チームとファンの大きな信頼を勝ち取ったミスター
バルセロニスタをしていて至福の瞬間、それは応援する選手たちがトロフィーを掲げる時ですが、サンティアゴ・ベルナベウが敗北に沈黙する瞬間もまた格別なものがあります。0-1の時はまだわーわーざわついているのが、2つ、3つと点差が広がるにつれ無反応になっていく。アレイシの0-3時の沈黙は気持ち良すぎて、小躍りが止まりませんでした。
バルセロニスタ、青えんじのクリスマスを満喫
LFPの思惑だかコンピュータの気まぐれだか知りませんが、2017/18シーズン最初のリーガクラシコは12月23日(土)に設定されました。2017年の最終戦。マドリディスタの目論見としては、ムンディアリート(クラブW杯)を連覇し、その勢いでバルサも叩いて最高のクリスマス、というのがあったでしょう。
でもごめんなさい。
このエル・クラシコを極上のクリスマスプレゼントとして楽しんだのは白い人々ではなく、青えんじのバルセロニスタでした。白いクリスマスだ、との巨大横断幕が用意されたスタジアムで、勝つしかない状況に追い込まれたマドリーにタイトル競争脱落という厳しい現実をプレゼントするこの快感たるや。良い日をベルナベウクラシコに設定してもらったものです。
クラブ史上初らしい年間5タイトルを獲得したことで、史上最高のマドリーとの称号を得ていたジダンチームに、1試合消化が多いとはいえ14ポイント差を付けて2017年を終了したバルセロナ。忍耐強く前半を凌ぎ、後半に白組を葬り去った選手たちとエルネスト・バルベルデの仕事に感謝します。
それにしてもバルサがゲームを支配した後半の、マドリーの迫力の無さといったら、ね。挫けるの早くなってませんか。まあ、知ったことではないんですけれど。
偉大なる監督バルベルデ
今回のエル・クラシコは前後半が別のパノラマとなり、エルネスト・バルベルデの持ち味がたっぷりと発揮されました。某放送ではチングリに超辛口だったと聞きますけれど・・・ 当のバルセロニスタが喜んでるんだから「なに言ってんだか」と。
結果は出ているけれども派手さのスパイスをちょっと欠くフットボルにより、物足りなさを指摘されていたバルベルデのバルサですが、エル・クラシコ勝利はやはり絶大です。その地味さも選手たちに快適と感じさせる強みと評価される。25日のSPORT紙では「クラシコの偉大なる勝者」として称えられ、なんというか、「オレたちのミスター」と正式に認められた感があります。
選手を入れ替えるでもなく、微妙な修正によって展開を激変させた後半は見事でした。ハーフタイム前との大きな違いはセルヒオ・ブスケツのプレー精度が通常版に戻り、チームにリズムが出たこと。前半の疲れが見えるマドリーを圧倒、呑み込むことで2点差とし、ジダンの選手交代を混乱させた流れは快感です。
後半戦の更なる進化に期待
ちなみにSPORTによれば、リーガ第17節で無敗だったのは2009/10シーズンのペップチームと、2012/13のティトチーム以来で、それらのシーズンは最終的に勝点99と100を獲得しています(当然優勝)。今季のバルベルデチームもそれくらい届きそうで、クラブ記録更新もあるかもしれません。
あとはウスマン・デンベレやラフィーニャが戻ってくることで、この4-4-2にどのような変化が加えられていくか。
チャンピオンズの猛者たちを破るにはプラスアルファが必要ですから、チングリさんがどう強化させていくのか、そこが後半戦の楽しみのひとつです。このミスターを信頼して付いていけば、大きなことを達成できる。そう信じさせることに成功したシーズン前半戦でした。
このニュースのまとめ
- ・ベルナベウでは監督力の差を示したバルベルデ
- ・大きな試験に合格し、信頼度が大きく上昇
- ・2018年の更なる進化に期待
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