何度もボールを失い、勝点も落とした。
レオ・メッシとネイマールの両看板がそれぞれにネットを揺らしながらも、残念な3失点を喫したことで、パルク・デ・プランスでの三度目の正直がならなかったFCバルセロナ。2点を奪いながらも勝点を取れなかった理由は失点がそれを上回っていたからに他ならず、欧州での厳しい戦いで生き残っていくには絶対不可欠な修正ポイントであります。そして何故に3失点をしたかといえば、悪夢のバイエルン戦のようにボコられたからではなく、ゲームメイク地帯で何度もボールを失いすぎたからだとするのがMUNDO DEPORTIVO紙の見解。同紙によれば、パリでのバルサのボール喪失数は54回に及んでいます。
ラテラルのボールロストが失点のきっかけに
バルサ戦でのPSGの戦術はハマっていました。元バルサでカピタンのモッタ、マトゥイディ、ベラッティの中盤3人のみならず、ルーカス・モウラやパストーレらが高い位置でプレッシャーを掛け、アスルグラナのエラーを誘う。特に高いポジションを取る両ラテラルたち(ダニ・アルベスとジョルディ・アルバ)はモウラ&パストーレの餌食となり、失点のきっかけとなっていました。プレーがキレていれば、いなせたかもしれないですが、全体として動きが鈍く罠に落ちたルーチョチームでした。
ダビド・ルイスに呆気なくやられた1-0はマスチェラーノのマークが甘かったのもありますが、アルベスがエリア近くでパストーレにボールを奪われ、どうにか挽回しようとしたところでハンドを犯し、そのフリーキックを仕留められたもの。ベラッティの2-1はルーカス・モウラがジョルディ・アルバの裏を取ったことで与えたコーナーによるものでした。MD紙曰く、ルイス・エンリケが最も嫌っているのがこのやられ方だそうです。
前半32回、後半22回
2日付のMD紙は、バルサが繰り返したこのボールロストを大きく取り上げています。それによりますと、エンリケチームがこのPSG戦でボールを失ったのは54回。Opta Statsという統計会社のデータでは82回となっているらしいのですが、それには枠外シュートやデフェンサたちのブロック、相手によって弾かれたエリアへのセンタリングなども含まれており、そういうのは“仕方のない喪失”と換算すると、“ダメな喪失”が54回とのことです。頻繁にボールを失えば、パス成功も減るしリズムも掴めないの悪循環でしょう。
で、ダメな喪失のうちの29回が、バルサがポゼッション中にPSGにボールを奪われたもので、その他の25回が仲間へのパスがカットされたもの。そういえば不正確なパスは度々見られましたし、またバルサ選手たちの狙いが相手に読まれていたことも窺えます。
時間別では、前半が32回で後半が22回。前半は10分までに7回ボールを失っていて、バルセロナが集中力やリズムがなくゲームに入っていたことを表しています。後半のボールロストが減っているのはチャビ・エルナンデスが登場したり、PSGがリードを守りに入ったりしたことが理由と考えられそうです。
両ラテラルで合計13回
選手やポジション別では、最もボールを失ったのはネイマールの10回。しかし彼の場合はドリブラーですので、ピンチに直結する自陣でのロストは1回だけだそうです。以下、ダニ・アルベスの8回、ジョルディ・アルバの5回と続きまして、ダニの場合は自陣で4回、敵陣で4回。FCB公式によれば、彼はゲームで最もパスを行った選手(112回)で、よくプレーに参加していたのですが、エリア近くでの4回はさすがに厳しいです。両ラテラルは集中的に狙われていましたか。
アルバは自陣1回、敵陣4回となっています。ただし彼らはサイドの守備者でもあるので、背後にはカバーする選手が少なく、奪われるとドタバタすること必至。アルバの場合であればマテューのお世話になっています。
マテューさんもこの試合ではボールロストが4度あり、うち3回はルーチョが「上手くいっていなかった」と試合後に指摘していたボール供給での失敗。その前のセルヒオ・ブスケツもベストの出来とは程遠いもので、相手に4回ボールを渡したようです。一方、一度もボールを相手に渡さなかった唯一のバルサ選手がハビエル・マスチェラーノ。兄貴はさらにPSGからのボールを10回カットしてもいます。ちなみにパリチームから一番ボールを奪い取ったバルサ選手は、マテューさんの16回(FCB調べ)。危なっかしいパスさえなくなれば、というフレンチマンですな。
そんな感じで、バルサの守備に問題を起こさせ、手にしたチャンスをきっちり活かすことで勝利をモノにしたローラン・ブラン率いるパリ・サンジェルマン。バルサは無駄に与えてしまったフリーキックでも強固に跳ね返し、コーナーキックもポルテーロががっちりキャッチしていれば事なきを得たのですが、残念ながら火曜夜は全体としてピリッとせずにゴール陥落×3。。。
ただテクニコたちは課題をハッキリ認識したでしょうし、MD紙によるとテル・ステーゲンも雪辱に燃えているそうなので、ベルナベウ決戦までに問題が解決(少なくとも減少)していることに期待です。
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