バルサ入団会見でカピタンのようになりたいと目標を語ったデニスくん。
2016年7月6日お昼前のカンプノウにて、FCバルセロナの2016/17シーズン1人目の加入選手、デニス・スアレスの入団プレゼンテーションが行われました。故郷ガリシア地方を思わせる青いジャケットを身に付けたデニスくんはまず、会長室を訪れてクラブとの契約書にサイン。その後は会長や理事たちとカンプノウのパルコへ足を運んでバルサ選手としての最初の挨拶、2016/17シーズンのユニフォームに着替えてのリフティング披露と記念撮影、記者会見と、新入団選手の恒例イベントを次々にこなしています。背番号はまだ決まっていないようですが、「もし可能なら6番」と希望をしっかりと言うあたり、芯のある人だと伝わってきます。
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— FC Barcelona (@FCBarcelona_es) 2016年7月7日
バルサに戻ってくるといつも考えていた
すでにリーガを代表する期待の星となっているデニス・スアレスのバルサ入団会見ですから、カンプノウ内にある記者会見室 Ricard Maxwnchs は数多くの報道陣で満員となっていたようです。2016/17シーズン最初の入団選手デニスくんは現地時間の正午前、スポーツディレクターのロベルト・フェルナンデスと、プロスポーツ部門の責任者アルベルト・ソレールに伴われて壇上に登場。入団プレゼンテーション恒例のスピーチでは、次のように語っています。
「クラブ、そして特にロベルトに感謝しています。彼とはたくさん連絡を取ってきましたし、彼とテクニカルチームは僕に多くを賭け、1月にもすでに獲得を試みてくれました。僕はとても満足しています。これは夢です。フィリアルを出た時から、僕はいつもここへ戻ってくることを考えていました。自分がこのチャンスを得るに相応しい(選手だ)と信じています。この夢に向かって闘うように僕を支えてくれた、家族や恋人にもありがとうと言いたいです。バルサで成功するために、全力を尽くしていきます」
最初のスピーチが終わった後は、デニス・スアレスと記者団による一問一答です。さすがはバルサ選手らしからぬ爽やかさでファンを魅了する彼だけあって、受け答えも非常に好感が持てます。目標にするのはアンドレス・イニエスタだと明言するあたりも、クレの心をくすぐって止みません。
バルサでの成功を楽しみにしている
■バルサを離れていた2年間で成長したポイントは?「セビージャとビジャレアルでは多くの点で進歩しました。セビージャで改善したのはフィジカルと戦術面、ビジャレアルではフットボルのスタイルがバルサに似ていたので、とても楽しんでプレーをしました。僕のようなスタイルの選手にとっては、バルサは居ることの出来る最高の場所です」
■1年目の目標は?「少しでも多くチームに貢献し、タイトルを獲得し、可能なかぎりたくさんプレーすることです。ここには最高の選手が揃ってますから、簡単ではないでしょう。しかし目標達成のために全力を尽くします。世界最高の選手たちといることで、自分も進歩していきます。重要なのは進歩し、手にする時間を活用すること、質の高い時間とすることです」
■ルイス・エンリケとは話をした?「彼と話す時間はなかったですが、ロベルトとはたくさん話をしましたし、彼からルイス・エンリケの考えを伝え聞いています。僕の自然なポジションはインテリオールですが、前線でもプレーすることもできます。僕は左右のインテリオールと、左右のエストレーモでプレーができる。でも自然なポジションは、右であれ左であれインテリオールです」
■バルサに戻る上で迷いはあった?「外へ出た時からクラブやテクニカルチームの信頼を感じていました。この2年間で自分が大いに成長したと思いますし、バルサがいつも僕を見てくれていたことは、僕が進化する上で手助けになりました。僕はここでプレーしたかったですし、ここへ戻れると示したかった。今ここにいることを僕はとても嬉しく思っています」
■バルサに戻れなかった冬はどう過ごしていた?「セビージャへのレンタルが終わった去年の夏から、僕は戻ってくることを強く希望していました。そして最後の瞬間まで戻れるように試みましたが、無理だったんです。一方で冬はビジャレアルで上手くいっていましたし、重要な役割も担っていたので難しかったです。シーズンが終われば戻れるだろうとは分かっていました」
