バルサ会長の候補者はどんな人々なのか、どんな主張をしているのか
2021年3月07日からFCバルセロナの運営を担うべく、次期会長の正式候補となった3名の志願者たち。多少なりとも参考になれば良いなと、それぞれの情報を書き留めていきます。
バルサ会長選挙へと出馬名乗りを上げた8名のうち、その第一関門であるソシオの支持署名集め(2,257枚)を突破したのはラポルタ、フォン、そしてフレイシャの3名でした。
当初は1月24日に予定されていた投票日は、COVID-19 感染拡大(と予想された事態への対処不足)により3月7日へと延期に。投票権を持つソシオにとっては、候補者たちを吟味する期間が増えたとも言えますが・・・
以下は3人の会長候補者たちの基本情報です。
※ソシオによる支持署名を多く集めた順に記載
ぼちぼち加筆していきます・・・^^
■今回初めて導入される郵便投票。ソシオに対してクラブが希望者を募ったところ、投票権を持つソシオ 110,290人のうち、20.7%に当たる22,811人からの申し出があった。郵便投票の受付期間は、2月15日(月)~26日(金)。
■投票日は3月7日(日)
投票所はバルセロナ(カンプノウ、パラウ・ブラウグラナ)、ジローナ、リェイダ、タッラゴナ、トルトサ、アンドラの7個所に設けられる。郵便投票が実施されることでカタルーニャ州以外はなくなった。
ジョアン・ラポルタ(Joan Laporta Estruch)
- ●1962年6月29日、バルセロナ生まれ(58歳)、ソシオ番号 16,559(2015年更新)
- ●バルセロナ大学法学部卒。弁護士で政治家。カタルーニャ独立を支持。カタルーニャ州議会議員(2010-12)。バルセロナ市議会議員(2011-15)。
- ●活動団体 Elefant Blau 代表として2000年選挙ではリュイス・バサット陣営に参加(ガスパーが当選)。2003年選挙ではバサットに逆転勝利し(得票率52.57%)、2010年までバルサ会長を務めた。2015年選挙ではバルトメウに敗れ2位(得票率33.03%)。2020年11月末、世界遺産サン・パウ病院にて会長選への出馬を正式表明。
- ●スローガン:Estimem el Barça(私たちはバルサを愛する)。
- ●ソシオの支持署名集めでは、候補者間で最多となる10,257枚を集め、9,625枚が有効とされた。
- ●スポーツプロジェクト:クライフモデルを守る。
- ●経済再建策:差し迫った負債の返却には、債券の発行を提案。
- ●ベルナベウの近所に「あなたたちにまた会いたい」と記された巨大な看板を立てる広告戦略がバズる。
- ●「他候補たちとは違い、自分にはレオ・メッシの信頼がある」と強調。「私が常に言葉を守ってきたことを彼は知っている。彼が心地よく感じ、そしてバルサが再びCLで成功する、彼にはそんな提案を会長になってしたい」
- ●各派の対立は煽らず、バルセロニズモが団結するべき時だと訴える。
- ●元バルサ選手のビクトル・ムニョスとピチ・アロンソが支持を表明。
■エリック・ガルシアの冬加入を支持しなかった件について
「これは経済、スポーツ、すべての要素が凝縮されたテーマだ。監督は目の前の状況に対して解決策を探さなければならない。さらにラ・マシアへのメッセージも考慮する必要があるんだ。16歳で無料で去って行くであろう少年たちに、彼らが考えた時に復帰できるだろう、さらには無料で戻れるにもかかわらずお金を払って、とメッセージを送ることはできない」
■ジョルディ・クルイフ曰く「もし父(ヨハン)が生きていたなら、ラポルタに投票するだろう」
ラポルタは謝意を表し、ジョルディとの関係性の良さを強調。ジョルディ・クルイフはビクトル・フォンがスポーツディレクターに推している人物。
ビクトル・フォン(Víctor Font Manté)
- ●1972年8月12日、バルセロナ県生まれ(48歳)、ソシオ番号 72,609(2018年更新)
- ●ESADE(バルセロナにある世界トップクラスのMBAビジネススクール)でMBA取得。DELTA PARTNERS社の共同創業者でCEO。ARA紙創業者。
- ●2010年選挙で元副会長マルク・イングラの陣営入り。2018年6月、チャビ・エルナンデスを擁し活動団体 Sí al Futur(未来へのYES) を創設。2019年1月、バルサ会長選挙への出馬意志を表明。バルトメウ不信任動議を支援。
