コウチーニョもデンベレも困難な状況で
バルサの補強作戦が難航しています。昨日、英国方面から届いたのは、コウチーニョに対するFCバルセロナからのメガオファー(1億3,000万ユーロ)をリバポーが断ったとの情報。もう一人の重要目標ウスマン・デンベレの交渉もドルトムントが強硬な姿勢を貫いていますから、この調子でいけば両オペレーションは頓挫する可能性が高いでしょう。少なくとも両取りが可能と思えない。バルサの補強計画・交渉力ではムリがありました。
撤退の決断
夏のマーケット終了まであと12日ほどとなった今、下すべきはどこで撤退するかの決断でしょう。所属クラブに反旗を翻してくれた選手たち(特にデンベレ)には心底申し訳なく思いますが、このままだとパニックバイの結末しか見えない。コウチーニョとデンベレがいかに好選手とはいえど、たとえば1億5,000万ユーロの値打ちがあるかといえばNOです。
選手たちとの合意があり、更に反逆という援助がありながらも所属クラブを崩せないのですから、バルサにこの先の交渉を打破することは困難でしょう。相手先に完全に足下を見られているので、手立てがあるとしてもオファー増額しかなさそう。そしてこの作戦が失敗すれば、バルサ入団のためにムリをすると大やけどすることが知れ渡り、クラック獲得が困難になるでしょうが・・・それも自業自得というものです。撤退の決断が求められます。
ベラッティを狙った理由
そもそもの話ですが、もう遠い過去の話に思える夏の初め、バルサが何故マルコ・ベラッティの獲得をあれだけ熱望したのか、クラブ理事会は思い出す必要があります。それはルーチョバルサで失われてしまったバルサのアイデンティティ、ポゼッションを取り戻すためではなかったか。ならばPSGの反対でベラッティが不可能となった時、次に狙うはベラッティのプランBだったはずです。
しかしそこで名前が再登場したのはタイプの異なるコウチーニョでした。彼はイニエスタタイプの偽エストレーモにもなれるインテリオールで、カンプノウでインパクトを残せそうな選手ですから、最後(8月末)までムリをするのもいいかもしれませんが・・・ 獲れた場合は特性の重なるデニス・スアレスはどうなるのか。そのあたりも見えません(デウロとエストレーモを競う?)。
セリが浮上するも・・・
そして、ここへきてSPORT紙が「プランBを加速させるべき、セリがその選手」と言い出しています。ニースに所属するセリは“アフリカのチャビ”と言われ、プレーのオーガナイザーとなる資質があります。費用もおそらくは3,000万ユーロあたりで収まるらしく、高騰コウチーニョよりずいぶんとリーズナブル。ビッグクラブへの適応は未知数ですが、それはパウリーニョも同じですし、賭ける値打ちはありましょう。
中盤にチャビの後継者となる選手を獲るのか、それとも必要なのはイニエスタの後継なのか。思い切って両方獲得し、ラキティッチ、アルダを放出・・・?プランBもいい、いいのですが、マーケット終了まであと2週間を切った状況でのプランB 加速はちょっと遅くないですか(カンテラに賭けるというB案もある)。
このままコウチーニョもデンベレも獲れずに終わった場合、なんというか、モラル的にかなり沈んだ状態でのスタートになるのが気になるところです。ブスケツも「刷新のために補強が必要。多いほどいい」と言っていますし、最低どちらかのクラックは欲しいけれど、理事会はどちらを選ぶのか・・・ 放出オペレーションも含め、残り時間は多くはありません。
※19日、ドルトムントのZorcスポーツディレクターが「要求を満たせば、デンベレは移籍するだろう。そうでなければ残留」と明言。扉は開かれたものの、言い値を払えということかと推測されます。
コメント
ドルトムントがここに来て放出に前向きな発言をしたのは最近放置されていたことで焦ったのでしょうか。
個人的にはあくまでデンベレ推しです(コウチーニョには「今夏は見送る」ということにしておくべきでしょう)。
そしてオペレーション終了後に会長には辞任して頂きたいです。
ずっと不信感を抱いていましたが、今夏の移籍市場での一連の対応のお粗末ぶりは到底看過できるものではありません(相手クラブが態度を硬直化させるのもフロントの態度に問題がありそうですし)。