フォーラムにて親しみのわくキャラを見せた監督。
カンプノウの敷地内、かつてパラウブラウグラナ2という各スポーツセクションの下部チームが練習に使用していた体育館があった場所に、Auditorio 1899 という大講義室ができています。このモダンな多目的ルームで昨日、Forum Fundacionというイベントが開催され、FCバルセロナのヘラルド・マルティーノ監督が登場。クラブ史に名を刻む伝説の選手であり、迷監督でもあったカルラス・レシャックと討論会を行っているのですが、これがなかなかに面白い内容となっています。一番のポイントはエル・タタさんの人柄がよく出ているところであります。
バルサは外から見るよりもっと大きい
“El Banquillo del Barça”(バルサのベンチ)と題されたこの討論イベントは最初、真面目なムードにて始まったそうです。しかしチャーリーとエル・タタの会話ですから、最後までその調子でいくはずもなく。閉幕となるころにはすっかり2人は打ち解け、友達トークになっていました。もちろんマルティーノは、きちんとしたコメントもしています。例えば、バルサというクラブを内部から経験した感想についてはこんなふう。
「バルサは外部から想像する以上に大きく、そして難しいクラブだよ。勝ってその余韻を楽しむような時間はないし、すぐに次の試合のことを考え、常に勝利を狙っていかなければならない」
その難しさの1つであるマスコミのやかましさについては、「これほどにユニフォームと一体化したジャーナリズムは経験したことがない」と驚くミスター。彼はまた、「ここではいつもクライシスが求められているね。結果が良かろうとも議論はなくならず、ボールポゼッションやネイマールについて話される。私は次のクライシスに備えておくのが良いのだろう」とスペインのメディアを皮肉っています。
それでも反感を買わないのは、エル・タタさんの笑顔がとてもチャーミングで、ユーモアも忘れないからでしょう。彼は1年ちょっと前、まだニューウェルズの監督だった頃に観光客としてカンプノウを訪れ、ミュージアムを見学したんだとのエピソードを披露。そしてこんなふうに言っています。「その時の領収書は今も持ってるんだ。会長にはまだ支払いをしてもらってないけどね(笑)」。理事たちと一緒に最前列でイベントを見ていた会長も、にやにやだったみたいです。
奥様が買ってくれたグリーンのポロシャツ
その他、各テーマについてのマルティーノ監督の言葉はこんな感じです。
■リーガ戦線について
「誰も私に同意はしないけれど、アトレチコ・マドリーを加えた3チームによるリーガだと私は思っている」
■バルサの練習
「選手たちの練習風景を見ると、感銘を受けるよ。驚くのはロンドだ。ある日、たしかロウラだったと思うんだけれど、後ろを向いてボールの音だけを聞いてみろと言うんだ。音だけを聞いていると、tac tac tac とまるで音楽のようだよ」
■FIFAウィーク
「パラグアイの代表監督だった時は、選手たちが無事やって来てくれるように十字を切っていた。バルサ監督となった今は彼らが元気に返ってこれるように十字を切っている」
■プジョルの状態
「彼のヒザは良い反応を示している。とはいえ、復帰には十分に注意を払わなければならないんだ。今週が良い具合に終われば、来週には彼をチームの一員として考えることが出来るだろう」
■ピスタチオグリーンのポロシャツについて
「バルセロナに来た初日に、コルテ・イングレス(デパート)で妻が買ってきてくれたものだよ。今では街中でも見かけるようになったし、どうやら流行になってるみたいだね(笑)」
■カタルーニャ料理
「私は食べ物に関してなんら問題はないんだ。この件についてはシステムの変更よりもオープンだよ」
■娯楽
「警察ものやサスペンスものの映画が好きで、数日前にも“Asalto al poder”を観てきたよ。フードで頭を覆って、しっかり隠れていたんだ」
■ペップの髪量がバルサ監督時代に激減した件
「いいかい、その時のために私はちょっとしたトリックを持ってる。今のところは十分な量があるよ」(注:エル・タタさんはMEDICAL HAIRというところで植毛を受けていて、広告にも出演している)
おちゃめなマルティーノでありまする!
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