いつかバルセロナを去る日が来る、それが悲しいとヘフェシート。
この水曜日に世界各地で行われた、FIFAによる親善試合。アルゼンチン代表はストックホルムにてスウェーデンと一戦を交え、2-3で勝利を収めています。我らがハビエル・マスチェラーノはどうやらピボーテとして先発し、レオ・メッシとともに90分のフル稼動。まずは怪我なくお勤めを終えたことにひと安心ですし、日曜日のヘタフェ戦に向け体力の回復を願うところです。そんなマスチェラーノのインタビューが6日付のMUNDO DEPORTIVO紙に掲載されていましたので、ちょっと覗いてみましょう。
バルサを経験してしまうと
その記事の冒頭ではまず、マスチェラーノのバルサへの想いが語られています。インタビューが行われたのは、ストックホルムにあるシェラトンホテルの一室です。冬の北欧ということで空は厚い雲に覆われ、窓から見えるのはモノトーンの世界。それは彼が3年半過ごした、リバプールを思い起こさせるものでした。太陽と地中海守られたバルセロナとは全く異なる景色です。
「僕はアンフィールドやイングランドの幾つものスタジアムでプレーをし、ものすごくよく扱ってもらったよ。でもその後は、残る22時間を自宅で過ごさなければなければならなかった。僕はリバプールでプレーをして、それは申し分なかったんだけれど、僕がフットボルを楽しむ一方で、妻は僕に付き添ってながら幾つものことを諦めていたんだ。彼女は4年間、多くのことを我慢していた」
ヘフェシートは続けます。「バルサを経験した後は、全てが以前と違って見えることを僕は知ってる。最高の選手たちとキャリアの数年を共有することの幸運を僕は知ってるんだ・・・ ずっと長い間、ここに居れればと思うよ。僕はいろいろなことを経験して、大人になってからここへとやってきた。バルセロナの問題はね、いつかはここを去らねばならないことだよ。それは悲しいことさ。自分がこれまでに居た他の場所を低く言うつもりはないんだ。僕はリバプールで幸せだったし、ブラジルでもそうだった。アルゼンチンは僕の故郷だ。でも僕はここへ来て多くを勝ち取り、そしてなによりも、とんでもないフットボルをプレーしながらもごく普通の選手たちと一緒に過ごした。それがいつかは終わっていくと考えるとね」
「その想いが去る前から悲しくさせる。たしかに僕はかなりノスタルジックだね。全てがいつかは終わると僕は知っている。つまるところ、続いている間はそれを楽しまなければならないってことだよ」
自分の役割を知るヘフェシート
話はバルサでのアレコレへと移っていきます。質問者さんがまず訊ねたのは、メスタージャでの途中交代に彼が腹を立てたのかという点です。答えはまあ、聞くまでもないですよね。「監督の決定に僕が不愉快になった事はないよ。それに他のチームメイトが選ばれたときに腹を立てるのは敬意を欠くことさ。僕は自分が他人より上だとも下だとも思ってない。自分が誰で、なにを提供できるかを僕は知ってるんだ。アノエタで行ったこと(ピケがカード2枚で退場)からしても、納得のいく交代だったよ。実際ジョルディ(ロウラ)からはハーフタイム中に、交代させると言われていたんだ」
とことん謙虚であるヘフェシートは、今でもまだ、自分がセントラルのレギュラーだとは考えてはいません。「続けて試合に出たことによって、自分がセントラルの先発要員になるとは考えたことはないよ。このチームではセントラルのレギュラーはジェラールとプジョル。そう言うことに、僕はなんの苛立ちもないんだ。僕の役割はベストを尽くすことだけれど、彼らの不在時はどうしてもそれが感じられる。だって二人はおそらく、クラブ史でも最高のセントラルたちだからね。僕は僕だよ。彼らがプレーしない時は、その不在を出来るだけ感じさせなくするようにしてる。フットボルは人生と同じで、自分とは違う役割を演じたがると間違えるんだ」
あまりの人間の出来っぷりに、質問者さんはついにこう訊ねました。”それって偽りの謙遜ですか?”(爆)「いや、僕はそう教わってきたんだ。もし誰かが僕より上手くやるなら、どこに問題があるだろう?僕は全てにおいてベストでなければならない?僕よりも上手くやる人物がいるなら、僕はその人を称えるよ」
