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これぞダニ・アルベス

過去2年間のチームは出来が良くなかった、とラテラル。

FCバルセロナとサンパウロFCが右ラテラル選手ドウグラス・ペレイラの移籍で合意した、とのニュースがカンプノウ周辺に流れた21日(木)、シウター・エスポルティーバでのプレスルームに会見当番として現れたのはダニエル・アルベスでした。この夏(も)ダニの周りに移籍にまつわるウワサ話がさんざめき、メディアは何かと彼のお世話になりました。そんななかでの会見ですから、おそらくはアルベス自身が志願したんじゃないかと推測するのですが、言いたい事がたくさんあったか、会見場ではいつも以上にダニワールドを展開。自らへの批判を含め、各方面に物申したラテラルでありました。

批判がやる気を上げる

この会見でまずアルベスに訊ねられたのは、どのようにシーズンへと臨んでいくのか?との質問でした。「いつものようにしていくよ。ここではいつだって、僕のことについてたくさん話されているから、僕は自然体で物事に対しているんだ。僕は批判によってものすごくやる気になる人間でね、批判が僕をより向上させる。賛辞は気分を良くして、あまり寄与するものはないね。結局のところ、叩かれるのがいいんだよ。そこで行っていくべき唯一のことは、批判に感化されることなくポジティブに利用していくことだ

このクラブで僕は、ちょっとばかりの敬意を払われる権利を勝ち取った。300試合に出場し、12のタイトルを獲得したんだからね。ルイス・エンリケのような人と働けるのは楽しいよ。彼は僕らに多くを求めるし、その事が僕の心を弾ませるんだ。僕らは要求度の高い、良い仕事をしている。今年の挑戦はすばらしいものだよ」

契約は2016年まで

続いての質問は、彼の契約に関するものでした。バルサにはあと何年いる考えなのか?ダニは一気に言います。「僕は1年、そしてまた1年と生きている。バルセロナに戻ってきた時、その件についてあれこれ言われていたから、僕はルイス・エンリケと話をして、彼が自分を本当に戦力に数えていると感じる必要があったんだ。彼は僕と1年間、ハードに仕事をしていく人だからね。クラブの意向が監督やスタッフと同じではないのは普通のことだし、僕は彼の考えを、彼らが本当に僕を望んでいるのかを知りたかった。彼らからは僕を戦力にしていると伝わってきたよ。だから僕も彼を勘定に入れている。これは双方の問題なんだ

「僕はこれまでどおりにしようとしている。ここ2年間の僕らは出来が悪かったし、僕の出来も同じく悪かった。でもチームの重みを、ただ一人の人間に負わせたらあかんよね。1人の戦犯がいるわけじゃない。良いことも悪いことも、チームのものなんだ。自分の責任を、僕は引き受けるよ。自分への期待値が低下するほど、僕のモチベーションと誇りは大きくなる。困難を前にすることで、僕のパーソナリティは強くなるんだ。だから僕は、ここに残ることに決めた。僕がここへ来て、今季で7年。ビクトルやプジョルのように、いつかは僕もここを去らなあかん日がやってくるだろう。その時に僕は、ここに偉大なプロフェッショナルが、このクラブの歴史の一部となった偉大な選手がいたなという感覚を残して去りたいんだ。今去ったなら、その感覚は残せない。クラブに起こった事がみんな、僕のせいだったように見えているしね」

「僕らはこれから、新しくステキな挑戦に立ち向かっていく。それが僕をやる気にさせるよ。僕の契約は2016年に終了する。お望みなら、会長に訊ねてみれば好いよ。僕には今年と、もう1年分のサインがある。もしなにも変更がなければ、それが僕の契約だ。でも僕は1年、また1年と生きているし、僕にとっては良くも悪くも今年がきわめて重要なんだ。期待感はいつもと同じだよ。どんなアホなことを言われようとも、僕が望むのは勝ってベストになること。毎年難しさは増しているけれどね。全ての挑戦に挑むための準備は入念にできている」

