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グラン・フィエスタ

二度目のトリプレーテを盛大に祝ったルーチョチーム。

ルイス・エンリケ率いるバルサ号が無事トリプレーテ港に到着し、その偉業達成に世界のクレが酔いしれているこの6月7-8日ですが、この祭りをその肌で感じられる点において現地ファンほど羨ましい人たちはいません。土曜夜にベルリンでお祝いをしたバルサ一行は日曜午後にバルセロナへと帰着し、街を凱旋パレード。通りを埋め尽くした数え切れないほどのバルセロニスタから熱い祝福を受けました。そして最後はカンプノウでのトリプレーテ祝勝会でファンに挨拶をしてシーズン閉幕。このフィエスタに一度参加してみたい…。

テンペルホーフ公園でのパーティ

第二次大戦中は軍事空港として使用され、終戦後も長く主要空港として利用されていたベルリン・テンペルホーフ空港。半円形のターミナルビルはヒトラーによる“世界首都ゲルマニア計画”の一環として建築されたもので、当時世界最大級の大きさを誇ったそうです。冷戦時代にソビエト連邦によって西ベルリンへの連絡路が封鎖されると西側諸国の“ベルリン大空輸”の舞台として活躍。その後役目を終えて2008年に封鎖されると、2010年からは巨大な都市公園(見渡すかぎりの原っぱ、滑走路)として利用されています。とにかく平面的に広い、初めて行くと呆れてしまうほどの規模の都市公園らしいです。

その公園がどうしたかというと、オリンピックスタジアムでの最初の優勝祝いを終えたバルサ一行が、その次のお祝いの会場として訪れたのがこのテンペルホーフでした。現在、かつてのターミナルビルは各種催し物の会場へと改装されているそうで、決勝前日にはUEFAによる公式食事会も開催。この土曜夜はバルサ専用のパーティ会場となりまして、選手やスタッフの家族や友人たちが楽しい時間を過ごしています。

正面玄関にはプロジェクターにて“CAMPIONS(Oの文字はバルサエスクード) LLIGA COPA CHAMPIONS #TRIPL3T”が映し出され、クラブによる招待を受けた2,000人(!)の関係者を迎えました。祝宴は午前0時頃に始まり、3時頃に終了。選手たちは宿泊先のホテルへと戻り、長く幸せだった一日を終えています。永久保持となったビッグイヤーも一行と共にホテルへ。万が一の盗難に備え、厳重な警備で守られたそうです。個人的に興味をそそられましたので、一応ご紹介^^;

バルセロナの街を大パレード

ベルリンでの幸せな時間を終え、テーゲル空港からプラット空港への幸せな2時間の空の旅を終えた選手たちが、凱旋門近くにある Estacio del Nord (北駅。以前は鉄道駅だったが1972年に閉鎖され、現在はバスステーションとして利用されている。多目的スポーツホールも備える)へと到着したのは18時25分頃でした。そこで彼らを待っていたのは、“CAMPIONS SEGON #TRIPL3T SEGUIM FENT HISTRIA!”(二度目のトリプレーテ。我々は歴史を作り続ける。カタルーニャ語)と各所に記されたオープンデッキの特製バルサバス。選手たちを乗せたバスは、予定どおりの19時に北駅を出発しています。

Que momento … VISCA BARÇA

A photo posted by Nj (@neymarjr) on

 それにしても、すごい数の人、人、人。このラ・ルア(La Rua)の時にはいつも感心するのですが、あちらの人たちのパレードをすんなりと受け入れる許容力といいますか、文化といいますか。こちらでこんなパレードをしようと思えばだいぶ前から交通規制の告知をし、あれやこれや手続きをし、実施されるのはピザもすっかり冷めた数ヵ月後。市と前もっての交渉はしているとはいえ、翌日にやってしまえるのがすごいです。ちなみにネイマールの優勝記念Tシャツは袖がないですが、これは彼自身が“加工”したもの。ノースリーブが大好きなネイくんです。  

