第一目標はいつもと同じく、アウェーゴールの手土産。
地元と敵地で2試合を行い、その合計結果によって勝敗が決まるチャンピオンズのようなトーナメント戦。敵地での第1戦にてアドバンテージを奪う意味は大きく、パリ・サンジェルマンとの戦いでもそれは改めて証明されています。バルサは昨日、試合会場となるアリアンツ・アレナでトレーニングを行いました。その際、指揮官ティト・ビラノバは選手たちに向かい、ちょっとしたスピーチをしたのだそうです。伝えたメッセージはパルク・デ・プランスでの前日練習でのものと同じ。勝負の大勢はこのミュンヘンで決まる、というものでした。
大勢を決するであろうミュンヘン決戦
22日(月)の現地19時から開始となった、アリアンツ・アレナで最初で最後のトレーニング。ティト・ビラノバはセッションの開始前、グラウンドに選手たちを集め、およそ3分間にわたるスピーチを行ったそうです。それがどのようなものだったか。前日練習は最初の15分がメディアに公開されていますので、ティトが選手たちを集めて話しているのは判るのですが、内容まではさすがに聞こえない。SPORT紙が伝えるところでは、こんな感じとなります。「いいかい、明日の試合にこの対決の80%が懸かっている、そんなふうに考えるんだ。この試合が勝負の行方を決めるだろう。それは間違いない」
またMUNDO DEPORTIVO紙では、別のメッセージが報じられています。「なによりもゴールを奪わなければならない。0点でここを去ることはできないぞ」。つまりはバイエルンを相手に、サンシーロのスコア(2-0)は絶対ダメだぞ、ということであります。
今回もまたパリでの戦いと同じように、少なくとも1ゴール以上の手土産を持ち帰ることが、アリアンツ・アレナにおけるバルサの目標となります。休養十分のレオ・メッシやドン・アンドレスがいつもの変態ぶりを発揮し、前線でのプレッシングが機能すれば、こちらは達成できることと期待。あとは不安要素となっている守備が、どれだけ上手くいくかとなりましょう。セットプレーは戦力的に圧倒的に不利なバルサですので、いかにしてそのチャンスをドイツチームに与えないかです。
バイエルンはロッベンとリベリーが両サイドで起点となり、ラームとアラバの両ラテラルがそこに絡んでくる、そうな。手薄になったサイドをえぐられての侵入、あるいは逆サイドへの展開による崩し。リーグ戦のここ2試合で12点を奪っている彼らの攻撃はかなり怖そうです。アルベスの上がりが抑制されればメッシへのサポート役も減り、攻撃のオプションも減る。やはり高い位置でどれだけボールを刈り取れるかが、攻守両面においての生命線となりましょう。チャビ、イニエスタ、ブスケツ対、ハビ・マルチネス、シュバインシュタイガー、ミュラー。セルヒオは恥骨のトラブルによって2週間試合を休んでおり、彼のコンディションがどれだけ回復しているかもティトチームの出来を確実に左右します。
バイエルンのチャンピオンズにおける得点分布を見てみますと、リベリー、マリオ・ゴメス、ロッベンらデランテロ陣が各1点なのに対し、中盤のシュバインシュタイガーが2点、ミュラーが5点。左ラテラルのアラバが2点となっています(バルサはメッシが8点でアルバが2点、その他各1点ずつ)。ミュラーとシュバインシュタイガーの、なんとも不気味なことよ。。
ロウラ「自分たちのスタイルでプレーできたチームが有利となる」
アリアンツ・アレナでのトレーニング開始前に開かれたUEFAの公式会見で、選手代表として出席したチャビ・エルナンデスは、「ボールポゼッションがこの対決のカギになるだろう。僕らはボールを自分たちのものとし、主役にならなければならない」と語っています。その考えにはジョルディ・ロウラも同意見です。
「この火曜日の戦いは、かなりハイテンポなものになると思う。自分たちのプレースタイルを持ち込むことに成功したチームが、大きなアドバンテージを得るだろうね。バイエルンはすばらしいシーズンを送っているチームだ。この対決の難しさを私たちは承知しているよ」
このミュンヘンでの準決勝は、あらゆるお楽しみ要素を備えた試合だと言う第二監督は、こう意気込みを表しています。「過去4シーズンのチャンピオンズで主役となってきた2チームが激突するんだ。非常に拮抗した、ディティールが勝負を決める対決となるだろう。ミランとのブエルタで見せたようなパフォーマンスを、私たちが出来ることを願ってるよ。オープンで最後まで激しい試合となるだろうね」
「バイエルンのフォームがすばらしいのは確かだ。けれども私たちも競争力のあるチームで、フィーリングを取り戻してきている。試合がものすごく楽しみだよ。私たちは6シーズン連続で準決勝へと勝ち進んだ。それはとても大きな成功なんだ。私たちはここまで、様々な逆境を克服してきた。今回もまたポジティブな結果を目標にここへと来ている」
先発が予想されるレオ・メッシの状態について訊ねられたロウラの回答はこうでした。「彼の感触はとても好いよ。回復は順調だったようだね。今日のトレーニングでの具合がどうかを見て、ドクターたちの意見を参考にしていくことになるだろう。彼のようなレベルの選手を起用できないのなら、その影響が感じられるのは明らかだ。彼が出るか出ないかで、勝負の行方は決まりえるさ。とはいえ私たちは、彼不在の場合でもチームのクオリティを証明してきている。このバルサのチーム力に、バイエルンは気付いていると思う」
ピケの相棒が予想どおりにマルク・バルトラなのか、それともアビダルなのかの問いに対しては、いつものように、どちらの可能性もあるし当日に決めると返答。若きバルトラについてはまた、「ごく普通どおりに扱わなければ。事を大げさにすることなく、彼へのプレッシャーを取り除き、可能なかぎり落ち着いてプレーさせることだ」ともコメントしています。
なにせ今夜の相手は、絶好調の新ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンです。パリ・サンジェルマンとのブエルタのような試合をすれば、確実にゲームオーバー。逆にミランとのブエルタを出来れば、大きなアドバンテージを持ち帰ることになりましょう。受身になるのではなく、自分たちの信じるスタイルを貫き、攻撃的にプレーを支配できるかどうか。そのためには集中力がポイントとなりますが、強力ドイツチームがライバルだけに、その点での心配は逆にありません。ゴールチャンスは絶対に訪れる。あとは落ち着きをもって、それを決められれば!バルサクラックたちのシューズを、溢れんばかりの幸運が包みこみますよう。
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