- ■ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンをカンプノウへと迎えてのチャンピオンズ準決勝イダ。無得点のまま進んでいたゲームは終盤にレオ・メッシが立て続けに2度ネットを揺らすと、最後はネイマールのゴールも決まってFCバルセロナが3-0で先勝となった。
- ■試合の主役はなんといってもレオ・メッシ。このままいけば0-0で終わるか…という76分、ダニ・アルベスのパスを受け渾身のシュートを右ポスト横へ叩き込むと、その5分後にはラキティッチの縦パスを受けてボアテングを料理、ノイアーを芸術的右足バセリーナで攻略した。ひとり異次元。
- ■レオ・メッシはこのバイエルン戦でUEFA主催のコンペティション100試合出場を達成。内訳はCLが97試合、ヨーロッパスーパーカップが3試合。この日の2得点によってCLでの通算ゴール数は77に。今季のCLでは10得点となり、得点王レースで単独トップへ浮上(CR7が9得点)。
- ■試合終了後、シャビ・アロンソに言葉をかけていたレオ・メッシはなんと言っていたのだろう?と話題に。モウリーニョ時代のメッシとアロンソはピッチでたびたび激突していた間柄。
- ■レオ・メッシはおしゃぶりパフォーマンスにより、先週公表した秋に生まれくる第二子へとゴールを捧げる。
- ■ゲーム前半にバルサの決定機を2度阻止したのはバイエルンの守護神マヌエル・ノイアー。まずは12分にルイス・スアレスとの1対1を冷静に右足でブロックし、38分にはダニ・アルベスの胸トラップからの右足弾を再び右足で阻止。ネイマールが1対1になるか、との場面でも鋭い飛び出しによってピンチを回避している。
- ■後半アディショナルタイムに非常に大きな3点目を決めたのはネイマール。ほぼ最後のプレーでバルサはカウンターを発動させ、メッシのパスを受けたネイが独走、ノイアーとの1対1も制した。チームをベルリン決勝へと近づける重要なゴールに、選手たちは歓喜。最後までネイマールを抱いて祝うメッシが印象的だった。ネイは試合を通し非常にアクティブ。最後に頑張りが報われた。
- ■ここ最近のダニ・アルベスの驚くほどの安定感。このバイエルン戦でも非常に活発にピッチを駆け、バイエルン攻撃陣の攻撃を何度も阻止。少し前は時々見られていた軽さは全くなかった。さらに後半にはアロンソからボールを奪取した後にメッシの先制弾をアシスト。攻守において大活躍だった。
- ■ゲーム序盤、ペップバイエルンは3バックを敢行。上手く機能しないと判ると15分頃に4バックへと修正した。序盤から30分頃までは激しいプレッシング合戦。ポゼッションは常に拮抗していた。ボール保持を好む両チームが対戦した結果、パス総数は448対556(UEFA調べ)で通常の約半分ほどとなった。最終的な支配率は47-53でバイエルンに軍配(バルサ公式では51-49)。
- ■歴史を作った古巣チームに3-0で敗れたペップ・グアルディオラを見るのは、やはり切ないものだが、、、勝負の世界ゆえに次のミュンヘン決戦も全力で完勝するルーチョバルサを希望。ルイス・エンリケとの抱擁は、この夜を代表する一場面。
- ■選手入場時、94,000人による巨大モザイクが観客席を彩る。描かれた文字は「WE ARE READY」と、チャンピオンズ優勝年を表す「1992、2006、2009、2011」。
- ■試合終了後、バルサ選手たちはロッカールームで全員揃って喜びの写真撮影。試合に出ていないモントーヤ、マシップ、ドグラス、セルジ・ロベルト、マテュー、さらにはムニールまで写っているが、チャビとラキティッチのみドーピング検査のために参加できず。良い写真なので、複数の選手がSNSに投稿(メッシはこちら)。
- ■チャンピオンズ史上、第一戦を3-0で勝ったチームが逆転を喫して敗れ去った前例はかつて一度もないらしい。
- 選手たちのコメント
- レオ・メッシ