バルセロナの街は街路樹がたくさん植わっていてステキです。上の写真でカタルーニャ旗のマントをかぶっているのはチャビ。バルサ選手として最後のパレードを、彼はどんな思いで楽しんだのでしょうか。チャビの場合は監督として再びこれを経験するかもしれないですけれど(というか、是非してほしい)。

前回のトリプレーテ時のラ・ルアは、海に面したコロンブスの塔のところから山の手のカンプノウを目指すコースが設定されました。そしてけっこう長い道のりなので、スタジアム到着が予定よりだいぶ遅れた^^; 18時に開始されたパレードが終了したのは、4時間半後の22時30分でした。今回はその反省を踏まえ(たぶん)、幾分短めの2時間コースが設定されましたが、やはりといいますか30分~1時間遅れの22時に目的地である Doctor Ignasi Barranque広場に到着しています。カンプノウはすぐ近くだし、祝勝イベントは22時開始予定だし、まあOKってとこでしょうか。

下の画像はパレードの様子を写した8日付SPORT紙の表紙(裏表使用)です。バスの一番前に三つのトロフィーと並んで座っているのはマスチェラーノ。落ちやしないかとヒヤヒヤします^^; ピケに至ってはこの場所に仁王立ちし、両手で三本指を立ててファンを盛り上げるサービス。2年前のリーガ優勝パレードでは、選手たちがビールをがぶ飲みしていて物議を醸しましたので、今回もビールを飲みながらも(二台目のバスは地元ビール会社のESTRELLA)、控えめだったようです。

パレードの途中、ピケはチームメイトたちによって靴を奪い取られ、ファンへと向けて投げられています^^

sport

 

カンプノウでの三冠祝勝会

パレードを終えた選手たちは、別のバスへと乗り換え、最終目的地であるカンプノウへと向かいます。スタジアムで待っていたのは7万人のファンたち。この祝いの場に観客席が満員にならなかったのか、というとそうではなく、イベント用に設置された巨大スクリーンの後ろにファンを入れなかったのが一番の理由でしょう。また、ファンが殺到した2011年のような事態を避けるため、警察当局からチケットを持った人のみの入場を求められたりもしたようです。チケットは午前10時にスタジアムの窓口にて発売され、昼すぎには売り切れています。

カンプノウでのフィエスタが始まったのは22時半頃のことでした。それがどういったものだったかは、百聞は一見にしかずということで、上と下に埋め込みました公式サイトによる動画を見ていただきますとして(便利な時代となりました。スクリーン・照明・花火などを利用した演出もこの数年でとても進化している)、、、補足的な情報をいくつか挙げますと、

■最初に登場した子供たちにベッドでじいちゃん(の声が)語りかけているのは、バルサの歴史が世代から世代へと語り継がれていくというメッセージ。■選手たちの入場は背番号の順番。ただし4人のカピタンは最後に登場。■ブラボはチリ代表に直接向かっているので不参加、、というところでしょうか。身に付けているマフラーやフラッグなど、選手それぞれ個性が出てます。

ルイス・エンリケと選手たちのスピーチ

選手たちの入場が終われば、ルイス・エンリケのスピーチ。それはこんな感じでした。「2-3週間前に私たちは、ここでまたこういうお祝いをしようとキミたちを呼び出した。そしてキミたちはこのチームの熱望と野心に限度などないことを目撃したね。ここに三つの太陽のような三つのトロフィーがある。ここまでくるのは簡単ではなく、困難に満ちた道のりだったことはキミたちと私たちが誰よりも知っている。シーズン最初、必要な時にチームをサポートしてくれるように私たちはキミたちにお願いをした。それに応じてくれたキミたちに、私たちは感謝してるよ。キミたちがいることで、私たちはより強くなる。私たちはそれを証明したんだ

私たちは歴史を作り続けているし、将来もそうあり続けるように試みていくよ。キミたちはいつもそうしてきたように、これからもチームをサポートし続けてほしい。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ、、次はチャビにマイクを渡そう。いついかなる時もチームを支えてきた偉大な選手であり、偉大な人へ」

