ムンディアルでの2ゴールを忘れられないのだろうとデランテロ。
先日のマンチェスター・シティ戦にて2ゴールをあげ、ゴレアドールとして期待される結果を残し始めているルイス・スアレス。トリデンテの一角ネイマールがここ数試合は少々運気を落としているようなので、大事な春を前にしての9番の進化はクレとして非常に心強いところです。メッシが例のペナルティ失敗でしょんぼりし、ネイもまたシティファンとの悶着が報じられているこの2月末、バルサ系メディアのポジティブな主役はこのルイス・スアレス。こうして順番に紙面のトップを回していけるっていうのは、なかなか良いもんです。
野次には燃える
そのルイス・スアレスは26日、母国ウルグアイのラジオ局Sport890のインタビューに応じ、マンチェスター・シティ戦やトリデンテ、英国のメディアなどについて見解を語っています。冒頭でまず、「とても満足してるよ。なによりもゴールでチームを助けられたことが嬉しいんだ。すごく強力なチームを相手に良い結果を得ることが重要だった。ノックアウト対決がまだ決着していないことを僕らは自覚してるよ」と言うデランテロは、エティハド・スタジアムでのブーイングについて問われるとこう言いました。
「野次られたり指笛を鳴らされたりするとやる気が増すし、彼らを少し黙らせるために力を示そうと燃える。ブーイングされるだろうなとは思ってたよ」
つまりシティのファンは、スアレスの集中を乱そうとして失敗したわけです。一方、バルサスタイルへの適応については、9番は次のように話しています。「自分の周りにいる選手たちのクオリティを僕は解っている。僕はある役割を果たしているし、それがチームの役に立っていることを知っているんだ。僕はデフェンサたちを引き付けて、レオやネイにスペースを空ける。1対1で彼らは止めようのない選手たちだ」
「ゴールの無さには最初は気にしていなかったけど、1ヶ月ほど前は心配した時期もあったよ。チームを助けられず、普通は外せないようなゴールを失敗した時は、僕は自分にかなり批判的なんだ」
南米トリデンテを構成するレオ・メッシやネイマールについては、「二人とはすごく上手くいってるよ。ネイマールはすごく愉快だし、冗談が好き。彼とは本当にとても良い関係なんだ。レオやマスチェラーノとはいつも一緒にマテ茶を飲んでるね。仲も好いよ」「このチームの中に、他の誰かより上に立とうとする人間はいない。その点で僕はこのチームの人間性に驚かされたよ」とのことです。
スアレス絡みだと話を大きくされる
ルイス・スアレスといえば、まだ噛み付き事件が連想されますが、あの行為については「barra brava(南米のウルトラス)よりひどい扱いを受けたよ。スタジアムに入れないのはある種不可解なことで、僕は決して理解できないだろう。自分の過ちとチームメイトたちを置き去りにしたことに、僕は心を痛めた」、と改めて非を認めた彼。英国方面でまた“デミチェリスを噛んだ?”と報じられた件については、ウンザリといった様子でコメントしています。
「彼らはいつも同じで、今朝もばかげた話が出てきたね。あれはデミチェリスが僕の喉元に手を置いてきたんだ。彼らが何をしたいのか、僕には理解できない。イングランドのメディアはルイス・スアレスに関することであれば、ごく小さなことを大きく膨らまし、僕を傷つけようとする。きっとムンディアルでのことがまだ彼らを傷つけているんだ。彼らは僕がイングランドで何年も暮らしていたことや、一人のプロとして相応しい敬意のことを忘れてるよ。リバポーの人たちに対しては、僕はいつまでも感謝し続けるだろう。彼らはイングランドの新聞とは関係ない」
イングランドで言われたデミチェリスとのプレーに対しては、バルセロナ(と首都系)のメディアが別角度の映像を検証し、噛み付きは存在していないと断言しています。
バルビ弁護士「スアレスはゴールのアサシン」
他方、ルイス・スアレスの活躍に大いに盛り上がっているらしいのが母国ウルグアイの人々です。デランテロの弁護士であるアレハンドロ・バルビさんは言います。「彼はウルグアイ人をとても幸せにしている。昨日はリバポーや代表チームのようにプレーをしていたね。今日はウルグアイの全ての新聞が彼を表紙にしていた。早く代表チームに戻ってくることを期待してるよ。コパ・アメリカに彼が出場できないのは悲しいことだ」
ラジオ・バルセロナのインタビューの中でバルビ弁護士は、スアレスの自信についてこう語っています。「ルイスは小さな頃から、いつも自信を持っていたよ。それは彼に生まれもって備わっている才能だね。彼はどの試合でも、1分から90分まで同じようにプレーをする。(自信の面で)ルイス・スアレスには昨日(火曜)のような試合は必要なかったんだ。彼はいつだって自分の可能性を信じている」
とはいえ、9番にとってはゴールの味は格別ということで、「幾つものアシストを決めてきたのは事実だけれど、スアレスはゴレアドールであり、ゴールに生きている。だから彼は昨日の試合にとても喜んでいるよ」と話すバルビさん。バルセロナへの適応について訊ねられた弁護士さんの説明はこうでした。
「幸せにしてる。ずっとプレーしたいと夢見てきたチームに彼はいるし、あちらには家族もいるしね。それはあなたたちがすでに知っていることであり、彼の適応を助けている」「人生で人はなにかを手にし、また失っていく。彼はムンディアルを失ったけれど、夢見ていたチームへ移籍する可能性を与えられたんだ。その意味では甘酸っぱいね。ロシアでのムンディアルでは、私たちの知っているルイスが見られるだろう」
そしてレオ・メッシとの関係について訊ねられたバルビさんは、「彼はいつだって良きチームメイトだった。時々は怒りっぽいと見られるけれど、それはチームメイトに怒ってるんじゃないんだ。彼が怒るのは、ゴールを決められなかった自分に対して。スアレスはゴールのアサシン(暗殺者)であり、1分から90分まで非常に集中してプレーをしている。グラウンドを出ればとても穏やかな人間だし、メッシやチームのみんなと良い関係にあるよ」
帰り便で読んでいたのは
ルイス・スアレスに関してのニュースの中では、もう一つ面白いものがありました。英国のタブロイド紙Mirrorが伝えているのですが、マンチェスターからバルセロナへの帰り便の中でスアレスが読んでいたであろう本が、なかなかにステキ。それは何かと言いますと、タイトルは“LUIS SUAREZ – The Strength Of A Dream”。そう少年時代からバルサ入団までが綴られた、スアレス自身の伝記本であります^^ プラット空港に到着した際の写真で、自伝を持っているデランテロの姿が映っているのですが、いいじゃないですか遠征に自伝を持参するアサシン。そういうスアレスも結構好きですヨ。
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