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もつれていたグリーズマン問題で、ついにアトレティコと基本合意

お金の問題により、30分間の出場が続いていたフランス人クラック
2,000万ユーロの支払いによる移籍で両クラブが合意したという

アントワン・グリーズマン移籍を巡るFCバルセロナとアトレティコ・デ・マドリーの争いがようやく決着しそうです。各メディアが伝えるところによると、両クラブは2,000万ユーロの支払いによってフランス人クラックの移籍で合意したという。開幕から続いていたグリジの起用制限が、これで解除されることとなります。完全に所有権を手放せたバルサ、値切れたアトレティ、縛りなく試合に出られるようになったグリーズマン。起用できるシメオネも安堵。

義務的買取オプション4,000万ユーロ

数週間前から勃発していた、FCバルセロナとアトレティコ・デ・マドリーによるアントワン・グリーズマンを巡ってのいざこざ。バルサが法的手段もちらつかせたその争いの種は、去年(2021年)夏に蒔かれていました。
バルセロナのサラリー削減作戦のひとつとしてグリジが古巣へと期限付き移籍される際(1年+1年)、両クラブは契約書に次のような条項を入れたのです。

グリーズマンがレンタル中に起用可能な試合の50%以上をプレーした場合、アトレティコはシーズン終了時に4,000万ユーロで選手を買い取ること

そして昨季のグリーズマンは公式戦39試合(2,522分)に出場し、招集された試合はほとんど先発起用されています(30試合)。買取オプション発動へと一直線です。
しかし4,000万ユーロを支払いたくないアトレティコは考えます。出場時間を調整させよう。

結果、今季のグリジはほぼ毎試合63分からの登場となっていて、そのたびにあれやこれやと議論になった。先週末のセビージャ戦も61分からの登場でした。
私としては実は大して興味もなかったし、知れば確実に暗い気分になるのでスルーしてきましたが(苦笑)、改めて調べてみるとシメオネの苦労がうかがえて同情します。グリーズマンとしてもしんどかったでしょう。

グリーズマンは1ヶ月前、このようにコメントしています。
「これが現状だよ。僕の手の中にはない。もっとプレーをしたいけれど、与えられた時間の中で全てを出していくさ。僕はここで幸せなんだ。クラブやチョロ(シメオネ)、ファンのために全力を出したい、それだけだよ。そして楽しみたいね」

この不毛な状況についに終わりが見えてきた。
バルサとアトレティコが2,000万ユーロの支払いで基本合意した、そうなのです。これでバルセロナと選手の契約は解除され、選手は100%アトレティ所属となる。もし土壇場での決裂がなければ、近々発表になる模様と。

見解の相違

両クラブの見解にも相違がありました。
バルサ:「そもそも、レンタル期間は1シーズン」
アトレティコ:「延長期間も含めた2シーズンでしょ」

バルサとしては、初年度に50%以上に出場しなければ発生しない2年目は4,000万ユーロ支払いの条件に含まれない、と考えている。オプションである2年目に入った時点で、義務的買取オプションの発動条件はすでに満たされているわけです。
バルサの見解では、2022/23シーズンでいくら出場時間を工夫しても関係ない。
1ヶ月前には契約違反に対する法的手段も検討中だ、との“脅しニュース”も報じられています。

一方でアトレティコは動じません。
彼らは延長分も含めた2シーズン合計での出場時間で決まると解釈し、4,000万ユーロは払わないぞ、との意思表示で60分以降の起用を続けている。
戦力となる選手をお金の事情で使えないのは現場のチームとしては非常に苦しいでしょう。残り30分となるまでグリーズマン抜きで戦わざるを得ないことで、失った勝ち点もあったのではないか。

が、そういった粘りの甲斐もあってか、両クラブは今こうして妥協策での着地をしようとしています。アトレティコの戦術が機能した、と単純にまとめていいのかは分かりませんが、結果として彼らは半分以上の移籍金を値切れた。満足ではあるでしょう。
バルサにとって最悪なのは来夏にまたグリジが戻ってきて高給が発生することなので、それを回避できたことは目的達成となります。2,000万ユーロとはいえ、移籍金も手にした。

バルセロニズモとしては、仕方のない妥協点だと賛成の声も多い一方、4,000万ユーロを譲るべきではなかったとの意見も強いかな。アンケートやらコメントを見て受ける印象です。

グリーズマン物語のバルサ章に決着

改めて、グリーズマンのバルサ加入は散々なオペレーションでした。
ピケが経営する会社が作成したドキュメント番組でのアトレティコ残留宣言から始まり、わずか1年後のバルサ入団、失意の2シーズン、そして古巣復帰と、この“残り30分からの男”問題。
話題の宝庫であるフットボル界においても、かなり奇妙な物語です。

今回の問題を解決するにあたっては、減給を受け入れるなど、グリーズマン本人の強い願いがカギになったのだとMDは伝えています。シメオネからアトレティコ首脳への要請もあったでしょう。
難しい状況にもかかわらず、一切愚痴を漏らさず、悪態もつかず、トレーニングと試合に全力で取り組んだ彼の姿勢は称賛されるに相応しい。後悔はないと思うのですが、バルサに来ちゃったことで歯車が狂った選手でした。

移籍の際にケチが付くというか、物議を醸してバルサに入った選手というのは、最終的には幸せな物語にはならないんじゃないかとグリーズマンの件を見て思います。いや、というか、物議を醸していなくとも、幸せな結末を迎えて表門から送り出される選手の方が稀か・・・。
いろいろと教訓や示唆を含む“メロドラマ”となったアントワン・グリーズマン話でありました。もうこんな補強が繰り返されませんように。

コメント

  1. uk より:

    まんまとアトレティコの思惑通りに値切られましたが、これはどうしようもないですね。買取必須の条項なしに三十路の選手を2年レンタルした時点でこの筋書きはできていたかと。

    バルサに戻られれば、上がっていく給与契約でバルサの財政が終わる。他のクラブが2000万ユーロ以上で欲しがったとしても本人がアトレティコ以外受け入れない。最悪契約解除するしかなく、2000万ユーロすら得られない。

    バルサとしてはこうするしか道はないということに。不愉快ではありますが、バルトメウのトンデモ契約から一つ解放されると思えば間違いなく一歩前進です。

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