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タタの大失敗

B案でもアノエタで勝てると読み違い。

なにはともあれマンチェスター・シティに0-2で先勝し、さあ次はリーガでもしっかり勝とうと臨んだアノエタにて3-1で完敗したタタバルサ。プレーに集中し、それでも不運や体力消耗が影響しての敗北であったならまた事情は違ったのですが、イニエスタやバルデスも「ラ・レアルが上だった」とみとめる散々なパフォーマンスだっただけに、再びモヤが立ち込めるカンプノウ周辺となっています。目を覆いたくなるリズムや激しさの欠如の他、敗戦の要因の1つとしてタタも認めているのが、アレックス・ソングをピボーテにし、ブスケツをその前で起用したプランの拙さでした。

木曜から準備していたソング起用

試合終了後にアノエタの記者会見室へと現れたヘラルド・マルティーノ監督は、「私の行った試合の読みが、実際とは合っていなかった。私たちは勝つためにもう少し走らなければならなかった」、「ハーフタイム中に修正のための交代を行わなかったのも間違いだった」とコメント。シティ戦から先発メンバーを6人入れ替え、アレックス・ソングをピボーテに置き、かつセルヒオを併用したアイディアが最良ではなく、さらには交代を巡る決断にも問題があったと認めています。

ではこの数年間苦手としているアノエタで、コパでのリベンジに燃えているラ・レアルを相手に何故そんなプランを採用してしまったのか。24日のSPORT紙は、監督は3日前からその方向で準備をしていて、何人かの選手はそれに驚いていたと報じています。

同紙によると、選手たちはレアル・ソシエダ戦への準備を開始した木曜の時点で“おや?ミスターは何かを企んでいるようだぞ”と感じていたそうです。トレーニングでドブレピボーテを試し、特にソングと話をしていれば、それは何かをやりそうだと思います。その監督のアイディアは、トリデンテを起用することでエティハドでのクアトロフゴネスを“解体”し、さらにマッスルパワー風味を加えるというものでした。もし上手くいっていれば、鮮やかだったであろうB案です。

悪い“発作”

バルサがトレードマークであるティキタカだけでなく、ダイレクト色の強いフットボルでも試合に勝てるようになることに異論はありません。攻撃が発動されるまでバルサがどちらで来るか分からず、気づいた時はもう仕留められている、なんてのは爽快でしょう。しかしシティ戦の直後のアノエタで、というミスターの読みは結果として失敗でした。3月2日のカンプノウでのアルメリア戦はいつものポゼッションで勝利を目指す、ならフエラのラ・レアル戦はダイレクトなフットボルで行ってみようと考えたのだろう、とSPORT紙のハビエル・ミゲル記者は分析しています。鬼門を別のスタイルで攻略できれば、アピール度は高いですから。同記者曰く、これ監督の“発作”。策を練ってみたくなる指揮官の気持ちは分かります。

しかし残念ながら今回、この発作はアレックス・ソングにもチームにも有益なものとはなりませんでした。プランが上手くいっていないと分かった時点ですぐに処置を施せればマシだったかもしれませんが、タタさんは元々選手交代で状況を変化させるのが得意ではない。どこで修正するのか?入れるならチャビかセスクか?の判断も遅れ、ここ数シーズンでも有数のダメ試合となったようです。

記事によりますと、アノエタでソングにピボーテを任せようとの案には、選手たちの間でも不安視する声があったとのことです。実際のところは現場の選手でなければ分からないのですが、ただでさえエアポケットに落ちるチャンピオンズ直後に「ええぇ」というプランを示されたことが加わり、あの残念なパフォーマンスに至ったという推測は出来ますか。

重要なのはタタさんがこの失敗からどういう教訓を得て、どう修正していくかです。SPORT紙の別記事では、マルティーノはもう奇をてらったB案は用いず、フゴネスによるポゼッションに賭けるとあります。ペップやティトにはない要素を足すことでバルサ対策対策をしようとしたタタさんの狙いは悪くはないと思うのですが、このあたりはどうなっていくや。なんにせよ、これからは大幅なローテーションは行わず、基本メンバーを固定する方向には持っていくであろうというのが、現地メディアの予想です。

 

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