マスチェラーノは続けます。「僕はファンに、揉め事を起こさずにいつもプラスになってた人間だったと記憶されたいんだ。クラブは僕を助っ人として連れてきたわけで、最後の日まで僕はそうしていくよ。人は姿勢とともに言葉を貫かなければならない。クラブにとって自分が重荷となり、クラブからそう言われる日が訪れれば、僕は問題なく去っていくだろう」
マドリーについて
バルサはここ2試合、ベルナベウとメスタージャで引き分け、それが悪くない結果だと知りつつもファンは満足するには至っていません。つまりはこのチームならもっと出来る、との思いがあるからなのですが、それに関してはマスチェラーノは、コパ準決勝イダの結果は自分たちに有利なものなのに、喜んでいなかったのがこのチームのすごさだとコメント。リーガ戦線については「人々は9ポイント差のアトレチコを忘れてる。マドリーとの勝点差は大きいし、それをキープできるかどうかは自分たち次第さ。もうすぐチャンピオンズが再開するし、もし僕らが失速しなければ、マドリーだけでなくアトレチコにとっても痛手となるだろう」としています。
そしてマドリー方面によるメッシのイメージダウンキャンペーンについて問われると、ヘフェシートはこう意見を述べました。「フットボルファンとしては、フットボルについて話されないことが理解出来ない。なにより僕を悲しくさせるのは、例えば新聞からどんどんフットボルの話題が減ってることだよ。でもまあレオが頂点に立ってずいぶん経つし、彼らは別のイメージを欲しがってるんだね。ただ人はバカじゃないよ」
マドリーといえば、かつては好青年風だったのに、今ではすっかり悪役(クレにとって)となってしまったシャビ・アロンソがいます。マスチェラーノはリバプール時代、ヤツのチームメイトでした。「この前は新聞に、彼が僕になにか言ったと書いてあったね。僕はそれを聞いてないけれど、もし聞いていたとしても、それは決して説明しないよ。ピッチの中で起こったことを、僕は外へと持ち出さないんだ。僕はシャビと2年半プレーをしたし、彼はすばらしい選手で、彼とのプレーは楽しかったよ。でも離れた今は連絡は取ってない。それに僕にだって、自分の振る舞いを後悔したことは何度かある。ピッチの中では、模範となりうる選手はとても少ないんだ。ただバレロンは、すごく好い人物だったね」
ティトのために勝つ
話題は再びバルサへと戻ります。タフなシーズンを、正指揮官不在という状態で戦っているバルサ。ティト・ビラノバのためにも勝利を求めているチームですが、そのことはある種の刺激となっているのでしょうか。「そんな刺激が不要になってくれるのが良いよ。僕らはアビの件で2度苦しみ、今はティトでまた心を痛めてる。これらの災厄に打ち克つことを運命としても、彼らはものすごく強いよ。ティトが安心して治療を受けられるようにすることが僕らの義務だ」
そして。「このチームは彼のためにプレーし、練習し、そして生きている。それは彼に、”どうぞ安心してそこにいて、彼がごく自然にいれるよう、僕らはここで全力を尽くします”と言うことなんだ」
インタビューはアルゼンチン代表での云々を経由して、メッシへと移っていきます。「母国の人たちだけがレオを批判していることが信じられなかった」というマスチェラーノは、”誰かにメッシがどういう選手であるかをあなたならどう説明するか?”と訊ねられると、「DVDを渡す」と回答。「もし5分から10分間プレーから外れる必要があるのなら、彼はそうする。だから1年で70試合にプレーできるんだ」と語っています。
最後の質問は、セルヒオ・ブスケツについてでした。「ボールは最終的に、チャビの望むところへと進んで行く。アンドレスはレオとチャビのミックスだね。そして中盤で全てを要約しているのがブシだよ。ブシは信じられない選手さ。ボールを奪うのにスプリントは必要ないんだと僕に解らせたメディオセントロは、彼が初めてなんだ。彼に惚れないなんて不可能だよ」
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