プレミアからの誘いに勝ち、期待の星たちの引き留めに成功。
FCバルセロナのインファンティルBチームが昨日、来日しました。8月25日(木)から28日(日)にかけて行われるU-12 ジュニアサッカー・ワールドチャレンジ2016へと参加するためです(大会公式ウェブ)。昨年は将来のバルサを担うと期待されるチャビ・シモンズくんがいたことが記憶に新しいですが、今季もなかなか良いチームだとのこと。大会の模様はスカパー!で無料放送されますので、未来のクラック候補たちのプレーをチェックし、気になる子の成長を数年かけて見ていくのも楽しいです。
カデッテからフベニールへ
バルサのフットボルバッセ(育成部門)からは、良い知らせが届いています。それは毎年海を越えてやってくるプレミアリーグからの甘い声を阻み、宝石と呼ばれる期待の少年たちの引き留めに全員成功したことです。制度の違い利用し、かつ高額なオファーを提示して次々にラ・マシアの宝石を引き抜くプレミアクラブにバルセロナは何度も悔しい思いをさせられてきましたが、今年はそういった“裏工作”に勝利。期待株たちは皆バルサ残留を選択しました。
プレミアの“魔の手”からキラキラ星を守る。フットボルバッセの責任者であるジョルディ・ロウラ、アウレリ・アルティミラ、ペップ・サグーラは毎年困難な任務に立ち向かっています。主に狙われるのは、大人に近付いているけれどもスペインではプロ契約を結べないフベニール昇格前あたりの若者たち。セスクやジョン・トラル、ベジェリンらはこの16-17歳でイングランドへと去っていっています。
しかし23日付のSPORT紙によりますと、今年はカデッテAのセルヒオ・ゴメス(攻撃的ポジションならどこでもいける期待の星。アイドルはイニエスタ)、ジャンドロ・オレジャナ(メディオセントロ。インテリオール可)、アベル・ルイス(未来の9番候補。ユース世代ではスペイン随一)、ミランダ、ロハスといった宝石たちが全員、プレミアからのオファーを断ってバルサに残留。サンペールの時もそうでしたが、こうしてカンプノウでの成功を目指すことを決意した選手には、応援にもいっそう力が入ります。是非バルサB、そしてトップチームへと這い上がってきてほしいです(華麗なるジャンプアップなら尚嬉し)。
英国のEU離脱の影響
7月上旬頃、世界に衝撃を与えた英国のEU離脱(Brexit)は、今回の宝石たちの引き留めに直接の影響はないようです。しかし英国がEUから出て行ってしまう場合、それは2018年頃といわれていますが、イングランドのクラブは17歳以下のEU圏選手を獲得できなくなるそうで。つまり12歳のチャビ・シモンズを筆頭とするインファンティル世代(13-14歳)以下の子供たちは、今までのように簡単に引き抜かれなくなります。
あとはバルセロナのトップチームが、カンテラーノたちにとっての夢であり目標であれるかどうかに、彼らの気持ちは懸かってくるでしょう。ここ数年はトップチームに定着できているカンテラーノはおらず、その現状が宝石たちの希望となっているかどうか。決して諦めず道を拓いたセルジ・ロベルトは希望を与えているかもしれませんね。最近は常勝が求められすぎ、若者たちが入り込む隙間は本当に少ないのですが、バルサの基幹はカンテラーノでなければならない。一人でも多くの資質ある若者が、運も備えて上がってきますように。
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