現状が続けば、夏に退団するだろうとラテラル。
復活するとは正直期待していなかったリーガ自力優勝の可能性が、本当に復活してしまった5月上旬。フットボルの神様が「どう?ビックリした?」とニ ヤニヤしている様子が目に浮かぶようですが、当事者であるバルサ選手たちも大そう驚き、そして来ないと思っていた二度目のチャンス到来に意気揚がっている ようです。木曜日には複数の選手たち(ペドロ、メッシ、アルベス)がメディア対応しているのですが、全員が口を揃えて「僕らはこのチャンスを逃すわけにい かない」と戦う宣言。そのためにはまず日曜日にエルチェに絶対に勝つと燃えている点でも、選手たちの気持ちは揃っています。
自分たちは多くのチャンスを与えられてきた
木曜日にコメントを出した選手たちの中で、最もスパイスが効いていたのはダニ・アルベスでした。ラジオ局RAC1の番組Primer Tocに出演し、リーガ戦線について訊ねられたラテラルはこう言います。「疑問の余地なく、エルチェに勝たないのは許されないだろうね」「無くなったかに思えたチャンスが、もう一度僕らに与えられた。勝って目標を達成するのは難しい、それがフットボルが僕らに与えるレクチャーさ」
勝点を取りこぼしたチームからレースを脱落する、という状況だったリーガ優勝争いは、3強全てが転ぶという予想外の展開で最終盤を迎えました。これ について、ダニは語ります。「1つの試合に負けるか引き分けるかした時、外からはそれが散々な結果に思える。でもそうじゃないんだ。試合はどれも勝つのが難しく、苦労してるのは僕らだけじゃない。昨日のバジャドリーでそれは見られたよね。フットボルは人生みたいなもので、不幸なことに、外からは全てが簡単に見えるんだ。僕らが決して失っちゃいけないものは自信と希望だ。それがあることで励まされ、落ち着いて眠ることができるからね」
先週ヘタフェと引き分けた際、チームは「負けを認めた」と明かすアルベス。彼は言い訳というわけでもなく、今年は色んなことがあったと説明しました。「ある地点まで、僕らはとても安定していたよね。でもその後に奇妙な試合やら、僕らを苦しめる出来事がやってきたんだ。人は僕らが機械だと思っているけど、僕らは人間であって、物事から影響を受けることだってあるよ」「20回チャンスを作りながらも、1点も入らない試合もあった。そういう事が起こって、相手が得点するところを目撃すれば、自分たちに何が起こってるのかと考え始めるんだ。何をしようとも、僕らにツキがないと思えることが時々ある」
そして。「僕らは多くのチャンスを与えられてきたわけで、それを逃してはいけない。人は好きなように言うけど、僕はこのチームを100%信じているんだ。僕らが期待を裏切らないと約束するよ」「ご都合主義に見えるけど、僕は半年前から、アトレチコとの最終節で優勝を決められれば嬉しいと言っていた。で、今僕らにはそのチャンスがある。もし僕らにエルチェに勝つ能力がなく、カンプノウ決戦に持ち込めないなら、僕らは優勝に値しないよ」
“エネルギー”が変わらなければ環境を変える
このRAC1でダニの発したコメントの中で、もう一つ大きく取り上げられているのが自身の去就に関するものです。自分が言おうと思うことがあるな ら、ズバッと言ってしまうのがアルベスという人物。時にはそれが物議を醸すわけですが、今回は理事会への不満を交えつつ、こんなふうに述べたラテラルで す。「僕は開けっ広げな人間だ。もしここを去りたいと思うのならクラブに伝えるといつも言ってきたし、だからもし彼らが僕に満足しないのなら、それを言ってほしいとお願いするよ」
ダニはそして、現在の自分を取り巻く状況を“エネルギー”という単語を使って説明しています。「僕はエネルギーというものをかなり信じてるんだ。もし悪いエネルギーが発生し始めたら、物事は上手く運ばない」
