完璧なエンディングとなりました。
美しきもの。スタジアムに光り舞う青と赤の紙吹雪。選手たちの笑顔と重なり、いと美し。やりました!ルーチョバルサがクラブ史上2度目となるトリプレーテを達成!冬から春の快進撃によって、その偉業達成が現実味を帯びてきた時から、この勢いがあれば本当にやってしまうんじゃないかと期待していましたが、それがこうして現実になろうとは!なにかとやかましいクラブでチーム再建を託され、案の定、その個性の強さから一時は危うい雰囲気となりながらも、信念を曲げることなく自己流を貫き、成功へと導いたルイス・エンリケは見事でした。彼を支えたスタッフたちや、プロフェッショナルに任務を遂行し、一丸となってタイトルへと突き進んだ選手たちもすばらしかった。チャビを三冠の花道で送り出すなんてウソのような物語が、ホンマにあるんですなぁ。
イニエスタ 「僕らは偉業にまだ気付いてない」
鳴り物入りでバルサの新監督となったルイス・エンリケのシーズン前半は試行錯誤の日々でした。彼が就任会見で語っていたのは確か、ポゼッションを基本とするバルサ主流に新しい味を加え、幾つもの引き出しを持ったチームにすること。1月にアノエタで敗れ、その後のアトレティコ戦に勝って連勝のきっかけとするまではパズルの答えが見つからず、メディアやファンから疑問を持たれていましたが、“解”を見つけてからの快進撃は見事の一言でした。終わってみればポゼッションにカウンターなる必殺技を身に付け、史上最強のバルサと言われるチームに仕上がっていました。引き出しを増やすというルーチョの約束は果たされたわけです。
1月のぷちクライシスから、復活の快進撃、ペップバイエルンへの勝利、チャビ・エルナンデスの退団発表、そのチャビをトリプレーテで送り出すぞ!のムードから夢の実現へと至る流れも、まさに“オーダーメイドのシナリオ”(チャビ談)でした。そんなに都合よく話が進んで好いんですか?好いんですよの怒涛の展開は、今となってもよくやったなと感心するばかり。英国、仏国、独国、伊国のリーグ王者を撃破しての優勝もステキで、前回トリプレーテ時のイニエスタッソのような劇的勝利がなかったことも、このチームの成熟した強さを物語っていましょう。1年遅れとはなりましたが、ティトも喜んでくれてるんじゃないでしょうか。
ユベントス戦の終了後、アンドレス・イニエスタは言いました。「自分たちが成し遂げていることに、僕らはまだ気付いていない。時間が経つにつれ、より評価されていくだろうね。今重要なのは、僕らみんなが楽しんでいることだよ。達成するのが難しいことだから」、「このチーム、このクラブの一員であることを誇りに思う。誇りと幸せを感じてる。僕らが成し遂げたものを書き表す言葉はないよ。困難だと思われていたトリプレーテを、僕らは6年で再びやってのけたんだ」
2009年にペップバルサがクラブ初の三冠を達成した6年前、まさかこんなにも早くその栄冠が再現されるなんて想像もしていませんでした。来季のカピタンとなるであろうイニエスタは、バルサで唯一4回チャンピオンズ決勝に出場した選手(メッシとチャビは2006年決勝を怪我で不出場)。年末に訪れる日本ではまた、地下鉄乗車でセンセーションを起こしてくれるのでしょうか。ドンはまた親友チャビが大耳を掲げた件について、「今日はチャビの日だったし、このチャンピオンズを掲げるのは彼でないといけなかった。全ての選手が望む完璧なシーズン終了だったね。彼は唯一の選手。彼の最良を願ってるよ」
チャビ 「これ以上ない終わり方」
一方、このベルリン決勝の大主役の一人だったチャビ・エルナンデスは試合後、24年間過ごしたバルサでの最後のゲームをこう語っています。「自分がこんなシーズンラストを生きているなんて、今でも信じられてないんだ。すばらしい終わりだね。ベルリンまで僕らを応援に来てくれたファン、カンプノウでいつも僕らに付き添ってくれている全てのファン、チームに相応しいエンディングだ」
「チャンピオンズのトロフィーを掲げた後は、ノスタルジーな気持ちになったよ。自分がこれ以上このユニフォームを着ることはないと知っているからね。。僕は幸せだったし、全てを与えてきた。これ以上を求めることなんて出来ないよ。これ以上にない終わり方だった。僕はとても幸せな人間だし、誇りに思う」
「このジェネレーションは今も歴史を作っていってる。トリプレーテ達成は容易なことじゃないし、選手もファンも、これを楽しまないといけないよ。僕はバルサを去るけれど、チームが勝ち続けていくと確信している」
UEFA会長プラティニさんからビッグイヤーを手渡され、最初の紙吹雪の中でトロフィーを掲げる晴れ姿をデカ男ジェラール・ピケによって隠された後、ピッチでの第二の紙吹雪へと向かう道をチャビはルイス・エンリケと抱き合いながら歩いていました。「キミに相応しい勝利だよ、って言ったんだ。彼はチームの偉大なリーダーだったし、信じられないような仕事をしたよ。だから僕らは彼とタイトルを祝った」「来季?人間的にも、結果面でも、ルイス・エンリケは来季のベスト指揮官だよ。そこになんの疑問もないさ。この件について僕らは話してない。今はタイトルを祝う時だ」
さて、ルーチョバルサのフィエスタはもう少し続きます。ベルリンでの夜を楽しんだ後、日曜日の午後にバルセロナへと戻ってからは、チャンピオンズ制覇をした際には恒例となっているパレード(La Rua)。今年はいつもよりも少し距離は短めとなっていますが、楽しみです。ネイマールは羽目を外し過ぎないように要注意で^^; そして祭りの締めくくりは、リーガ祝勝会で約束していたカンプノウでのファンとの再会。ダニの残留宣言とか、ないですかねぇ。ということで全然まとまっていませんが、本日はこのへんで。ルーチョバルサのみんな、本当にありがとう!
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