最終結果に影響を及ぼさないようにせなあかんのや。多くを勝ち取ることで、嫉妬が生まれる。それが良い嫉妬の時はええんやけれど、悪い嫉妬の場合は他に影響が出てくるよね。同じことをやっていては不十分やと、僕らは考える必要があるんや」
ダニはまたPSG戦で受けたタックルについても、諦めモードで語りました。「抗議は審判の判定に影響をするよ。もしこれを吹いて、こちらを吹かなかったら、、と思うもんね。昨日の試合で僕は、ベルナベウと同じようなタックル(byぺぺ)を受けたと思うんや。もし脚でも折れていたら、どうにかなっているやろうけど、そうでないなら僕は芝居男のダニ・アルベスやからね。まあ大事なのはチャンピオンズのトロフィーがバルサのミュージアムに展示してあって、僕の家にその小さなレプリカがあることや。泥棒が入って、それを盗むことはできるけれど」
メッシの負傷とセントラルと
会見ではメッシやマスチェラーノの負傷も主なテーマのひとつでした。「怪我人が出たのは残念なことやね。彼らは僕らにとって重要な選手やから、起こってほしくはない事やったよ。彼らが怪我をしたことに、僕らは悲しんでる。でも二人の強さを僕は知っているし、彼らはまたすぐに戻ってくるやろう。メッシが怪我をした時は、それはかなり驚いたよ。でも検査の結果、重傷でないのは幸いやったね。でも筋肉系の怪我は厄介やから、注意深くいかなければならない。でも(復帰の)期日を設ける必要はないんや。彼は重要な選手やから、しっかりと回復してもらわないとね」
レオの不在も、ある意味ではモチベーションの材料になります。「PSG戦に間に合うなら最高やけど、メッシがいないのであれば、それは彼抜きでも僕らが戦えるクオリティがあることを示すという刺激になるしね。これは僕らにとってひとつの挑戦。レオがいなくても良いプレーが出来ると、僕はチームメイトたちを信じて疑わへんよ」
アルベスはまた、もしティト・ビラノバが望むのであれば、セントラルとしてプレーする心積もりはあると語っています。「ペップ時代、3バックでプレーした時にやったことがあるしね。僕は適応能力のある選手やから、もしテクニコがそうするように僕に言うのなら、僕は出来る。ミスターの求めなら、喜んで従うよ」
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