クラブからの疑問のまなざし

前の言葉から、アルベスの中にモヤモヤしたものがあることが伝わってきます。自分が評価を受けていないと感じる理由を、ラテラルはこう言いました。「クラブとファンから少しずつ、それは感じるよ。でもその責任は全部、僕にあるんだ。人々をあるレベルに慣らしたのは僕だからね。それでレベルが下がれば、要求もされるさ。普通のことだよ。でも僕としては、また別のやり方であるべきだったと思うね。あれこれ言われることから自分を守っている時に、僕は後ろから支えられているとは感じなかった

「売るために推測をめぐらせるのが新聞だ。でも彼ら(クラブ)が僕の後任とするために選手を連れてきたがっていたという情報を、僕は持ってる。ここまでの僕の経歴を彼らは考慮に入れていないんだ。僕はいつもここに残るという考えをハッキリさせていた。僕にはその契約があるからね。僕が目指しているのは、ここでの自分の任務が完了したという感覚を持って去ることで、役立ずになったという感覚じゃない。僕はとても役立っている」

他所のクラブへの移籍を考えたことがあったか。ダニの答えはNOでした。「一度もなかったよ。だから僕は出て行かなかった。以前のチームからは貢献したとの感覚を持って退団したし、今もそうでありたいと思っている。僕がこれまでしたことに敬意が払われないというのは、良くないと思うよ。そこが僕が不快だった点だね。僕がもう貢献できないとクラブが決めれば、僕は去るだろう」

記者さんは突っつきます。あなたは理事会から疑問を持たれていたとお考えか?「理事会のなかに疑念はあったね。だから僕の経歴は役に立たない。それは間違いないよ。もし僕が役に立たないと考えるのなら、僕にそれを言いにくればいいんだ。伝言を送る必要は全くない。僕らは子供じゃないんだよ。自分の仕事によって、僕はこのクラブの敬意を勝ち取った。だからチームを率いている人物、このケースではルイス(エンリケ)が、僕を物の数に入れているのかを知りたかったんだ。そしてカウントされていると感じたわけだから、あとは働き、ポジションを得るために戦い、結果を出すだけだよ」

自己批判とメディアへの要求

ダニ・アルベスの良いところは、周囲に対して物申すだけではなく、自らへの批判からも逃げないことです。最後はメディア批判になっているのは、ご愛嬌^^; 「自分のチームが崩れていくままにしまったことは、僕の失敗だったと思う。僕らはいつものように競えていなかった。僕のように勝者でコンペティティブな選手の仕事は、食らった痛手によって周りが倒れたり、士気を落としたり自信を無くしたりしないようにすることだからね。過去2シーズンの僕らは、偉大なチームじゃなかったし、そのレベルでは勝つのは難しいよ。僕は責任を引き受け、果たさなければならない。チームの各自がそうすることによって、僕らはタイトルを狙える偉大なチームになるんだ

「良い姿勢が、より良い姿勢を生む。去年の僕らはタイトルに相応しくはなかったよ。もしタイトルを得ていれば、それは正しいことではなかったろう。まあいずれにせよ、チーム内につながりがあれば、物事はスムーズに流れていくだろう。あとはあんたが好きなものを売り、別の言い訳を探し始めればいいさ。テレビで見たり、新聞で読んだりすることは事実じゃない。信じられないようなウソを含んでるからね。新聞は写真を見るために買えば好いよ。新聞には好い写真が載ってる。でも内容はどうか?ウソばかりだ

ガンペル杯でブーイングの指笛を鳴らされた件については。「普通のことだよ。自分が力を証明する必要がないとは僕は考えない。僕は毎日、自分の価値を示す必要があるんだ。そうでなければ、人は忘れてしまう。僕は自分の価値を忘れたりしないけれどね。それも僕らの仕事の一部さ。チームが勝っていれば称えられるし、負ければ指笛を吹かれる。自分への信頼が減ることを、僕は普通に受け止めてるよ。うんざりはするけれどね」

