チェルシーに負けた試合が転機だったと前監督。
バイエルン・ミュンヘン監督ジョゼップ・グアルディオラと、バイエルンの大スポンサーであるアウディAGのルパート・スタッドラーCEOによるインタビュー記事がカタルーニャのスポーツ紙に大きく取り上げられています。アウディ社による雑誌AUDI ANNUAL REPORTに掲載されたTHINK FORWARDという対談記事がそれなのですが(こちら)、リーダーシップや成功への道筋などについて二人が語り合う中でバルサ時代についても話題が及び、ペップがカンプノウを去った理由を「選手のやる気を起こせなかったから」だと述べたのです。
もうチームを奮い立たせられないと知り、退団
インタビューの冒頭でまずグアルディオラはこう言います。「シーズンが始まった時、成功を約束できる監督も選手もいない。勝利を得るための魔法の方式はないんだ。もしそれがあったなら、フットボルは巨大なショッピングモールへと買い物に行くような単純なものとなっていただろう。ただそこへ行き、一番好きなアイテムを選べばいい。それのどこにチャレンジや興奮があるだろう?私はチャンピオンズをまっすぐに勝ち取ったわけじゃない。私のキャリアのスタートは、カタルーニャの地方クラブであるジムナスティックだったんだ」
そして進行役さんは訊ねます。人は成功よりも失敗から多くを学べるものですが、あなたはどのように挫折に対処しますか?ペップの答えはこうです。「大きな悲しみを感じたことは何度もあるよ。照明が突然消えたかのようなね。バルセロナ時代では、2012年のチェルシーとのチャンピオンズ準決勝がそうだった。私たちは相手をずいぶんと上回っていたのに、ブエルタ(第2戦)で不必要な失点を喫してしまった。この敗北は私にとって非常にきつかったんだ。自分の力がもうチームに及ばないんだと感じた」
それがバルセロナを去ることにした理由か、と問われたグアルディオラは、「そうだね。監督として自分の選手たちにやる気を起こさせられないのであれば、それは去る瞬間だ」と返答。「チームを率いるには巨大なエネルギーが必要だし、別の言葉では、バッテリーへの充電が必要な時がある。それで私はニューヨークで休みを取ったんだ。それは私や家族、それに以前のチームにとっても重要なことだった」と述べています。
バルサ退団発表会見でペップは、10月あたりにはすでに退団を考えていた、12月には会長にこれが最後の年になると伝えた、と語っていました。それを再確認したのがチェルシー戦ということでしょうか。
成功はまた重荷にもなる
バルセロナでの大きなことを成し遂げたことが、成功への渇望を阻害したのか?ペップは言います。「私たちは信じられないような成功を収めた。わずか4年間で14タイトル獲得は、それがクラブ史における最高の時代だったことを意味している。けれどもそれは、呪い(重し)にもなり得るんだ。私は自分自身やチームのモチベーションを上げることが、段々難しくなっていると感じていた。アウディのような企業の成功ともそれは変わらないと確信している」
バルサ絡みではまた、スターだらけのチームを管理する難しさについてこんなふうにも明かしたグアルディオラです。「現在のバイエルン・ミュンヘンや古巣のバルセロナのように、メンバーに多くのスター選手がいる場合、多様性が有害となる状況に遭遇することはある。選手は誰もがプレーを望むけれど、ピッチに同時に立てるのは11人。ベンチを温める選手はほぼ、私の決断を嬉しくは思わない。それに特定の選手を選ぶようにとのメディアやファンの圧力もある。たとえば私がリオネル・メッシをベンチに置いた時、バルセロナ全体が大騒ぎだったよ」
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