カンプノウにて、お楽しみの祝勝会。
タイトルを獲得したなら、ファンと共にそれを祝う。リーガ・エスパニョーラに続いてコパ・デル・レイでも連覇を達成したルーチョチームが23日(月)、本拠地カンプノウにて祝勝イベントを行いました。通常であれば同じ日に実行する優勝パレードはすでに先週やっているので、今回はスタジアムでのお祝いのみ。月曜夜10時開始ということで昨年のような満員御礼とはなりませんでしたが、多くのファンがカンプノウへと集い、良い結末となったシーズンを祝い合いました。印象的だったのは選手たちの多くが子供たちを同伴させ、とてもアットホームな雰囲気に包まれていたことです。
クラブとしての祝いの場
まず最初に押さえておくべきポイントは、このドブレーテを祝う会(フィエスタ・デル・ドブレーテ)が月曜日の夜10時からの開始だったことです。これはきっと、5月末のバルセロナの日の入りが21時頃で、暗くなるにはさらに時間がかかることが主な理由だと思います。スポットライトなど照明効果や花火が威力を発揮するには、会場が暗くなければなりません。とはいえ、なかなかにすごい時間設定です。時間が時間なので、観客席の入りは1階席全体と2階席の半分くらいでしょうか(クラブによると約5万人)。
また、このフィエスタはただルーチョチームの二冠を祝うだけでなく、その他のプロセクションのタイトル獲得もまた祝う場所として活用されています。イベント開始となって照明が落とされたカンプノウに、まず登場したのはローラーホッケー部(リーグ3連覇、コパ優勝)とハンドボール部(リーガ6連覇、コパ優勝)の選手たち。そうして総合スポーツクラブとしての誇りを示した後、いよいよ主役であるフットボル部の登場となります。
(さらにその前には、女子チームやユースカテゴリの選手たちもグラウンドでファンに挨拶し、記念撮影をするなどバルサ選手であることを楽しんでいる)
祝勝イベントの大雑把な流れは、次のような感じです。
- ・リーガ優勝を祝う盛り上げビデオ上映
- ・盛り上げ音楽&花火打ち上げ
- ・コパ優勝を祝う盛り上げビデオ上映
- ・再び盛り上げ音楽&花火打ち上げ
- ・チームスタッフと選手たち(子供たち)入場
- ・カピタン・イニエスタ、ルイス・エンリケ監督の挨拶
- ・お祭り男ピケ、ダニ・アルベス始め、選手たちのスピーチ
- ・子供たちも揃っての記念撮影
- ・トロフィーを持ってのグラウンド周回
- ・盛大に閉会の花火
子供たちもまた主役
イベント全体の様子は上にYouTubeに動画を貼っていますので、そちらを見ると完璧^^ こちらではちょっとした補足情報を紹介しておきましょう。
■選手とスタッフの多くは、子供たちを同伴しての祝勝会参加。妻子のいないムニールもチビッ子を3人連れていた。ラキティッチやブスケツは最近生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこ。ラキティッチの娘アダラちゃんは大音響の音楽や花火にも動じずスヤスヤ眠る度胸^^ このファミリーとの一体感もまたバルセロナの魅力の一つ。
■イベントを欠席した選手は5人で、理由はルイス・スアレスが負傷中、レオ・メッシは開始前に急に体調悪化、ラフィーニャは代表合流、アルダ・トゥランとトーマス・ベルマーレンは個人的理由。
■キャッチフレーズ “S’HA DEMOSTRAT”はイムノの一節(2番)で、直訳すると“証明した”の意味。リーガ優勝後はひとつだけだったのが、二冠達成後は“S’HA DEMOSTRAT, S’HA DEMOSTRAT”と繰り返されて歌詞と同じになる洒落たアイディア。
■チームスタッフを含め、子供たち以外は全員が背中に“REI DE COPES 28”とマーキングされたユニフォームを着用。カタルーニャ語で意味は“コパの王”。28は国王杯の優勝回数。
■フィジカルトレーナーのラフェル・ポルとチーム世話役のペペ・コスタが二冠達成を祝って丸坊主に。去年はルイス・エンリケとジョルディ・アルバが坊主にしていた。チャンピオンズ連覇で頭を丸めると約束していたイバン・ラキティッチは散髪のみ。残念!
