クラシコに勝利し、士気上がるタタチーム。
クラシコでの勝利はどんな時も格別ですが、首都方面が自分たちを本命視し、バルサを葬る予定だった試合で逆に泡を吹かせたのは、非常に心地いいものです。決戦から一夜明けた現地のメディアは、カタルーニャ系がメッシを称える記事で上昇ムードなのに対し、あちら方面は“審判委員会VS.マドリー”と場外戦に忙しそう。もっとも現場のチームはすぐ次に控えるリーガに集中しているでしょうが、あちらさんの周囲が騒がしいのは、どうぞもっと盛大にというところです。
フラストレーション発散
栄光のサイクルの入り口となった2007/08シーズンの場合がそうだったように、ベルナベウ攻略はバルサの士気を一気に高めます。下馬評が低かった時ほどその効果は上がりますし、今回のブースト効果はかなりのものが期待されます。タタチームが意気揚々と引き上げたベルナベウのビジター用ロッカールームでは、とある中心選手のこんな声が響いていたそうです。「オレたちがどんなチームにも勝てることを証明した!トリプレッテもいくよな!?」(SPORT紙)「リーガは俺たちのモノになる!」「今日のプレーを続けていけば、オレたちが勝つぞ!」(MUNDO DEPORTIVO紙)
それが事実かどうかは別としても、ここ数週間のバルサ選手たちが悶々とした日々を送っていたことは推察できます。サン・セバスチャンとバジャドリーでの敗北によって身内のメディアから厳しい批判を浴び、首都方面ではバルサのサイクルは終わった、バルサ終了と言われたこの日々。それに対してはナニクソ根性が煮えたぎっていたでしょうし、言いたい放題の人々に目にもの見せてくれようと怒りのマグマを内部で燃やしていたに違いありません。
同じくSPORT紙によると、ベルナベウへと乗り込む前、「マドリーを首位から降ろす!」がロッカールーム内のスローガンだったそうです。そのためにはなにがなんでも勝ってやるぞとチームは燃えていた。そしてアトレチコがベティスに勝利し、バルセロナもまたマドリーを破ったことで、その目標は達成されました。「選手たちは気合が入りまくっている。別のチームみたいに見える」。現在のチーム状況に、スタッフテクニコの1人はそう語っているそうです。
レースの行方を決める今後3節
テーブルをドンと叩き、これがオレたちだ!と高らかに声を上げたバルサではありますが、リーガタイトルに向けて前進したわけでも、優勝が自分たち次第になったわけでもないのもまた事実です。直接対決を残しているシメオネチームとの競争は自力でなんとかなるにせよ、アンチェロッティチームが残り全勝すれば、タタチームはリーガ制覇ならびにトリプレッテには手が届かない。リーガ最終節にバルサがアトレチコを倒すことで、マドリーが恩恵を被る状況になってるかもしれません。
リーガは残り9試合ですが、予想よりも早く、ここからの3節で大勢が決する可能性もあるようです。こちらはSPORT紙のハビエル・ミゲル記者の見解ですが、マドリーがもし第30節のセビージャ遠征、第32節のサン・セバスチャン遠征で取りこぼしをしなければ、第37節にバライードス遠征が控えているとはいえ、バルサの逆転は厳しくなる。一方でアトレチコは第31節にサン・マメス行きが待っており、メスタージャやカンプノウ決戦も残っていますから、白マドリーよりはタフな道のりとなっています。第31節の後に控えるチャンピオンズ1/4対決も、少なからず影響しそうです。
注目は水曜日に行われるセビージャ対レアル・マドリーです。SPORT紙曰く、セビージャの何人かの選手はバルサの友人に対し、“オレたちがサンチェス・ピスファンでマドリーを躓かせるから、首位は君らのモノになるぜ”、といった内容のメールを送っているのだとか。本当であればとても頼もしいことゆえ、是非とも白組さんたちの警告ランプを点灯させてほしいところです。
カギとなる難所コルネジャ・エルプラット訪問
今季のバルセロナはカンプノウでの試合には非常に安定感がありますので、水曜日のセルタ戦を始めに、ベティス、アスレチック、ヘタフェでは勝点3を確保し、最終節のアトレチコ戦もやってくれるでしょう。あとはフエラでの試合をどう乗り切っていけるかで、中でもこの土曜日のコルネジャでのダービーがカギとなります。もしバルサにとって最も都合の良いシナリオに沿って事が運べば(マドリーがセビージャで星を逃し、アトレチコがサンマメスで躓く)、バルサは今週末にも首位を奪還しているわけです。
そしてリーガで首位に立ったタタチームはその勢いでアトレチコとのチャンピオンズ1/4ファイナル第1戦にも先勝。最下位ベティスとの試合(カンプノウ)は戦力をやり繰りしつつ確実にモノにし、カルデロンも攻略。翌週のコパ決勝でトリプレッテの1つめを頂き、、、と妄想は膨らみます^^ ベルナベウでの勝利がなければ、この妄想もなかったのです。なにはともあれ、その夢見るクレの妄想が現実となるためには、まずは明日のセルタ戦と週末のペリコ戦が非常に重要。あとは他所から果報が舞い込んでくることを期待しましょう。
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