欧州のグランデが動向を注目するセントロカンピスタ。
ここ数日、ネイマールの話題の陰でひっそりと(?)話題となっているのがチアゴ・アルカンタラです。バルサのトップチームで準レギュラー格ながらも2年間の経験があり、まだ22歳と若く、ビッグクラブからすれば年俸もお手頃なチアゴなんですが、契約解除金が1,800万ユーロであるというのも列強が彼を獲得しようとする大きな要因。今シーズンは期待していたほどに出場機会の与えられなかったチアゴだけに、誘いの声も聞いてくれそうとの思惑もあるでしょう。大先輩チャビはそんな若者に対し、「忍耐が必要。彼はバルサで成功する」とエールを送っているのですが、しばし彼の周囲は騒がしい状況が続くかもしれません。
契約条項により、1,800万ユーロで移籍可能に
チアゴ・アルカンタラは2011年6月、バルサとの契約を2015年まで更新し、トップチーム所属となりました。この際、契約解除金は9,000万ユーロへと設定されているのですが、同時に、とある条項が含まれたのが今回のポイント。それは60%以上の出場試合とならなければ、契約解除金が一気に1,800万ユーロへと減額されるというものでして、チアゴは今季、先発で19試合、途中出場で14試合にプレーしているのですが、リーガ次節のエスパニョール戦に出場してもそれに届かないのです。マラガとの最終節は、U-21代表に招集されているので出場できません。
チアゴとしましても、これだけ出場が少なくなったのは予想外だったかもしれません。去年のちょうど今頃、彼は右脛骨に打撲傷を負い、浮腫が確認されました。回復には2ヶ月が必要と診断され、ユーロとオリンピックに間に合わせるべく全力でリハビリに励んだものの、その願いは叶うことなく両大会ともに断念。結局、出場許可が下りたのは8月末となり、さらに9月末には左ヒザの靭帯を痛める不運にも見舞われています。こうして彼はシーズン序盤でつまずき、チーム内競争にもかなり出遅れることになりました。
そういう不本意だったシーズンを送ったことで、チアゴの気持ちに揺らぎが出ているとしても不思議はありませんし、そこにペップ・グアルディオラが率いることになるバイエルンや、マンチェスター・ユナイテッド、シティーらビッグクラブが関心を示してきたなら尚更でしょう。どこでプレーすることが一番自分を成長させ、重要な役割を担えると彼自身が考えるかです。
チアゴもバルサも移籍の考えなし
チアゴやバルサの考えについては諸説ありますが、24日付のSPORT紙によりますと、バルセロナはチアゴを売りに出してはおらず(2013/14シーズンユニフォームのプロモーション写真にも彼はしっかり入っている)、彼に近い筋の情報でも、チアゴの希望はバルサ残留の一択だそうです。
そして前述のビッグクラブたちも、実際は状況を問い合わせをしているだけで、正式なオファーを出すには至っていない。バルセロニスタからすれば、チアゴがたった1,800万ユーロかよ!マドリーはイスコに2,000万だぜ!と言いたくなりますが、彼にそれだけ払おうとするクラブは限られるでしょう。この夏にイスラエルで行われるU-21ユーロで活躍すれば、ラブコールは増えるかもしれませんが・・・。
まあなんであれ、チアゴがバルサで成功するんだと決意している以上は、どんなオファーが届こうと関係はありません。クレは安心していればOKです。しかしですよ、そういう契約条項があるのならば、スビはティトに耳打ちをしておくとか出来たでしょうに。スポーツディレクターはきっと、そのあたりを抜かっていたはず。。。ちなみに契約解除金が1,800万ユーロとなるのはこの夏限りで、来年からはひとまず9,000万ユーロに戻るとのことです。
チャビ「チアゴはバルサで成功する運命」
そんな後輩チアゴ・アルカンタラに対し、アドバイスを送っているのがチャビ・エルナンデスです。2011/12シーズンにバルサで最もフェアプレーな選手だったとして昨日、第3回バルサ選手賞を受け取ったチャビなのですが、チアゴの将来についての質問を受けた大先輩は、こんなふうに彼を称えています。
「僕にとってチアゴは並外れた選手だよ。彼は未来の選手じゃなく、今現在の選手さ。彼が自分にとってのベストを望んでいることや、希望するほどに続けてプレーできていないことは解る。それは僕にも起こったことだからね。僕から彼に言えるのは、忍耐強くあれってことだよ。だって彼はバルサで成功するための実力を備えてるんだから。移籍するのか、残留するのかは彼が決めることさ。でも彼はバルサで栄光を掴む運命にある選手だよ」
一方、新作シューズの発表会に出席したダニ・アルベスは、いつものように飄々としたもの。自身のPSGに関するウワサも「開いている門は多いほど好いんだ。自分は望まれなくなるまでバルサに残りたい」と受け流し、チアゴについては次のように語っています。
「チアゴは大きな未来のある選手だから、手放すのはエラーだと思う。でも彼にはブラジル人の魂も持っているし、僕らにとってはプレーすることが人生。バルサは最高のクラブだけれど、週末に自分がプレー出来るか分からない彼の立ち位置を受け入れるのは簡単じゃないんだ。もし最終的に彼が退団を決意するなら、僕は彼に脱帽するだろう。人生では勇気を持つ必要もあるからね・・・」
ラフィーニャの契約にも影響?
また、チアゴの動向は弟ラフィーニャの今後にも影響を及ぼす可能性があります。弟アルカンタラは現在、バルサとの契約の延長交渉中なのですが(現契約は2014年まで)、兄がバルサを出るとなれば、弟も続くかもしれないと書くのはMUNDO DEPORTIVO紙。ポジション争いに苦労している兄の件もあるので、長期契約を希望するクラブ側に対し、ラフィーニャ側は短期契約を望んでいるみたいです。アルカンタラ兄弟の代理人を務めているのは、ペップの兄であるペレ・グアルディオラです。
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