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スキャンダルの早期幕引きを計るバルトメウ、理事会内に渦巻く怒り|バルサゲート

クラブ関係者の名誉を落とすためのSNS利用を会長たちが依頼した疑惑
多くの理事は秘密裏の活動に不快感を示し、バルトに説明と処置を求める

FCバルセロナが、というよりは自身周辺がめらめらと炎を上げたことを受け、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長が出動しました。目的は一刻も早く騒動の火を消し去ること。しかし疑惑を否定し、暗躍した企業との契約を打ち切るだけでは不十分で、会長周辺がさらに厳しい状況に追い込まれる可能性も大きいです。

周りの悪評を流すことで、自分たちを上げる謀略

まず初めに、今回の「バルサゲート」事件についてまとめてみます。以下、少々長くなりますので、よければお付き合いください。
事の発端は月曜日にラジオ局カデナセール(Cadena SER)カタルーニャが放送している番組 Que t’hi Jugues で報じた疑惑でした。

それはFCバルセロナがSNSにおいてどう言われているかをモニタリングする企業と契約していたというものですが、それはよくあることでしょうし、問題にはなりません。
問題は契約した I3 Ventures社(本社ブエノスアイレス)がジュゼップ・マリア・バルトメウ会長や彼の理事会の評判を守り」つつ、「クラブと関係する人物や団体の評判を落とす」ことを目的としていた点です。

番組によると I3 Ventures社は複数の非公式フェイスブック、ツイッターアカウントを管理し、そのアカウントを使ってメッシピケペップ・グアルディオラチャビ・エルナンデスカルラス・プジョルといった選手・元選手、次期会長選挙の候補予定者であるビクトル・フォンジョアン・ラポルタアグスティ・ベネティト、さらにリーガ放映権を持つメディアプロ社のジャウマ・ロウレス会長らを批判していたと。

当然、こういった疑惑をぶちまけるのですから、SERはその裏付けとなる文書も入手しています。同局はその後、別の番組からも新たな証拠物を投下、そのうちのひとつが「アクションプラン」と名付けられた、会長立候補予定者ビクトル・フォンの評判を落とすための計画書です。
これらの書類にはバルサのエスクードが入っていたりして、大事なエスクードをどこに使ってくれてんねんと言いたくなります。

SPORTによると昨年7月にもARA紙のアルベルト・リモンス記者が同じ情報について報じていたが、証拠文書がなかった。
クラブはビクトル・フォンを攻撃するための計画書について、一切依頼をしていないし、クラブオフィスに届いてもいないと述べている。

そして騒動が起こったすぐ後、I3 Ventures はSERによって告発されたネガティブコメントが記されたフェイスブックページを削除してるのですが・・・ ネット企業なのに対応が古くて素人くさいな。

それにしても、暗躍するSNSアカウントによってバルトメウの評判が守られたりしますかね。事実だとすれば、その発想が情けない。選手をも批判対象にするなんて。

メディアに選手をおとしめる情報を流すクラブ理事がいる、とピケが苦言|ロッカールームの権力報道
FCバルセロナの第3カピタン、ジェラール・ピケがヘタフェ戦終了後のミックスゾーンにて、バルセロニスタの団結を求めるメッセージを発しました。目標達成へと向かうために一致団結を求めるのは珍しくないですが、今回のそれは少し毛色が違う。クラブ内部に波風を立てようとする人々がいる、とセントラルがほのめかしているからです。

バルサは疑惑を否定

この疑惑に対してバルトメウは昨日、ネット上でのバルサ全般に関するコメントをモニタリングするために I3 Ventures と契約したことは認めています。
しかしながらバルサ会長は悪評流布の疑いについては「バルサは誰かのイメージを落とすことを目的とするいかなる契約も結んでいない」ときっぱりと否定。各アカウントがバルサ関係者を攻撃していたことをクラブは知っていたとの報道も「完全なウソ」と否定しました。

ただ、当初は疑惑のアカウント(6つ)と I3 Ventures のつながりはないと公式声明で述べていたクラブですが、もしそのうちの1つ Respeto y Deporte が実は同社によって作られたアカウントだと確認されれば、同社との契約を解除し法的処置を取ることも同じく記しています。
契約解除はもう時間の問題です。

カピタンたちへ説明:
各メディア報道によるとバルトメウは昨日、シウタット・エスポルティーバを訪れて4人のカピタンたち、ならびにキケ・セティエンと面会をしており、そこで彼らに対し I3 Ventures との関係を切ったことや、クラブがそういった有害メッセージを投下させたことは一切ないと伝えたそうです。

今回の騒動では自分たちに一切非はなく、すべては I3 Ventures の仕業であるとの姿勢を強調することで事態の沈静化を図ろうとしているバルトメウ会長
しかしながら、そう思うように鎮火することはないですよね。。。I3との契約解除(尻尾切り)だけでは、仮にロッカールームが納得したとしても、不十分です。外野は納得しない。理事会メンバーも納得しない。

お家芸の内部抗争

今回の件(MDは“混乱”と表し、SPORTは“クライシス”と言う)はカデナセールの報道が火付け役になったのですが、では彼らがどこからその情報と詳細な証拠文書を手に入れたのかというと・・・ バルサ内部であるとの推察は容易にできます。2021年の会長選挙に向けた、お家芸の内部抗争の匂い。

ジュゼップ・マリア・バルトメウにとって、2020年は困難の連続です。
監督交代を巡ってのドーハ遠征問題に始まり、冬マーケットでの9番獲得失敗、アビダルの不用意発言による炎上問題。これらによってバルトメウ理事会の体力が弱っているところに、このスキャンダルがぶつけられました。バルトメウとその仲間たちはカッカきてるでしょうし、そんなクラブ関係者を攻撃するマル秘作戦が実行されていると知らなかった理事たちもカッカしてるでしょう。

理事会内に怒り:
20万ユーロを超える事業は会計や副会長、つまりは理事会の承認が必要になるので、内密に実行できるよう小分けにして合計80万ユーロ(約1億円)が支払われていた(MD)、だから知らない理事が大半だったというわけです。
さらにI3 Venturesとの契約はクラブのデジタル戦略を担う部門にもまったく相談されていない(SPORT)。
そんななかで極秘情報に接触できる人物が、爆弾を投下した。バルサ中枢は一体どんな雰囲気ですかね。すごそう。

内部から燃やされた炎をバルトメウは I3 Ventures との契約解除で消火し乗りきろうとしていますが、火は依然バルセロニズモや理事会内・執行部内にくすぶっています。
理事や執行役員の多くは責任者(会長顧問で右腕のジャウマ・マスフェレール)の追放を会長に要求すると見られてもいる。嵐はまだ過ぎ去ってはいません。
金曜日の臨時理事会(ずっと前から臨時ソシオ総会の準備のために招集されていた)が、一つの山場になりそうです。

そしてその、エスパイ・バルサの予算承認を得るために近々予定されている、臨時信任ソシオ総会でも一波乱起こるかもしれない。

こういった騒音は現場のチームの集中を乱すというのは事実で、ご勘弁である一方、非常にバルサらしくもあるので背景を想像しながら見てみるのも好いんじゃないでしょうかね(適当)。

 

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