バルサは今、非常に危険な財政状況にあると説明した会長
バルトメウの手紙は虚偽に満ちており、やけくその行為だと非難する
現在FCバルセロナが抱える負債総額は、13億5,000万ユーロに達している。ジョアン・ラポルタ会長が昨日会見を開き、バルサの置かれた危機的な財政状況について説明をしています。数日前に前会長バルトメウから投げつけられた公開書簡に対する返答ですが、現会長曰く、「バルトメウの手紙はウソだらけ」。2時間にわたった会見でバルトを粉砕したラポルタでありました。
負債総額は13億5,000万ユーロ・・・!
FCバルセロナ現会長と前会長の、財政状況を巡ってのバトル。まず最初に攻撃を仕掛けたのは、通信社に長い長い手紙を送り(先週金曜)、自己弁護&ラポルタ批判をしたジュゼップ・マリア・バルトメウでした。
そこで前会長は、もし自分たちが2020年10月末に退陣せずにクラブ運営を続けていたらきちんと必要な対処を行い、今よりもずっと良い財政状況にしていたと自分たちのクラブ運営を弁護。逆にラポルタ理事会は無為無策だったと批判し、自分たちならメッシを退団させずに済んだのだと力説したのですが・・・
そんなバルトの言い分も、ジョアン・ラポルタによる2時間の記者会見にて粉砕された模様です。
前会長の手紙を(メッシ退団の)「けいれんしている時期を狙って」「責任を逃れようとするやけくその行動」「ウソだらけ」とする現会長が会計監査の途中報告として明かすところでは、
●負債総額は13億5,000万ユーロ(128.65円換算で約1,737億円)
なかなかにパンチのある数字。「劇的」という会長の言葉も大げさではありません。
ラポルタは「バルトメウがバルサを荒廃させた」と断言しています。そして「監査によって不正が見つけ出されれば、誰も責任から逃れられないだろう」と。
その責任に関しては、きっちりくっきり問うてほしい。無理な補強と無理な支払い方法でクラブを焼け野原にした張本人たちには、相応の罰が下ってほしいじゃないですか。
そしてもうこれ以上、泥試合を続けないことを願う。
数字をあげて各個撃破
2時間にも及んだ会見において、ラポルタはバルトメウ理事会が行った各種支払いに関する怪しい詳細を明かしています。
その完全版は現在行っている“デュー・ディリジェンス”完了後(9月予定)に発表されるとのことで、その結果に基づきバルトメウ理事会の責任を問うていくことになりましょう。どのような形で責任を問うのかは、「時期尚早」として今は述べられていません。
ラポルタはまた、バルトメウ理事会は支払いを細かく分けることで内部チェックをすり抜ける小ずるい手法が採られていたと説明しています。バルサゲート事件でも明らかになりましたが、収入の10%以下であればソシオ総会を通さなくても良いことを利用し、エスパイバルサやマーケティングなどの複数部門において、200以上の小さな取引先が監査をすり抜けてきた。ザル過ぎる。
このあたりの抜け道を潰すことが今後求められていきそうですね。。
ラポルタからバルトメウへの反論は、以下のような感じになっています。所々数字でよく分からないところがありますが、そこはご容赦を。。クラブ公式、MD、SPORTを見てこれなので。
- ■2020/21シーズンは収入6億3,100万ユーロに対して支出11億3,600万ユーロで、損失は4億8,100万ユーロ
- ■COVID-19による損失は9,100万ユーロと算出
- ■銀行負債が著しく増加し、6億7,300万ユーロに上る
- ■給与支払いのために、まずゴールドマンサックス社に8,000万ユーロのブリッジローンを依頼せねばならなかった。テレビ放映権も前借りしている
- ■金融費用(利息など)6%は持続不能
- ■新たな貸し付けた5億9,500万ユーロは、利率1.9%
- ■収入(6億1,700万ユーロ)に対する選手給与は103%で、競合するクラブより25~30%多い
- ■クラブの資産はマイナス4億5,100万ユーロ
- ■代理人ではない仲介人に高額な支払い。コスト4,000万ユーロの選手に800万ユーロの仲介料が支払われていた
