待望のキラキラ星のデビューに沸くメディア。
首都方面のメディアがうな垂れる白選手たちの写真で溢れる一方(今日もメシが美味い♪)、カタルーニャ方面での主役となっているのがマルク・バルトラです。
ついに、といったかたちでセルティック戦に先発起用され、バルサ公式のデータによれば、チームで最高となる18回のボール奪取に成功。ヘディングによるゴールチャンスも2度演出し、クレのハートキャッチに成功した若きセントラルであります。
これまでずいぶんと待たされただけに、喜びもひとしおですなぁ。
監督の大きな信頼
マルク・バルトラに関しては、SPORT紙が大きく特集を組んでいます。
プジョルとピケが相次いで負傷し、本職のセントラルが不在となる状況でも、バルトラをなかなか使ってこなかったティト・ビラノバ。
ミスターの過去のコメントからするに、過度の重圧がかからない場面での起用を考えていたようなのですが、セルティック戦後の会見で彼は、「ピケが間に合わないと分かった時点で、この試合はバルトラがプレーすると決めていた」と説明。
スコットランドの大男たちとの対決では、さすがにバルトラが必要だったわけです。
最近の会見でティトは毎回バルトラ起用についての質問を受け、「他の選手たちと同じように、出番は必ず訪れる」と繰り返していました。
けっこう焦らされただけにヤキモキしたクレなのですが、彼がバルトラを評価していなかったのかというそうではなく、むしろ大いに期待していたことがSPORT紙の記事からは分かります。
それによると、ペップからチームを引き継いだティト・ビラノバはセクレタリオ・テクニコに対し、バルトラをトップチームに残すことに関する報告書を手配したそうです。
そしてその報告書の内容は若きセントラルを称える言葉で溢れていました。
それも当然、セクレタリオ・テクニコは数年前よりバルトラこそがバルサのセントラルを継承すべき選手だと目をかけ、じっくりと育ててきたのです。
そしてティト・ビラノバはクラブに対して、バルトラを移籍させることもレンタルすることもせず、自分のチームに残すようにリクエストします。
同時に彼は、マーケットから無理をしてセントラルを補強する必要はないとした。チアゴ・シウバやハビ・マルチネスといったビッグネームに資金を突っ込まなかったのもバルトラの存在があったからで、マルクがいたことでクラブは数千万ユーロを”節約”できたのです。
元気の源はおふくろの味
さてここからはマルク・バルトラの裏話となります。
バルトラがトップ契約選手として公式戦に初出場したセルティック戦では、とっても大切な人たちがカンプノウのスタンドから彼の晴れ姿を見守っていました。それはマルクの母モンシェ・アレガイさんと、双子の兄(弟?)であるエリックです。
エリックもまたカデッテ時代までは、バルサのフットボルバッセでプレーをしていました。
SPORT紙の記事によれば、マルクは今でも毎日のように実家(Sant Jaume dels Domenys)に電話をかけ、母とは日常の話題を、父ジョゼップ・バルトラさんとはフットボルの話題を話しているそうです。
マルクは2年前からバルセロナ市内のマンションで一人暮らしをしているのですが(18歳まではオリオル・ロメウ、カルラス・プラナスとルームシェア)、およそ週に1度はモンシェさんがやってきて、タッパーにたっぷり詰まった手作り料理を持ってきてくれるのだとか。
ちなみにマルク、21歳の若者らしくカノジョさんはいます。
またバルトラは3年ほど前、前述のロメウやプラナス、ビクトル・ルイス、アドリア・カルモナといったBチーム仲間たちと、個人的なメンタルトレーニングを受けていたそうです。
そういった経験も、周囲の注目が集まっていたこのところの状況で平常心を保ち、英国方面からの甘い誘いを断りバルサで成功を掴むんだという決意を固めるのに役立っている。カンプノウの明日のスターとなるべく、マルクは今フットボルに没頭する生活を送っているところです。
双子のエリック語る
一方、双子のエリック・バルトラは24日、マルクのセルティック戦出場に関し、ラジオ局カデナ・セールの取材に答えてこう語っています。
「試合前、マルクがナーバスになってる様子はなかったよ。カンプノウでプレーするプレッシャーの中で、彼はかなり落ち着いていた。僕ら家族の方が、彼よりもナーバスになってたくらいだったんだ。彼にとってはそれは仕事だから、バルサでプレーするプレッシャーに慣れてるんだね。試合後はデビューできてとても嬉しそうだったけど、普通の1試合という感じだった。次にチャンスが来たときも、今回以上に良いプレーをするんじゃないかな」
そしてエリックは続けます。
「世界最高のクラブで、最高の選手たちと同じチームにいるのは簡単じゃないよ。僕らは彼にガッカリするな、チャンスは必ず来るってアドバイスしてたよ… 監督からの信頼には疑問は持ってなかった。ティトはいつもマルクを信頼してたよ」
バルサの期待株となれば、ヨコシマなクラブからの誘いは数え切れないほどでしょう。
これまでにバルサを出ようかとマルクが考えたことはあるんでしょうか?と問われ、エリックはずばりこう言いました。「他のチームからのオファーはいつもあるけど、マルクの第一希望はずっとバルサ残留だったよ。5歳の頃から、彼はバルサで成功することを夢見てきたんだ。まだチームでの居場所は確立してないけど、それに向かって行ってるところさ」
メッシとのいざこざ
マルク・バルトラに関しては一方、こんなエピソードもあります。
それはプレシーズンでのトレーニングでのこと。なんと彼、こともあろうにレオ・メッシと”衝突事件”を起こしていたというのです。
プレシーズンといえば、練習にはバルサBからも若者たちが呼ばれ、トップチームへの昇格するために全力でアピールを行っていく時期です。
バルトラもまたそんなギラギラした選手の一人だったわけで、いつものロンドの最中、ボールを争ったメッシと衝突。蹴られたメッシは地面に倒れ、痛さに顔をしかめました。
怪我の具合をチェックするためにドクターたちがピッチに入ってくるほどの状態だったようで、医療部はその数時間後、プレシーズン最初の親善試合(対ハンブルグ)にメッシは欠場すると発表しています。
メッシはこの一件について根に持つことはなく、二人が不和だというのは趣味の悪いメディアの勝手な推測でしょう。
マルク・バルトラの代理人マヒコ(マジック)・ディアスは24日、カデナ・コペの取材に応じ、なんら問題はないと語っています。「メッシのような世界的な人物が、バルトラとのとある練習での出来事を気にしているとは思わない」
ちなみにこの代理人氏、きっと他意はないのでしょうが、ちょっぴり”言ってしまう”タイプの人のようで、バルトラのデビューについて問われて「セントラルとしてはソングよりも遥かに上。私がそう言うのは、バルトラがセントラルとしてはソングよりも何倍も多く試合をこなし、このポジションの経験を持っているからだ」とコメント。
「私ならもっと早くにバルトラを起用していただろう。ただ監督はティト・ビラノバで、彼を尊重しなければならない」とも言ってます。
その後、「ティトはカンテラを熟知していて、バルトラのポテンシャルも知っている。忍耐は人を成長させるだろう。バルサはいわゆる耐久レース。シーズン全体を通して評価する必要があるんだ」とも語っているんですけど。
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