- ■「僕らは良い結果を手にしたけど、まだ何も成し遂げてはいない。ミュンヘンでのとても難しい90分が残されているんだ。準備を整えておかないといけない」 [Facebook]
- ■「大きな点差となったし、とても好い結果だね。でもまだアウェーでの試合が残っていて、ドイツでの試合は簡単じゃないからね。僕らはすべきことをした。これからいつもと同じように準備をしていくよ」「よく似たスタイルのチームとの難しい試合だったよ。先制点を決めるためにはハードワークが必要だった」 [Canal+]
- ■(ボアテングを転ばせた2点目)「一瞬のプレーだった。僕の弱い方の足である右へ出ることで、逆を突けるだろうと思ったから右へ行ったよ。ラッキーなことに上手くいったね」
- ■「いつものように、妻や息子と家に帰るよ。息子はきっと寝てるんじゃないかな。そしていつものように家族との時を楽しみたい。褒め称えられ、自分のことをよく言われるのはステキだけれど、僕はさっき言ったように、試合後に毎回そうしているように家族との時間を楽しむために家に帰る」 [Canal+]
- ジェラール・ピケ
- ■「僕らはセンセーショナルな試合をした。守備面でとても良かったよ。バイエルンに枠内シュートを1つも許さなかったのは本当に並外れたことだ。前線では好機を作り出し、後半にそれを活かしたね。彼らの弱点であるカウンターから驚かせられた」「バイエルンにはノイアーがいて、スアレスのゴールを止めたけど、僕らもまた数多くの試合を無失点で凌いできてるんだ」
- ■「グアルディオラは正しかったよ。もしメッシがインスピレーションを手にしたら、彼を止められる選手は誰もいない。彼は今回ファンタスティックで信じられない2点を決めた。彼が僕らのチームにいて嬉しいよ」
- ■「フットボルでは先のことは決して分からない。バイエルンはすでにポルトで負けてから、それをひっくり返してるんだ。ドイツには点を獲り、勝ちに行かないといけない」
- ネイマール
- ■「2つのチームが(守るのではなく)プレーをした。だからスペクタクルな試合になったんだ」「3-0はとても好い結果だけど、あと1試合残ってる。僕らは全てに注意を払わないといけない。相手はすごくクオリティの高いチームだからね」
- ■「メッシはベスト。僕はメッシから学ぶためにここにいるんだ」「ノイアーは良いGKだけど、彼から得点できた。チームに貢献できてすごく幸せだよ」
- グアルディオラのコメント
- ■「試合に勝ったバルセロナを称えないといけない。選手たちは悲しんでいるけれど、すばらしい仕事をしたよ。彼らに不満をいうことはできない。前半はポゼッションをするために引き、それに成功した。後半はメッシに先制されるまでは私たちが上手くコントロールしていた。バルサ選手のタレントが違いを見せたね」
- ■「3-0はキツイ結果だ。グラウンドで起こったことが反映されているかどうかは分からない。私たちが試合をコントロールしていたように見えたけれど、最終的にはバルサ選手がすばらしく、欲しいスペースを見つけて私たちを驚かせた」
- ■「私は小さな頃から、ボールを保持することで守らねばならないと学んできたし、私たちは実際そうした。今回はキツイ結果を持ち帰ることになったけれど、ブエルタでどう解決していくか見てみよう。ヨーロッパのコンペティションで無得点で終わると、受ける罰は大きいんだ。それでも私たちは地元でのブエルタで逆転を目指していく」
- ■「私は落ち着いていたよ。自分の仕事に集中していた。先制点までは全てコントロールされていたが、その後は制御不能となり、彼らが上回った。3点目は避けられた」
- バイエルン戦の招集メンバー
- ■試合当日朝、ルイス・エンリケがバイエルン・ミュンヘン戦への招集メンバー18名を発表。ジェレミー・マテューが右アキレス腱の違和感で招集外となったほか、監督判断でマシップ、モントーヤ、ドグラス、セルジ・ロベルトがリストから外れた。
- ■トーマス・ベルマーレンが初めて公式戦の招集メンバーに名を連ねた。