■バルサは出来上がったチーム。忍耐はありますか?「バルサは3つのコンペティションに出場しますし、ほぼ60試合をプレーします。全員に出場の機会は訪れるでしょうし、出場時間は勝ち取らなければなりません。僕はビジャレアルですばらしいシーズンを送りましたし、野心を持って戻ってきました。ここで成功できることを楽しみにしています」
■ほかのクラブからのオファーは?「外国のチームから幾つか誘いがありましたが、ロベルトとバルサに対し、ここへ戻ることが自分の願いだといつも言ってきました」
着けたい背番号は“6番”
■目標とする選手は?「小さな頃から、イニエスタに注目してきました。彼は全ての若者にとってのお手本ですし、僕にとってもそうです。彼は選手としての振舞いだけでなく、ピッチを離れたときの振舞いもすばらしいですから。最初の数年間はレギュラーではなかったですが、良いプレーと振る舞いによって彼は全てを勝ち取りました。彼は僕のアイドルです。彼から学んでいきたいですし、世界最高のインテリオールと毎日トレーニングできることを楽しみにしています」
■自分をイニエスタの後継者だと思う?「そうなれればいいですね。誰だってアンドレスの後継者になりたいものです。でも僕はここに、学びにきました。彼と僕はポジションがほとんど同じですから、いつかは彼に近づければいいなと思います。イニエスタが勝ち取ったもの、それが多くの選手にとって手の届かない領域なのは知っています」
■身に着けたい背番号は?「僕にとって背番号は優先するものではないですし、与えられる番号はどれも良い番号になるでしょう。ただ、ダニ・アルベスがすでに移籍をしたので、着けたいのはアイドルの一人だったチャビが使っていた6番です。背番号は優先ではないですけれど」
■バルサの選手とは話をした?「アレイシはメッセージを送ってくれました。彼とはセビージャで一緒でした。アルバやピケとは、代表のプレ合宿で一緒でした。もうここにはいませんが、バルトラもそうでした。バルサのロッカールームはすごく団結しているので、新入りにはありがたいことです」
■カンテラーノたちには武者修行を薦める?「レンタルで出ることに関しては、バルサBにいて昇格できなかった選手たちには、出ることを薦めます。バルサというのは別の世界で、ここにいるのはディズニーランドにいるようなものです。外へ出ることはフットボル選手や人間として成熟するのに役立つでしょう。バルサのようなインフラは他のクラブでは見られません」
■あなたは監督にどのような貢献ができますか?「これまでに師事した監督たちから、多くのことを学びました。バルサにはポリバレント性で貢献できると思います。それはプレーするための可能性を広げるということですから、監督だけでなく、自分にとっても良いことです。ポジションを勝ち取るために、全力でトレーニングに励んでいきたいです」
ベンチメンバー強化で総合力が上がる
デニス・スアレスはバルサ入団会見にてアンドレス・イニエスタを目標に掲げ、今でこそフットボルファンなら誰もが超クラックだと認める彼もまた、昇格してからの数年間は控えで、自らポジションを勝ち取ったと語りました。バルサで成功したい、少しでも多く試合に出たいと野心的に抱負を述べたデニスくんですが、イニエスタやラキティッチからポジションを奪うのは簡単ではないでしょう。まず目指すのは、ルイス・エンリケが鉄板イレブンを休ませようとした時に最初に起用しようと思わせる、“12番目の選手”となること。ドンも最初はデコという大きな壁が立ちはだかっていたわけで、乗り越えるには3年ほどかかったと記憶しています。忍耐強く、ファイトです。
世界最高クラスのイレブンが揃っているバルサですから、この夏の補強方針は彼らを補完する選手たち、ミドルクラスの控え選手となります。昨年はチャビやペドロといった選手たちが去ったことで、ベンチと先発に大きな実力差が生じ、ルーチョは苦労しました。昨日プレゼンされたデニス・スアレスや来週バルセロナに降り立つというウムティティ、第4のデランテロ候補と注目されるルーカス・ペレスかビエット、さらにはウワサのアンドレ・ゴメスらが加わったりすれば、バルサのチーム層はぐっと厚みを増すでしょう。アルベスの抜けた穴は埋めようがないにせよ、ベンチを厚くする試みは良い結果をもたらすと期待できます。そして「夏は長いからね、時間はある」と語るロベルト・フェルナンデスの手腕に期待したいです。
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