そしてプレッシャーに疲れてますか?との問いには、ダニはこう答えました。「そんなふうに見える?それならNOだよ。プレッシャーは僕にとってはアドレナリン注射みたいなものさ。指笛?僕は“バモス”の声援だと思ってる。指笛を吹かれるのは何かしら悪いことをしているからで、ファンが再び信頼をし、拍手をするようにしないといけない。それが僕の挑戦だよ。僕は毎日、全てを出している。ここでより多く働いている中の一人だ。人々には、ピッチ外ではなくてピッチ内での振る舞いを見てほしいんだ。私生活は僕自身のものであり、僕はしたい事をする。僕が踊りに出かけたり、写真を撮ったりするのは、私的な問題だよ」

スアレス、ネイマール、タタへの擁護

だいぶ長くなってきました^^;。以下、ダニ・アルベスによるその他のテーマに関するコメントたちです。

新シーズン開幕へと向けたチーム状態について
「僕らは良い状態だよ。まず第一に求められるのは明確なアイディアだけど、それはもう持ってる。今必要なのははアイドリングだね。そうすることによって動きをモノにできて、物事は上手く転がっていく。タイトルを獲得し続けることを求めるチームには、常に変化が必要だと考えるんだ。最も重要になるアイディアは僕らにはある。あとはそれを実行していくだけだよ」

新戦力たちがたくさん
「新しく来た選手たちがみんなチームに貢献し、期待に応えられるといいね。彼らはみんな良い選手だし、2008年に僕らがやってきた時と同じ希望を抱いている」。

マドリーは怖い?
「怖くはないね。僕らはいつだってマドリーに敬意を抱いている。それは彼らの歴史やタイトル、選手たちへの敬意だ。怖れじゃなくて、お互いへの敬意だね。僕らはタイトルを競わなければいけないだろう。彼らはきっと事を難しくしてくるだろうから、その時が僕らが何を狙えるのかを知る瞬間になる

FIFAによる補強禁止処分
「そこには口を出さない。それは僕の領分じゃないし、意見は自分の中にしまっておくよ」

ルイス・スアレス
僕らには“悪い人”が必要なんだ。そうでないと重荷は全部僕のところへ来るし、“バッドポリス”の役を共有する人間がいないとね^^ 彼のような人がくるのは良いことだよ。ルイスにはコンペティティブな血が流れているし、大人物だから、彼がここにいるのは嬉しいことさ。彼が早くプレーを出来て、僕らがそれを楽しめるのを願ってるよ」

「起こった物事によって人は時に成長するし、向上もする。彼は自分が何をすべきかを知っているよ。ただ僕から彼に勧めるのは、パーソナリティを変えるなってことだね。彼を他と違うようにしているのは、その個性だ。彼は命を賭けて戦う選手。コントロールは必要だけれどね」

ネイマール
「僕は彼に、適応のための時間が必要だと言っていた。そして僕は今年、彼の本当のクオリティが見られると思っているんだ。去年の出来は良かったけれど、今年はもっと良くなるだろう。そうでなければ、彼も僕のように叩かれるだろうね。レオや前線の選手たちとの理解も深まっていっている。チームへの同化も進んでいるから、今年の彼はかなり期待できるよ」

昨シーズンとの変化
「タタが戦犯のように思われているけれど、責任は僕らにあるのであって、タタじゃないよ。物事が上手くいかない時に犯人を捜し始めるのは、僕らの仕事における大きな問題だ。僕らがきちんとやらなかったのに、タタに落ち度があるというのは違う。彼は偉大な監督で、すばらしい人間だ。でも全てが混ぜ合わされて、最後は悪い結果となった。船が迷走を始めたのは、各人が別々の方向へと漕いだからだよ。それが事実さ」

 

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