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アルベス代理人、机を叩く

バルサからのオファーを断ったと明かした代理人氏。

この4月9日木曜、ダニ・アルベスの代理人であるディノラ・サンタナさんが記者会見を開きました。場所はバルセロナ市内にある彼女の個人事務所の会議室。ダニが“ペセテロ”のレッテルを貼られることを避けるために状況を説明したかった、とのことですが、選手代理人がこういった会見を行うのはかなり珍しい。メディアを前に語るとしても、せいぜい登場を待ち構えた報道陣のマイクに幾つかコメントをするくらいです。そこでディノラ代理人から語られたのは、“バルサ側からのオファーが彼らを満足させるものではなく、この条件では合意には至れない”との考えでした。

1年ずつの延長はNO

会見の冒頭、ダニ・アルベスの代理人であり元妻のディノラ・サンタアナさんはまず、顧客であり元夫ダニのバルサでの功績(獲得タイトル数、メッシに次ぐ外国人選手としての出場数、世界最高の右ラテラルに選ばれること4度…)を振り返ることから始めたそうです。そしてバルサとの交渉に関しては、彼女の説明によると、最初の連絡は3月下旬のマドリー戦前のことでした。

「接触が始まったのはレアル・マドリー戦の前、ハビエル・ボルダス理事(技術委員会のメンバー)から電話のあった時です。そこでクラシコ後に話しをすることとなり、私たちはその時進めていたオペレーションを中断しました。ダニにはチャンピオンズに出場する2つのクラブからオファーが届いていましたが、バルサの話を聞くために私たちは全てを中断したのです

ディノラ代理人はその2つのクラブの名前を明かしてはいませんが、PSGではないことは認めています。そしておそらくマンチェスター・ユナイテッドではないかと思われるクラブから、「3年契約+1年の、年俸条件でも上回り、契約ボーナス込みのオファーがある」と説明しました。「交渉を開始した時、私はバルサに対し、私たちが手にしていたオファー内容を示しました。そしてバルサからはその条件は到底ムリだと言われましたが、それについては私たちは理解しています。ただ彼らから提示されたのは1年+1年+1年のオファーだった。それには私たちからNOだと返事しました。私たちの希望は3年契約でしたが、彼らはそれを拒否した。ならば、と私たちからは2年目に60%以上の試合に出場すれば1年延長できる2+1年なら交渉は可能だと申し出たのですが、バルサはそれを受け入れませんでした

「私たちは年俸の上昇は要求していません。望んだのは現在と同じ年俸条件で、2年間が保証されることでした」という代理人さんはそして、こう続けています。「ただし減俸は受け入れられない。彼は今季のレギュラー選手であり、パフォーマンスも落ちていません。これはクラブがダニを評価していない証です

代理人はこうも言います。「私は今朝、Eメールによるオファーを受け取りました。それによるとバルサは最低60%の試合に出場することで毎年延長される3年契約を受け入れるとのことでしたが、出場数が足りなければ延長されない。私にとってはそれは3年契約ではなく、1年契約です。もしベンチに座れば、翌年彼はバルサの選手ではなくなるのです」。夏に補強のできないバルサですので、とりあえずアルベスを“キープ”しておき、来年追い出そうとしているのでは?とディノラ代理人は疑っているようです。

悲しむアルベス家

そして彼女はルイス・エンリケがアルベスとの契約延長を望んでいることを述べつつ、「もしバルサから2年+1年のオファーがあれば、ダニは安心して残留していたことでしょう」と、残念がるコメント。「バルサはオファー内容を変えることは考えていないので、ダニ・アルベスは残留よりも退団に近い位置にいます」と、この件がバルサ次第であることを強調し、ダニがこの現状を悲しんでいると語っています。

「こういった形でこの日を迎えていることはとても辛く、そしてとても悲しいことです。ダニはバルサに忠実ですし、バルサからのオファーを待っていました。しかし今現在、私たちはまだ合意に達していない。彼はニュースを待ちながら、クラブに全てを捧げてきました。合意に至っていないことを、ダニは悲しんでいます」「私たちは残留への希望を抱いていました。彼の子供たちはここで暮らしていますし、カタランを話します。彼にとってバルサに残ることは多くを意味していたでしょう。彼は死ぬまでクレですから」

「ダニは今季幾つかの失敗をしていますが、私はそれがこの状況と関係がある、彼は真理的に影響を受けていると思います。それは私も同じです。私は彼の代理人である以外に、元パートナーであり、彼の子供たちの親でもありますから。家を訪れるたび、息子たちにパパは別の場所へ行ってしまうのかと訊ねながら泣かれるのですから、私も心理的に影響を受けます」

ディノラ代理人はまた、「会長選挙の候補者たちから別のオファーを出すと言われた」と明かしていますが、「選挙までは待てない。他のクラブは焦れている」と、交渉の時間的猶予は少ないともしています。

クラブ側は2+1年をオファーしたと

ということでまとめますと、●バルサからのオファーは出場試合数によって1年ずつ延長される3年契約。●他のクラブからは3年+1年+契約ボーナスのオファーが着ている。●2年+1年ならアルベスは納得する。●バルサはしかしオファー内容を変えるつもりはないと代理人氏は考える。●アルベス側はバルサともう一度交渉する考えはある……というところでしょうか。彼らは譲歩しているけれど、クラブからあと少し歩み寄りが足りない、という主張です。

しかし一方で、バルサ側はこのディノラ代理人の記者招集と状況説明に当惑している、というのがSPORTやMD紙です。その一番の理由は彼女の発言が事実に即していないぞ、というもの。彼女が言った1+1+1年のオファーは事実ではなく、バルサがアルベス側の求める2+1年のオファーを出しているとクラブ筋は請け負っている、と各紙は伝えています。ただし、2+1年でも給料条件を下げているとの話もあり。

いずれにせよ、ディノラ・サンタアナ代理人の今回の発言は交渉の決裂を意味するものではなく、少々悪目立ちし、これからシーズンの大事な局面に入っていくことからすれば時期的に好ましくないとはいえ、よくある駆け引きの一環と考えて差し支えないでしょう。近々また話し合いは行われ、歩み寄りなり妥協なりがあるはず。バルサが2+1年のオファーを出しているということなら、話は遠からずまとまるんじゃないでしょうかね。バルサにはアルベスとの契約延長に勝る選択肢はないわけですし、チームの監督や同僚たちもダニの残留を望むと言ってるわけです。なので楽観的になるかどうかは別としても、ようやく交渉が動き出したことにホッとしている、そんな感じです。

 

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