ピケの”不適切発言”に対し、審判協会が提訴へ。
スペインでまたもスキャンダラスな出来事が勃発しています。その主人公となっているのは、最近はなにかとネガティブな件で目立ってしまうことが多いジェラール・ピケ。土曜日のスポルティング戦において厳しすぎる判定で一発ロハとなり、その後のミックスゾーンで軽率な発言をしたセントラルに対し、審判委員会が提訴を行なう方向だというのです。まさにもう、「なんでやねん!」の世界。白には優しく、その他には厳しい人々であります。
◇「退場は予め決められていた」
まず事の成り行きを順を追って復習しておきますと、騒動のそもそもの発端はバルサ対スポルティングの後半開始1分でのベラスコ・カルバーリョ主審の不当なジャッジでした。デ・ラス・クエバスに最終ラインを突破されかけたジェラール・ピケは、そうはさせじとボールをチェイス。結果、デ・ラス・クエバスは倒れ、主審はそれを”守備ラインの最終選手が相手選手をファールで止めた”と判断し、赤紙一発退場の刑に処した。しかしボールはどちらの選手のコントロール下にも置かれてはおらず、つまりは競り合いのなかでのよくある転倒なわけですから、ピケは当然ながら憤懣やるかたないという気持ちになります。
そして試合終了後のミックスゾーンに現れた彼は、報道陣のマイクに向かってこう語ったのです。「ハーフタイム中、僕は審判にケイタへのプレーはペナルティやったよと言ったんや。そして彼はそれを心に留めていた。僕は審判が予め僕を退場させるつもりやったという印象を受けてる」。まあたしかに、後々にメディアがこぞって取り上げ、週始めの議論のネタになりそうな軽はずみな発言だったといえます。
しかし、ここからの審判協会の動きは予想外でした。試合翌日の4日、審判技術委員会のボスであるサンチェス・アルミニオ氏が競技委員会に対し、ピケを提訴すると発言。スペイン国営ラジオの番組”El Tablero”のなかで、委員長はこんなふうに述べています。「ピケの発言は不適切で非常に重大だ。スポーツマンたるもの、他人への敬意を持たなければならない。私たちは彼の言葉を競技委員会内で分析するつもりだ。私たちにとってこれは重大な発言だ」。ちなみにアルミニオ氏によりますと、ペップの発言は「模範的だった」そうです。さすが。
◇ふたつの処分基準
仮にピケがお仕置きを受けても仕方のない発言をしていたとして、バルセロニスタとしてまったくもって納得できないのは、審判委員会の人々がマドリーの度重なる問題行動や発言をいくつもお咎めなしにしてきている点です。たとえば、コパ準々決勝ブエルタ終了後の、ジョゼ・モウリーニョによるカンプノウ地下駐車場でテイシェイラ・ビティエネス主審を待ち伏せての「大したアーティストだ。プロをどれだけ不愉快にさせる気だ!」発言。たとえば、同じくコパ準決勝敗退後のイケル・カシージャスによる審判への「彼ら(バルサ)とパーティーへ行け!」発言。メッシの手を踏んだペペもスルー。これらはどうなった?と小一時間問い詰めたくもなるってなもんです。
こういった審判に対するとっても直接的な侮辱なり重大ケースはすっきりさっぱり忘れ去り、いっさいの調査なり問題提議をしてこなかったお方たちが、ピケには迅速な行動。露骨すぎますわい。審判委員会がダブルレギュレーションを持っていると言われるのも当然でありましょう。あまりにも不甲斐なさすぎるペリコの件もあり(バルサ戦での闘志の欠片もなし)、非っ常~~~~~に不愉快な月曜の朝です。
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◇アレクシスの負傷はほぼ必然
不屈のスピリットによって、逆境を跳ね返して勝利したスポルティング戦。ピケの退場と並び、いやそれ以上に悪いニュースだったのがアレクシス・サンチェスの負傷でした。そもそもペップ・グアルディオラは、この試合は出来れば彼を温存するつもりでした。しかし頼れるアタッカー不在+引き分けというゲーム状況によりペップはアレクシスを投入し、きっちり彼はケイタの決勝点をアシストした。そして3-1となった後の単独スプリントで肉離れを発症したわけですが、これは単に不運だったと片付けられないケースといえます。
アレクシスは今週、チームで最もハードな遠征を行っています。チリ代表でプレーするために、サンちゃんはマドリー経由でニューヨークへと飛び、同じ経路でまたバルセロナへと戻ってきています。その往復での合計飛行時間は10時間だそうです。フィラデルフィアでは激しい雨降るなか、ガーナとの親善試合を95分間プレー。グラウンドは柔らかくなり、けっこうな疲労が彼の筋肉には蓄積されていたことでしょう。これがバルセロナ時間では木曜の早朝のことです。チーム練習に戻ったのは、前日金曜のことでした。
ではサンチェスが負傷したのは、無理を強いたグアルディオラの責任か?答えは「否」でしょう。そもそもの問題は、チリが何故この時期にアメリカで、しかも木曜に親善試合を行ったのか、です。ヨーロッパ組の少なさ(22人中6人)からアメリカでプレーするのは譲るとしても、せめて水曜にプレーできなかったか。コンディションが万全ではないアレクシスを、ボルギ監督はもうちょっと休ませてくれても良かったのではないか。前回アレクシスが筋肉を傷めて2ヶ月アウトになったのも、FIFAウィークの後でした。なんやらかんやらと、モヤモヤするわけであります。
◇メッシからエリック・ラメラへのプレゼント
かつて2004年、FCバルセロナがリーベルの12歳の少年を獲得しようとして、ちょっとした話題(騒ぎ)になったことがありました。それが先週の代表戦(対スイス)でアルゼンチン代表に初招集を受けたエリック・ラメラなのですが、彼についてこんなエピソードが届いています。
水曜日のスイス戦で、メッシはアルゼンチン代表で初となるハットトリックを決めています。レオ曰く、「僕にとってとても特別な一日」。しかしチームにはもうひとり、この試合が特別だった若者がいました。これがフル代表初招集となり、4日後(3月4日)にハタチの誕生日を迎えるエリック・ラメラです。そこでメッシは3得点を決めた記念のシューズを、エリックへとプレゼント。我らのギガクラックも粋な心配りをするようになったなぁ、というお話でした。
さて、そのメッシは木曜日のバルセロナ帰着後、ペップ・グアルディオラの許可を受けて4日間のミニバケーションを楽しんだわけですが、金曜日は妹のマリア・ソル(マリソル)さんと一緒に、自宅近所のレストランで食事をしたようです。ネタ元はマリソルさん自身によるツイッター報告。
◇アレクシス動画
では本日最後は、アレクシス・サンチェスファンには堪らないビデオです。これまでのサンちゃんのバルサでの名場面を、彼のコメントとともに振り返るという内容なのですが、どうやらチリの筋金入りのアレクシスマニアさん(HN:MAURIIHD)が独自に編集し、Youtube上にアップしたもののようです。サンチェスの言葉を幾つか雑に紹介すると、「家族はいつも僕がバルサでプレーすることを望んでた」、「歴史に残るのはおカネやなくタイトル。より大事なのはタイトルやと思う。子どもが出来たとき、自分が手にしたタイトルのことやらを彼らに教えるんや」、「試合が終わればいつも、自分はもっと出来たはずやと言ってる。僕がそれでよしと思うことは決してないんや」、などなどです。
はよ~~う戻ってこいアレクシス!
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