■最後までグラウンドに残っていたのはマルク・バルトラとセルジ・ロベルト。照明が付き、選手たちがロッカーへ引き上げてからも友人たちと写真を撮り、トロフィーとポーズを取っていたバルトラは、カンプノウにお別れをしたのか?と報じられる。二人は掃除が始まるまで残っていた模様。
ピケ、マドリメディアに一言
カンプノウでの祝勝イベントといえば、選手たちのスピーチは外せません。そのなかでやはり注目を集めるのは、宴会盛り上げ部長であるジェラール・ピケやダニ・アルベス。特に去年、「ありがとうケビン・ロルダン!全てはキミから始まった!」の名言を生んだピケは今年もマドリディスモをちくりと刺す言葉でスタンドを沸かせています。
「みんな、こんばんは。みんながシーズンを通して僕らをサポートし、コパ決勝でも僕らを支えてくれたことに感謝してるよ。ミスターが言ったようにハードな一年だったけれど、僕らは二つの目標を達成したし、今はすごく幸せな気分だ。時々、僕らが10人のチームを相手にプレーしていると不満を言う人たちがいるけれど、昨日の僕らは10人でプレーをすることになって、結果はどうなった?またしても僕らの優勝だったね。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ!」
ダニ・アルベス「僕らは最高、ほかはオマケ」
ピケに続いてマイクを取ったのはダニ・アルベス。ラテラルがまず語ったのは、偉大なるチャビへの感謝の言葉でした。「この僕に背番号6を貸してくれたチャビに感謝したいんだ。彼にこの成功を捧げたいと思う。僕がこの番号を着けたのは、それによってこの番号が献身・授与され(上手く訳せません^^;)、守られると思うからだよ。彼は比類ない存在だから、自分が彼と並ぼうなんて一切思わないさ。あとは今年僕らが6つ目のリーガ優勝をすると示すためでもあった。僕らはキミのことを決して忘れてないよ。マキ(チャビのあだ名)番号を使わせてくれてありがとう。キミは偉大だ」
そしてダニは、チャンピオンズ敗退後にネット上にアップし、批判を浴びたあの女装カツラについても言及しました。「僕はSNSに1枚の写真を投稿し、それは冗談だと捉えられた。でも僕はここでもう一度主張するよ。僕らは人生に対し、職業に直面するように立ち向かっていく必要はないんだ。僕らはこの職業に身を捧げ、真摯に臨まなければならないけれど、人生はまた別。楽しまなければならない」
「キミたちは世界最高のクラブのファンだから、ものすごく恵まれている(特権を手にしている)よ。キミたちは恵まれているし、このユニフォームを守っていかなければならない。このカラーが表しているのは、世界最高のチーム、最高の選手たち、最高のスタッフだからね。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ、そしてすべて(のチームメイトたち)を生んだ母にビスカ。僕らはベスト、その他はオマケだ」(カンペオネ~~ス、カンペオ~~ネスと歌う)最後のあたり、なかなか過激^^;
ということで、ルーチョチームの2015/16シーズンの公式行事はこれにて全て終了となりました。毎年と同じように、悲喜こもごもあった一年でしたが、最後にこうして祝勝会が行われ、カンプノウに打ち上げられる盛大な花火によってシーズンを終われるのは最高に幸せなことです。ダニが繰り返しているように、バルサファンは恵まれている。それを噛み締めつつ、来季もまたあーだこーだと楽しんでいくことにいたしましょう。その前には、こちらも楽しい補強の話題や寂しい退団の話題も待っていますね。
これから休む間もなく各国の代表合宿へと旅立つ選手たちが、どうか全員怪我なく元気にシウター・エスポルティーバに帰ってきますように。
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