監督からマイクを受け取ったチャビ・エルナンデスは、「みんな、こんばんは。トリプレーテを達成したよ。ここへ来てくれてありがとう。パレードに来てくれてありがとう。驚くほどのパレードだったよ。ルイス・エンリケやスタッフ・テクニコ、チームメイトのみんなにも感謝してる。キミたちのことを僕は恋しく思うだろう。ビスカ・カタルーニャ」、と手短に挨拶をしています。

少々感心したのは、イニエスタの次にスピーチをしたレオ・メッシが堂々とファンに語りかけていたことでした。「もう一度ここにいて、みんなと祝えているなんて信じられないことだよ。去年と同じようにとても困難でハードだった一年の後、ここへ戻ってこれたのはすごいこと。今は楽しまないといけない」「もっとタイトルを獲得するために、僕らが戦い続けていくことに僕はなんの疑問も抱いていない。このチームはとても飢えていて、とても野心的だからね。ここに三つのトロフィーがある。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ!」

ダニの涙、ピケの蒸し返し爆弾

続いてスピーチしたのは、スタンドのアルベスコールで促されたダニでした。ラテラルはまず、チームメイトやスタッフたちに感謝の言葉を送った後、自らの将来について語り始めます。その時はすでに、彼の目にはうっすらと涙が浮かんでいました。「この夢がどれだけ続くのか、僕は知らない。終わりがきたのかどうか、僕は知らない。でも永遠であればいいなと思ってる。僕はここで幸せだったし、ここで幸せだし、ここにいなくなる日も僕は幸せだろう。何故なら僕はキミたちの一人だからね。本当にありがとう、ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ!」

(※パレードの途中、クラブからアレイシ・ビダルの入団が公式発表されている)

アルベスのバルサでの残り時間が終わりに近づいていると取れるスピーチの後だったからでしょうか、マイクを引き継いだジェラール・ピケは、やたらとハイテンションでした。パレードの間にビールを浴びすぎたんではないか、というくらいの変なテンション^^ そしてこのワカ旦那のスピーチが今回のフィエスタにおいて最も反響を呼んでいまして、各方面(首都方面)で大きく取り上げられている次第です。「2009年、自分たちがまたトリプレーテをやるだなんてオレは考えてもなかったぜ!それをオレたちはやった!オレたちは世界最高のチームだ!」と叫んだ後、自分のところへと走り寄ろうとしているチームメイトたちを制止し、セントラルはこう言いました。

「スタッフ・テクニコ、用具係、ドクター、フィジオ、チームのみんなありがとう。ファンのみんなありがとう。理事のみんなありがとう、、、そしてケビン・ロルダンありがとう!キミと全てが始まったんだ!

ケビン・ロルダン。白組がアトレティコ戦に負けた晩にクリスティアノが実施したヒミツだったらしい誕生日会で、CR7&ハメスとの写真をSNSに公開してマドリディスタを炎上させたコロンビア人歌手。みんな忘れていたあの出来事をここへきて蒸し返したワカ旦那、よく覚えてましたな。

まあへんなテンションといえば、多くの選手がそうでして、あのマスチェラーノも枯れた声で「オレ~オレ・バルサ♪オレ~オレ・バルサ♪」と歌いだす始末^^ 試合中の戦うイメージが強い選手たちが自然な姿を見せてくれているのもこういったフィエスタの面白いところです。テル・ステーゲンはカステジャーノでスピーチしてました。

スピーチの後は、子供たちも加わり、みんなでトロフィーを持ってグラウンドを一周してトリプレーテの祝勝会は終了です。最後は盛大な花火がどかんどかんと打ち上げられ、映像でしかこのフィエスタを体験できなかった者を、よりいっそう羨ましい気持ちにさせたのでした。

 

バルサTVで生中継されたこのグラン・フィエスタの全容は、Youtubeのクラブ公式動画で確認することが出来ます。約12分にまとめられたダイジェスト版と、5時間に及ぶフルバージョンです。

 

コメント

  1. onak より:

    スカパーもWOWOWも、凱旋パレードまでは放送してくれないので解説付きのアップありがとうございます!

  2. どういたしまして^^ 最近はバルサがバルサTVの中継動画をフルでアップしてくれますので、後日じっくり楽しめます。

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