エスタディの芝が生まれ変わる。
FCバルセロナの本拠地カンプノウの芝生が来季より、天然芝に一部人工芝を混ぜたハイブリッド仕様になるそうです。欧州のビッグクラブではグラウンドのハイブリッド化が進んでいるらしく、プレミアリーグは大半がハイブリッド芝生を使用。スペインでもサンチャゴ・ベルナベウやエル・マドリガルでこの芝が用いられています。ハイブリッド芝生を使用する一番の理由は耐久性の向上。最新テクノロジーによって、天然芝のプレーコンディションはそのままに大幅に耐久性が増えるそうです。
天然芝と人工芝の機能を併せ持つ
人工芝というと思い浮かぶのは日本のプロ野球スタジアムで使われているような100%ポリエチレンですが、このカンプノウに採用されるものはハイブリッドということで、天然芝に人工繊維がミックスされたものになります。
ハイブリッド化の仕組みは、天然芝上に専用マシンを用いて2cm間隔で約2,000万本の人工繊維を挿入していく、というもの。人工繊維が約20cmの深さまで差し込まれることで、天然芝の根が絡み合ってより深く根付き、強化されます。構成比率は96%が天然、4%が人工素材。よって見た目は完全に天然芝で、プレーする感覚もほぼ天然ものと変わりないらしいです。FIFAはこのハイブリッド芝生を天然芝ピッチと認めています。
一方でメリットは多岐に渡ります。人工芝が守ることで根周りの痛みが少なくなって回復が早い、排水も早い、メンテナンスも楽になる、グラウンドの場所による状態の違いも最小限となると好いことずくめで、ラグビーやアメリカンフットボールの試合にもへこたれない耐久性も得られる。このハイブリッド芝生はムンディアル南アフリカ大会で初めてメジャーデビューし、以後急速に普及しているそうです。
工事は9月始め
バルセロナの広報官ジョゼップ・ビベスはハイブリッド芝生について、次のように説明しています(SPORT)。「この新システムはすでにシウター・エスポルティーバで試験運用され、選手たちはボールがどのように転がるのか、弾むのかを確認しています。結果は上々。現在よりも耐久性に優れ、大きなメンテナンスを必要としないピッチとなるでしょう」
クラブはカンプノウの芝生と、毎日トレーニングで利用するシウター・エスポルティーバの第1グランド(ティト・ビラノバ・グラウンド)をハイブリッド化する計画のようです。
カンプノウの芝生は夏の間に新たな天然物へと張り替えられ、それでひとまずリーガ開幕。そして9月のFIFAウイークによるパロン(中断)を利用してハイブリッド化工事が行われる模様です。
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