「僕の去就に関しては、あれこれ疑問を持たれてるよね。もし人々が僕に我慢ならなくなるなら、僕は別の場所を探すだろう。このエネルギーに変化がないのなら、僕は環境を変えることを考えるよ。そうでなければ擦り切れるからね。バルサに入団することが難しいのは分かっているし、人が好むかどうかに関わらず、自分はこのクラブの最も美しい歴史の一部だ。僕にはエネルギーが必要で、エネルギーが僕をやる気にする。僕は陽気で、ハッピーな人間。それに変わりはないよ。でも結果が期待していたようなものじゃない場合、人は誰かを撃たなければならず、そして僕が撃たれたと感じているんだ。この夏僕が残るためには、エネルギーが変わらなければならない」
ダニはこうも言います。「バルサは2年間なんのタイトルも獲れず、チャンピオンズ圏内を争っていた。そしてその後ここへ来た選手たちが歴史を作ったんだけれど、それは正しく評価されていないように思えるよ。僕らはこのクラブで成し遂げてきた事によって、もっと評価されてしかるべきだと思う。自分のことだけを言ってるんじゃない。このチームは誰も手にしたことがない領域へとバルサを持っていったんだ」「フットボルでは継続して結果を出す必要があるのは理解しているけれど、背後にあるものを忘れるべきじゃない」
急ぎすぎるクラブ
チームの今後に関するアルベスの見解はこうです。「このチームは新たなパワーをもたらしてくれる選手を必要としてるよ。僕らは何人かの選手を失いながらも、新たな選手の加入はなかった。今のチームには、若い衆たちがたくさんいる。ただチャビやイニエスタのような選手が、いつも現れるとは考えるべきじゃないんだ。彼らは唯一であり、宝石だ。そして宝石が輝くためには、磨かなければいけない。資質が良くっても、チャビやイニエスタがそうだったように、偉大な存在となり始めるのは25-26歳になってからだよ」
メディアはルイス・エンリケ“次期監督”で盛り上がっています。「ルイス・エンリケは選手としてフェノメノだったし、監督としてもセルタでとても良い仕事をしてるね。でも僕は、このクラブは多くのことを急ぎすぎると思うんだ。そんなに慌てることなく、もう少し落ち着いていくべきだよ。リーガはまだ終わっていないんだからね」
ネイマール、アビダル、バナナ
その他の各テーマについても、ダニはまっすぐに語っています。クラブを揺るがしたネイマール問題については、「このクラブでは奇妙なことが起こるよね。 ネイマールがレアル・マドリーに行こうかとした時、みんなは腹を立てて悲しんでいた。マドリーは1億ユーロを用意して彼を連れて行こうとしていた。でもそ の後バルサが状況をひっくり返し、5,700万ユーロで彼を獲得した。すると今度はその額が馬鹿げていると言われるんだ。馬鹿げているのは1億ユーロを蹴ってここへ来ることだよ」との考えを示すラテラル。
親友のエリック・アビダルに関しても、クラブの対応には不満だと彼は言います。「クラブは彼を大事にすべきだったよ。このクラブよりもグレートな心を持っている彼は、ここに居るべきだったんだ。彼はもう少し気をつけて扱われるべきだった」
そして最後、世界中の話題となったバナナの件については。「僕が唯一心配しているのは、仕事を失った少年のことだよ。 僕がしたかったのはそういうことじゃないんだ。彼はふざけ、世間はそれで大騒ぎになった。きっと彼は自分が何をしているのか分からなかったんだ。もう十分だから、もし可能であるなら、僕から彼に仕事を返してほしいとお願いしたい。親にはもう同じ事をするなと言われたよ。そのバナナに何が入っていたかもしれないからね。キャンペーンをしようと オファーも幾つか届いたけど、人種差別と戦っているのはおカネを得るためじゃない。バナナの件は冗談になり得るけど、文脈は重大なんだ」
コメント
バルサは失ってはいけない人を失わないようにしないとですね。感服しました。