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クライフ、ルーチョをフォロー

決してマドリーがバルサの上にいるわけじゃないとご意見番。

2014年11月3日、バルセロナ市内のL’Auditori(音楽ホール。1999年落成。大ホールは2,200席)にて、あるイベントが催されました。FCバルセロナのご意見番ヨハン・クライフのカタルーニャでの40年の生活を記したドキュメンタリーフィルム“L’Ultim Partit(最後の試合) カタルーニャのための40年”の完成試写会(たぶん)です。カタルーニャ式に表すところのジョハン・クルイフはオランダ人ながら、いまやカタルーニャ世界の重鎮の一人。式典にはカタルーニャ州政府のアルトゥル・マス知事ほか、政界、スポーツ界、文化界の著名人たちが数多く駆けつけています。

(ちなみにバルサ会長ジョゼップ・マリア・バルトメウはクラブでの大事なイベントがあったため惜しくも出席できず。クライフの友人でもあるジョアン・ラポルタもメキシコでの商談のため欠席でした)

ドキュメント披露後に行われた記者会見は、いつものようにクライフワールド。水曜日に行われるアムステルダム・アレナでのアヤックス対バルセロナに関しては、こんな具合です。「その前の試合での勝敗に関わらず、バルサが勝てなければ大きな失望となるだろう。アヤックスがどのように持ち堪えるのかに好奇心をかき立てられるね。ただ、私はフベニール(ユース)の試合の方により興味を引かれるんだ。2週間前の試合を私は(ミニエスタディで)観たし、アヤックスはとても良かったよ」

ペップがしたことは特別

クライフがドリームチーム時代にバルサに持ち込み、ペップ・グアルディオラが芸術の域に昇華させたパスフットボル。現在のルーチョバルサはそのスタイルを失っているのでは、との議論には、御大はこう見解を述べました。「スタイルは幾つもの小さなディティールによる。まず最初に、物事が何故機能しないのかを知るためには、何故機能していたのかを知らなければならない。そして第二に、チームには多くの変化が起こっていて、(敗れた)2日は上手く調整できていなかった。完璧な機械が機能するためには、少しずつ進んでいかなければならない。そしてここ数年はディティールが失われている」

それはつまり、愛弟子ペップ・グアルディオラがバルサを去ってからです。「彼がしたことは特別だったよ。それをコピーすることは可能であっても、決して同じにはならない。以前はライカールトとグアルディオラという、非常にインテリジェントな監督たちがいた。今は多くのことが、非常に早く変わっていっている。以前は9年間で2人の監督だったのに、今では3年で3人だ。それでは事はとても難しくなる。見えていないことが数多くある」

その3年で3人目の監督ルイス・エンリケの仕事ぶりに関して訊ねられたクライフの回答は次のようなものでした。「ルイス・エンリケには有利なことが1つある。それは彼を(バルサに)獲得したのは私だった、という点だ。私が首になったことで、彼のコーチにはなれなかったけれどね。彼はこのスポーツを愛している」

バルサから多くを学んだマドリー

リーガで連敗し、苦しい状況となっているルーチョチームについては、「中で何が起きているのか知らないので」との理由で口出しを避けたヨハンでしたが、この段階で結論を出すのは早急すぎるとの考えはハッキリしています。「リーガの最初の5-6試合では、バルサは最高のように思えていたんだ。しかし当時のバルサがマドリーよりも断然優れていたわけでも、今のマドリーが最高のチームなわけでもない。どちらが前にいるわけでも、後ろにいるわけでもない。マドリーは非常に良いチームで、とても良い選手たちがいるけれど、もし全ての選手たちが万全でなければ、レアル・ソシエダに4-2で負けることもある」

永遠のライバルについての、ご意見番の見解はこうです。「シーズンは始まったばかりだ。マドリーはバルセロナのプレーから多くを学んだのだろうが、チームが恩恵を受けるためには、各人がもう少し慣れていないことをやっていかなければならない」

バルサは名声を失った

ラポルタの友人であるクライフですから、サンドロ・ロセイからジョゼップ・マリア・バルトメウへと続くバルサ理事会には、いつものように非常に批判的です。「今のバルサを見ると悲しくなる。ユニセフの頃のバルサは世界の宝石で、誰もがバルサを見たがっていた。私たちは世界における多くの名声を失ったんだ。裁判事が多いのも手助けにならない。私は平和を望んでいるんじゃない。重要なのは彼らが何を望んでいるかだ。彼らは自分たちとバルサのどちらが大事なのかを決めなければならない」

ロセイ会長が誕生した直後、クラブの名誉会長のバッジを返還した件についても、「クラブには誰も満足していない。一人の会長が牢屋へ行き、別の会長は裁判をして、、今クラブで起こっていることで私が汚れないために、バッジを返したのは非常に賢い判断だったよ」と辛らつなクライフでした。

 

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