年俸アップ要求とクラブの給与体系に着地点を見出す、それが交渉
サムエル・ウンティティとFCバルセロナの契約交渉が難航している、とSPORT紙が伝えています。選手の要求する年俸額がクラブの水準を超えるものなので、バルサが了承しかね、両者に溝ができているとの内容。事実であるなら、残念なことです。
ウンティティとFCバルセロナの契約は2021年6月末までとなっていて、契約解除金は6,000万ユーロに設定されています。
入団以来ハイレベルなパフォーマンスを見せているセントラルを、6,000万ユーロで引き抜けるなら、資金力のあるクラブにとってはお手頃。ここを修正しつつ、活躍に応じた年俸額に上げるのが今回の契約交渉の目的です。
SPORT「高すぎる年俸要求をバルサは呑めない」
まず3月26日のSPORTは、この契約交渉が上手くいっていない、との見解です。
上手くいっていないどころか、「危険」という見出し。
その理由は、選手側の要求がバルサの呑める限度を超えているからです。
同紙の内容をそのまま信じると、『イニエスタやルイス・スアレスらと並ぶスカッドの第2ランク』だそうで、事実ならそれはたしかに要求しすぎなんですよね・・・
ウンティティ側はジョゼ・モウリーニョ(マンチェスター・ユナイテッド監督)からの個人的にオファーと同じ額、年俸900万ユーロ(手取り)をバルサに求めているとSPORTはいいます。
第2ランクの年俸ということは、イバン・ラキティッチやジョルディ・アルバらを差し置くということ。
バルサはそれを良しとせず、「スポーツ的な問題よりも経済的な問題に固執するウンティティをクラブは残念がっている」と3月27日の続報でSPORTは伝えています。
これだけ高い世界的評価を得られるのも、クラブタイトルの可能性を手にしているのも、バルサ選手だからというのが大きいだろうとの論理。
ユナイテッドで選手として同様の幸せが得られますか?サラリー以外に考慮すべき点があるんじゃないの?という話で、クレとしては一定の支持ができます。
デンベレ要素
・・・ が、ひょっとするとウンティティの頭の中には、年俸1,200万ユーロ(税込?)とリークされているウスマン・デンベレの存在があるのかもしれない。1年目で実績もないウスマンがそんなにもらえるのなら、と考えても不思議じゃないです。
これもリーク情報に過ぎませんが、クラブのほうから給与体系を壊していますからね・・・
MD「これは綱引き」
一方で、たしかにウンティティ側は年俸アップを望んでいるけれども、これは契約交渉における綱引きの一環であって、選手はバルサ退団を考えていないとするのがMD(ムンドデポルティボ)紙です。
MDは『モウリーニョ筋は弊紙に対して、彼らがウンティティに関心を抱いていることを否定した。彼の目標は今もマドリーのラファエル・バランだ』と伝えていて、そもそもの前提からして違っています。
ユナイテッドには申し訳ないのですが、“夢の劇場”がいかにすばらしいスタジアムであっても、スポーツ的な部分で今あちらに行く魅力をウンティティが感じるかどうか。もし感じちゃうのであれば仕方ない、残念ですが、支払われる6,000万ユーロでデ・リフトを獲りに行きますか。
カギとなるロベルト・フェルナンデス
もちろん残念な退団にならないことが基本なので、互いの要求の着地点をいかに見出していくか。
最近ではセルジ・ロベルトがそうだったように、活躍と年俸が不釣り合いになった選手は、このすり合わせ作業が必ず登場してきます。
2016年夏にウンティティを見出し獲得した、強化技術部長ロベルト・フェルナンデスの手腕にまずは期待しましょう。
ウンティティ側にこの件を急ぐ理由はなく、ムンディアル(W杯)前に片付く可能性も低い。
もしシーズン終了前に合意するとしてもまだ2-3ヶ月ありますから、しばらくはSPORTを中心にこの件がメディアを賑わせそうです。
このニュースのまとめ
- ・ウンティティの契約更新に関し、SPORTは不安を煽る
- ・MDは交渉における綱引きだとの考え
- ・先はまだ長い
コメント