- ■南米での選手発掘代として、ある人物に800万ユーロが支払われた例もある
- ■バルサ会長が取引の内部秘密を明かし残念。2億2,000万ユーロの収入源があったのはウソ。ゴールドマンサックスと共に話し合いをしたが、どの提案も受け入れられる内容ではないとの結論に達した
- ■CVCとラ・リーガの提案が解決策になったのも事実ではない。CVCの評価額は低く、バルトメウ理事会が目先しか見ていないことを示している
- ■エスパイ・バルサ計画は虚偽と不透明さを土台としている。持続可能な方法でプロジェクトを作り直しているところだ。工期に変更はない予定
- ■ベテラン選手と長期契約を結んであり、交渉が非常に難しい
- ■バルトメウ理事会は2020/21シーズンに1億9,100万ユーロの選手給与を減らさねばならなかったが6,800万ユーロの支払いを遅らせただけで、契約満了ボーナスとして還元される
- ■ソシオの健康を優先して退陣したという言い分を誰が信じるか。不信任動議が成功するから辞めたのだと誰もが知っている
まあ暗たんたる内容が示されたのですが、ラポルタは「劇的な経済状況ではあるが、同時に良い知らせもある」と結論。「私たちには信頼を土台とした戦略プランがあり、私たちチームの経験によってこの状況は一時的なものとなるだろう。クラブは2年以内に健全な状況となっている」と自信を見せています。デカく出ましたね、2年!覚えておきましょう。
ラポルタがバルトメウを粉砕したからといって、クラブに明るい未来が待っているわけではないのです。厳しすぎる現実は分かった。ではそこからどんな行動が起こせるのか。
ラポルタの隣(背後)にいるCEOや、保証金を出して金庫番副会長となった人たちが前回理事会のフェラン・ソリアーノのように優秀かどうか。カピタンズのクラブ愛で急場をしのぐようなやり方では、再建は夢の話ですぞ・・・
コメント
会計のプロとして働いている身てとして、だいたい巨額の債務を作った張本人はアレコレ言い訳を並び立てる。それを承継して改善しなければならない側は事実を淡々と述べる。なぜなら最悪の状況を並び立てるほど、
現政権は融資に不利な状況に追い込まれますからね。
クソみたいな経営を引き継いだラポルタ政権は大変でしょうね。
まぁこうも額の大きい数字が並ぶと頭が痛くなってきます…
とにかく伝わったのが、バルサの台所事情は厳しいどころか、危機的であるということですかね。
Messiが退団したことによる経済損失は大きいとは思います。
しかし、数年の間で高給取りが出て行き、下部出身の選手達が戦力として定着してくれれば健全な給与総額に落ち着くとは思いますし、それに代理人を重視した交渉戦略も変わっていけば、余計な手数料も掛からなくなる。
汚れた海が元に戻るには時間がかかるように、少しずつ綺麗になっていって欲しいものです。
二年というのは、高額給料選手が去っていく時期ですかね。
膨れ上がった給料が最大の問題なのですから、それらの選手がいなくなれば大体解決と。
コロナによる収入減ももちろん問題ですが、それも解決に向かっています。
もともとバルサの経済状態は良い訳で、それにバルトメウが甘えてボロボロにしてしまっただけ。
適正な運営ができれば、自然と戻るでしょう。
後は、大きすぎる借入返済金が問題ですが、選手のやり繰りをキチンとして、カンテラを大事にするモデルがしっかりしていけば、利益は出る筈です。
どう考えても利益しか産まない久保を、あっさりマドリに引き渡し、日本のファンを奪われるような事をしなければ、です。
とにかく悪夢の男バルトメウは、きっちり断罪して罪を詳らかにしたいですね。
バルサが大変なんだからあんな男は放っとけなんて、とても言えないくらいの損害をバルサに残してくれました。
とにかく何があっても、例え船長が岩礁に突撃命令を出して船が半壊しても、適切に修理して船長を断罪し、正しい方向に向けて舵を切るのみです。
次のビルバオ戦も、ビルバオに昨季と違うやり方の引いて守ってカウンターとかされなければ、大体上手く行くと思います。
昇る朝日に向かって、着実に進みましょう。
なるほど、融資が受けにくくなる。ありがとうございます参考になります。