2005/06 二冠バルサの英雄が、ドン・アンドレスを称賛
暗黒時代から脱出し、リーガとチャンピオンズの二冠を達成したライカールトのバルサにおいて、太陽王ロナウジーニョとともに中心として活躍したのが汗かきテクニシャンのデコでした。
卓越した技術と広い視野を持ち、泥臭い仕事もこなしたインテリオール。そのデコを見て成長したのがデビューしたばかりのアンドレス・イニエスタですが、デコ曰く、イニエスタはもう当時から「チームの基礎となる選手」だったそうです。
この10年で最高の中盤選手
デコ、ことアンデルソン・ルイス・デ・ソウザがバルサ選手となったのは2004年、ロナウジーニョの加入によってトンネルを抜け出したバルサが、大いなる飛翔をするシーズンでした。アンドレス・イニエスタはトップデビューから2年目。本格的に頭角を現す年です。デコは言います。
「彼の成長を目撃したよ。僕らがひとつめのリーガを手にしたシーズンで、イニエスタはもうすでにチームの基礎となっていた。先発出場しなくても、彼がピッチに入ることでチームのプレーが動いたんだ」
「僕にとってイニエスタはここ10年で最高のセントロカンピスタだった。チャビもまた天才だったけれど、イニエスタには忘れられない唯一の瞬間があったから」
バロンデオロにも相応しい
デコのイニエスタ評は非常に高く、時にはメッシをも凌ぐほどと考えています。
「決して引退をするべきではない選手たちというのがいてね、アンドレスはそのうちの一人だよ。彼は信じられない選手だし、彼のような選手を僕らが再び見ることになるとは思わないんだ。僕にとってのアンドレスは、いくつかの瞬間においては世界最高の選手だった。でもレオとクリスティアノがいるから、バロンデオロを受賞するのはとても難しいね」
「バロンデオロに相応しかったか?僕はそう思う。チームスポーツで個人賞を審査するのは難しいんだけれどね。僕にとって重要なのは、彼のような選手のプレーを楽しめたことだよ。バルサ時代もそうだけど、彼のキャリアはまだ終わったわけじゃない」
では、デコの目から見たレオ・メッシのすごさはどこにあるか。それは何年にもわたって超トップレベルを維持し続けている点だと元セントロカンピスタは言います。
「これだけ何年間もスペクタクルなことをする選手を、僕は一度も見たことがなかったと思う。僕らは彼がデビューした頃から見ているんだからね・・・ 僕がレオに感銘を受けるのはそこ。これだけ何年もスペクタクルだなんて、ほとんど不可能に近いことだよ」
これから先のバルサへの不安
チャンピオンズを連覇したレアル・マドリーの派手さによって、世間様の評価が少し落ちている様子もありますが、バルサの10年間で7度のリーガ優勝も恐るべき功績です。これについてデコはこう言います。
「グアルディオラがバルサを去った時、全てが終わるだろうと考えられたりもしたけど、そうはならなかった。理由はバルサがスペクタクルな選手たちを擁し続けたことと、明らかに監督たちの功績があったからだよ。リーガとチャンピオンズで差があるとは思わない。リーガを制するのはいつも最高のチームだし、優勝は安定性の証明だ。一方でチャンピオンズには少し運の要素もある。バルサはスペクタクルなんだけど、ちょっと繊細だと僕は思うよ・・・」
バルサのフットボールを実践し続けるのは本家バルサとて容易ではなく、カンテラーノの育っていない現状では数年後にどうなるのやら不安でなりません。
「そうあってほしいんだけど、これから10年先のバルサが、過去10年と同じことを出来るとは僕は思わないんだ。チャビが去り、イニエスタがいなくなる。彼らはこのジェネレーションの土台だし、レオやブスケツが去る時は・・・ 僕の思うバルサの挑戦は後釜を見つけることだし、それはほとんど不可能だ。でもそれが人生。僕らは大いに楽しんできたし、バルサが何年もそう続けられることを期待してるよ」
チャビやプジョルがデビューしてもうすぐ20年、つまり20年に1人クラスの選手はそろそろ出てきてもいい頃だという根拠の薄い期待をします。理事会は本気の本気で次のジェネレーションを育ててほしい。メガクラックの爆買いを繰り返してる場合じゃない。本当にもう時間がないですから。
デコ、ことアンデルソン・ルイス・デ・ソウザはFCバルセロナの公式パートナーである BETFAIR のアンバサダー(大使)を務めていて、同社のクラシコキャンペーン #Ultimate ElClásico なるイベントに参加、シウタット・エスポルティーバでこの取材を受けています。
このニュースのまとめ
- ・デコがイニエスタについて語った
- ・世界最高の中盤、時には世界最高の選手だとデコ
- ・メッシのすごさは何年もスペクタクルであり続ける点
- ・これから先のバルサが心配
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