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ティト体制でチーム刷新

 

チームに変化を加えるけれど、テクニコは代わらない。

その敗北の仕方があまりにもショッキングかつ完膚なきものだったため、バルサ系メディアの関心は、1週間後のブエルタにてどう勝利するかではなく、来季からの立て直しへと向かっています。サンシーロにて2-0で敗れた翌々日の紙面にはレモンターダの文字が溢れ、ミランを倒して次へ進む!のムードに包まれていましたが、今回はそうとはならず。”一大刷新を決行すべし”との意見は以前から出ていたのですが、今回のミュンヘンの惨敗劇にてその流れは決定的なものとなっています。

 

レボリューションではなく、リノベーション

バルセロニスタのトラウマとして今も心にチクチクと刺さる、1994年のチャンピオンズ・アテネ決勝。あの忘れがたき4-0とミュンヘンでのスコアが同じだったこともあり、同じ失敗は繰り返してはならない、同じ石に躓いてはならないとの危機感は、いつにないほどに強くなっています。

94年のアテネ後にバルサがどういった道を辿ったか。それは結構にドラスティックな変化が起こりました。スビサレッタ、ラウドルップ、サリーナス、ゴイコエチェア、ファン・カルロスらドリームチームを支えた選手たちがクラブを去り、1月にはロマーリオもブラジルへ。その穴を埋めるべく獲得した選手たちは求められるレベルになくてすぐ退団し、さらにその翌年にはストイチコフやクーマンも去りと、バルサはチームの中心軸を失った結果、タイトルにも見放されるようになりました。劇薬がきつすぎ、治療どころではなかったわけです。

そうして1994/95、1995/96シーズンを無駄にしたバルサ。1996/97シーズンのボビー・ロブソン時代を経て、リーガを奪還したのはバンガールを呼んできた1997/98シーズンのことです。あの時の失敗を、今回は繰り返してはならない。そこで94年の当事者であるスビサレッタが、スポーツディレクターとなった現在行おうとしているのが、過激すぎない移行だそうです。SPORT紙の表現では、”レボリューション(革命・大改革)ではなくリノベーション(刷新・改造)”となります。

今のチームを壊して作り直すのではなく、重要な選手たちは動かすことなく、彼らを再活性化させるような方法を探すというやり方。メッシを筆頭にイニエスタ、チャビ、ブスケツ、プジョルと各ポジションに芯となる選手はいるので、あとはどのように彼らを支え、グループを強化する補強なりを実行するかというところです。思い切った決断が求められること必至のスビサレッタディレクターには、大変な夏が待っています。

補強で難しいのは、バルサのスタイルがオンリーワンであるが故に、他のクラブよりも選手を選ぶことです。それはアイデンティティを非常に重視するために自らが課した制約なのですが、過去3年のように、フィット率の高そうな選手ばかりを選んでいるとこじんまりとしてきてしまう。本気で刷新を求めるのであれば、少し方針を変更し、多少アクが強くとも本物のクラックを呼んでくる必要がありましょう。放出を含めた”眼力”が試されますな。

 

ティト・ビラノバが復帰後初会見へ

チームを刷新するにあたって、注目されるのがテクニコの去就です。バイエルン戦でクレは、選手たちのパフォーマンスがさっぱりだったことに対して落胆しましたが、ティト・ビラノバが交代枠を1つしか使わず、状況改善のためのリアクションを行わなかったことに対して不満を抱いている。そこで26日(金)、ティトはニューヨークから帰国後初の公式会見に出席することとなっています。

本来ならば、会見にはもう少ししてから担当する予定だったと思われますが、歴史的4-0負けが、おそらくはそれを早めた。出席を決断したのは、ティト本人のようです。このチームのピンチに親友でもあるジョルディ・ロウラに重荷を背負わせるのは良くありませんし、体調不良によってここでメディアに面と向かえないのなら、来季以降は退くべきだとの意見も強くなりましょう。

さてその明日の会見なんですが、アスレチック・ビルバオ戦の前日会見ながらも、質問内容や時間には制限は設けられないそうです(SPORT紙)。よってあらゆる質問に対して、ティトは回答する模様。報道陣の前に出ていくからには、自らがどれだけ回復し、チームを率いる活力があることを示す場とするであろうビラノバです。ミスターはすでにクラブへと続投への強い意欲を伝えており、理事会はそれを了承しているとか。ティトが刷新プロジェクトをリードできると、クラブは確信しています。

 

控え選手たちの不満

ちなみに… SPORT紙の伝えるところによりますと、アリアンツ・アレナで監督が1人しか選手交代を行わなかったことに対しては、ベンチに座っていた選手たちも大不満だそうです。リアクションを起こさなければならない瞬間に誰にも声が掛からなければ、自分たちが役に立たないと言われているように感じますよね。当然、試合後の会見でもそれについての質問はあったのですが、ジョルディ・ロウラによる「3人交代させる義務はない」との説明で納得できなかったことは言うまでもありません。

このベンチ選手たち(ローテーション要員として、ここまでチームを支えてきた)の不満がナニクソ魂となって昇華されればいいのですが(監督に何故交代枠を使わなかったのか訊ねるのもアリか)、心の奥でくすぶり続けた場合、ティトにとって大きな問題となっちゃうかもしれない。これからシーズン終了までの監督のフォローも気になるところであります。これに関する質問にも、ティトは明日の会見で答えることになるでしょう。

 

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