いよいよ重要局面へと入る。
FCバルセロナが全力で獲得を狙っているとされるポール・ポグバの移籍オペレーションが、どうやら今週水曜日に重要局面を迎えるようです。バルサ技術委員会のメンバー、アリエド・ブライダがこの数ヶ月間、懇意な間柄にあるユベントスのジュゼッペ・マロッタGMとこつこつと接触を続けてきたことで、バルセロナは幾らかライバルたちをリードしているみたいですが、他クラブは逆転を目指して精力的に代理人へのプッシュを仕掛けているらしく。その落ち着かない状況を打破するべく、いよいよクラブ間の正式な交渉に入るというのが現在伝えられている情報となります。バルサが用意している移籍金は8,000万ユーロほどと言われています。
明日水曜にクラブ代表同士の会談
ポール・ポグバの移籍を巡っては、これまでもいろいろな動きが伝えられてきましたが、バルサに関してはそれらは全てアリエド・ブライダを通じてでした。彼がユーベのジュゼッペ・マロッタGMと会食をしながら、あちらさんに希望価格の探りを入れたり、こちらからどの程度なら出せるのかを仄めかしたり。ユベントスが他クラブとの話し合いを進めてしまわないよう、バルサの国際スポーツディレクターが頻繁にマロッタ氏と接触し、良い具合に話を展開してきました。
しかし最近はPSGやチェルシー、マンチェスター・シティ、レアル・マドリーが動きを活発化させ、もはやブライダが一人で引き留めるのは厳しくなってきた。そこで、クラブのプロスポーツ部門責任者であるアルベルト・ソレールがバルサからのオファーを携えてトリノへと向かい、ユベントスとクラブ間交渉を始めるのだそうです。ブライダとマロッタ氏はこの会談のアウトラインを引くため、28日夜にミラノのレストランにて会食をしています。
この水曜日のクラブ代表会談におけるバルサ側の目的は、ユベントスとの合意に向けて話を前進させ、かつ7月18日の新会長誕生まで他クラブとの交渉をブロックさせること。次期会長の本命であるジョゼップ・マリア・バルトメウもジョアン・ラポルタもポグバ獲得には賛成しているので、どちらが勝っても交渉は次の段階へと進むでしょう。ただそれまでに風向きが変わっては意味がなく、ユーベさんに19日以降まで待とうと思わせることが今回のブライダとソレールの任務となります。
獲得費用は8,000万(+1,000万)ユーロ
肝心のポグバ獲得のための費用ですが、29日付のMD紙がいうところではユベントスの設定金額は8,000万ユーロだそうです。将来性はあるといえ、まだなにも成し遂げていない22歳の若者の獲得に支払うには相当な金額。昨今のマーケットの常軌を逸した額は庶民にはついていけませんし、シティが1億ユーロを超える額を準備しているというウワサには、どうかしているというのが率直な感想です。それはさておき、、、
同日のSPORT紙は、FCバルセロナにはこの8,000万ユーロなる移籍金を支払う考えがあり、さらに各種の条件(バルサのタイトル獲得、ガンペル杯にユベントスが参加した場合のイタリアでのテレビ放映権料など)により発生する出来高払いを加えることにより、MAX9,000万ユーロを予算に計算しているとしています。うち何割かを交渉が成立した場合の手付金として払い、残りを2016年に支払う流れのようです。
少し前、たしかMD紙はユベントスが関心を抱き、バルサとつながっているとされるフルミネンセのジェルソンを交渉に加えるかも、と報じていましたが、SPORTはバルサはジェルソンの将来性を高く評価しているためにオペレーションには入れたがっていないと伝えています。
ユベントスはバルサを好む(らしい)
FCバルセロナはFIFAの制裁によって、2016年1月以降でなければ選手の出場登録ができませんが、ポグバ交渉ではこれを上手く利用しまして、選手が来年夏までユベントスに残ることを交渉の切り札としています。ユベントスがバルサを取引相手に選べば、フランス人セントロカンピスタをあと1年チームに置くことができ、MAX9,000万ユーロの移籍金も手に入る。他のクラブはすぐさまポグバを欲しがっているので、この違いは大きなアピールポイントです。30日のSPORTはこれを“チーム再編が必要なユベントスの利益に完璧にマッチした内容”だと語っており、MD紙はまたポグバがチームに1年残ることで、ユーベからは8,000万ユーロ以上の要求は出来なくなるだろうと見ています。
さらにバルサはアリエド・ブライダを通じて、数ヶ月前からユベントス(マロッタGM)と地道に話をし、根回しをしている。クラブではなく代理人ミノ・ライオラに話をもちかけ、裏でこっそり事を進めようとしているライバルたちより、ユーベのフロントがバルセロナに良い印象を抱くのはごく自然なことです。クラブ間だけで話がまとまるなら、バルセロナはだいぶ優位な状況。そういったことから、30日付のSPORTはユベントスの希望する取引相手はバルセロナだと報じています。
しかしながら、ここに代理人が絡んでくると事はややこしく、そして不愉快になってきます。バルサにプレッシャーをかけ、水曜日のクラブ間交渉実施を進めたのはライオラらしいのですが、彼が要求するポグバの年俸1,200万ユーロってのがやはりどうも受け入れがたい。それを呑んでしまうとチーム内の給与ヒエラルキー(年俸階段)が崩れ、ロッカールームに問題が生じかねません。若造は下のランクから貢献度に応じて上がってきましょうぜ。いきなりイニエスタ(やチャビ)よりも上なんぞありえない!アリエナイです。
ということでポール・ポグバに関しては、ユーベ・バルサ会談のある水曜日からまた一段と盛り上がっていくと予想しますが、個人的にはいろんな点において気持ちが燃えないこと甚だしく。楽しそうな現地メディアに置いていかれている感じです。どうなりますやら。
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