- ●スローガン:Foc nou i bon govern(新たなる火と良き運営)。最良の運営陣によるクラブ再生を訴えると主張。
- ●ソシオの支持署名では4,713枚を提出し、4,431枚が有効となった。
- ●スポーツプロジェクト:フットボール部門のディレクターにチャビを掲げる。ゼネラルディレクターを創設し、旧友であるジュリ・ロペスを当てる。セクレタリオ・テクニコ(強化技術部長)には元バルサBでレバンテでディレクターだったティト・ブランコを指名。
- ●経済再建策:危機的状況からクラブを救うことが最初の最優先事項。負債のリファイナンスとコスト構造の再構築。選手サラリーの見直しは必須。
- ●チームにテニスコーチのトニ・ナダルが参加。選手ラファ・ナダルの叔父。
- ●チームに記者でARA紙取締役のアントニ・バッサスが参加。選挙に勝った場合は執行部に入る。
- ●チームに高名なる医師ラモン・クガットが参加。膝の権威でバルサ選手も度々お世話になっている。
- ●自分が会長になれば、女性役員を数多く登用するとアピール。すでに5名のチーム入りを発表している。
- ●ネイマールの復帰には反対。
- ●監督はロナルド・クーマン続投を支持すると方向転換。
- ●フットボルバセ(育成部門)のディレクターにはジョアン・ビラ。かのアルベルト・ベナイヘスも戻ってくる。
■テレビ番組にてラポルタを批判
「プロジェクトがなく、議論をしたがらない元会長に対して、プロジェクトを対比させソシオが感覚で投票することを避けるための最良の方法は、私たちが(陣営参加者の)名前を出すことだろう。私たちは提案をし続けていくよ。最後の日までね」「彼は語るのを怖がっている」「横断幕を出すよりも、私はバルサの話をしたい」
トニ・フレイシャ(Toni Freixa Martí)
- ●1968年10月8日、バルセロナ生まれ(52歳)、ソシオ番号 62,778(2015年更新)
- ●バルセロナ大学法学部卒。弁護士、企業経営者。
- ●2003年、ラポルタ理事会のメンバーとなる。2005年に辞任し、ルセイ理事会のスポークスマンとして復帰。バルトメウ時代でも理事を務めた。2015年選挙では1,750票(3.70%)を獲得。2020年9月、会長選挙への出馬を表明。
- ●スローガン:Fidels al Barça(バルサに誠実)。政治的な利益とクラブを切り離し、誠意を持ってクラブ運営にあたるとする。
- ●ソシオの支持署名集めでは2,822枚を提出し、2,634枚が有効に。
- ●スポーツプロジェクト:フットボールディレクターに元バルサ選手のリュイス・カレーラス。
- ●経済再建策:キャッシュを得るための手段としての債券発行を否定。スポーツ面での再建が経済も改善させると考える。新カンプノウ建設を支持。
- ●ネイマール復帰には反対。ロナルド・クーマンは続投するべきと考える。「チャビはいつか監督となるだろうが、今ではない。現監督はクーマンだ」「クラブには安定が必要。クライフも最初の2年は良くなかったが、その後4連覇をしている」
- ●「この選挙キャンペーンには政治的・企業的な利益による影響があり、そういったしがらみのない唯一の候補が私たちだ」とアピール。
- ●「ウソを言い続ける候補者たちがいる。そしてメディアはそれが事実であるかのように報じている」「候補者の何人かは政治家と一緒になっている」「ソシオはラポルタがどういう人物かよく知っている。彼は4億500万ユーロの負債をクラブに残した。もしラポルタが選ばれれば、クラブは真の危機に陥るだろう」
- ●「チャビはバルサの財産だ」「私はチャビと話をした。ゼネラルマネージャーになると言われているが、それはチャビの意志と一致しない」
- ●カンプノウ北ゴール裏席の熱いサポーター集団たちと、当選後のサポートに関する合意文書でサイン。
- ●ヌニェス会長時代のクラブ理事で、ラ・マシア創設の父となった伝説のソシオ(番号108)ジャウマ・アマト氏が家族とともにフレイシャへの支持を表明。
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