トップチーム選手だけではベンチが埋まらない。
FCバルセロナの2015/16シーズン序盤は災厄の連続となっています。今季はプレシーズンから負傷者が続発し、なんと80日間で延べ15人もの負傷者が出ているのだそうです(MD紙)。うち筋肉系の負傷が9人と目立っているのも特徴で、過負荷や違和感の発生程度で本格的な筋肉損傷が11月のマテューまでなかった昨シーズンと比べると、明らかにその数と負傷レベルが上昇しているのが分かります。そして火曜日のイニエスタの負傷によって戦力不足はいよいよ深刻さを増し、起用可能なフィールドプレーヤーはわずか14名に。その状況に対処するため、ルイス・エンリケは水曜日のトレーニングにB選手を6人呼んでおり、セビージャ戦も彼らを数名招集することになります。
筋肉系の怪我が多発
2015/16シーズンの負傷者ラッシュは、プレシーズンのドグラス(右太もも)から始まりました。以降はアルダ・トゥラン(足首捻挫)、アドリアーノ(内転筋)、アルバ(半腱様筋)、ネイマール(おたふく風邪)、アドリアーノ(そけい部痛)、アルベス(内転筋)、セルジ・ロベルト(詳細不明)、ブラボ(ふくらはぎ)、ベルマーレン(ふくらはぎ)、ラフィーニャ(ヒザ靭帯)、アルバ(頸部痛)、アドリアーノ(詳細不明)、メッシ(ヒザ靭帯)、イニエスタ(太もも)と離脱者が続発。これにピケとマテューの出場停止も加わりますから、自ずと怪我のない選手の負担も増え、全体的に怪我をし易い状態になる悪循環に陥っています。試合のたびに負傷者発生を怖れるのは、いつ以来でしょう。
これに対して昨シーズンは長期の離脱者はほとんどなく、代表チームで負傷していたベルマーレン(太もも)、ネイマール(腰椎骨折)ほか、アドリアーノ(不整脈)、テル・ステーゲン(腰椎)、イニエスタ(ヒザ)、マシップ(手の指骨折)くらい。筋肉系では複数の選手が過負荷や違和感などで休んだりしていますが、大抵は1-2週間の離脱でした。
昨季と今季の違いといえば、今夏はUSAツアーとコパ・アメリカが行われ、三冠王者の使命としてヨーロッパとスペインのスーペルコパをプレーしなければならなかったこと。ここまでの試合数を昨年と比較すると、そのスーペルコパの分、3試合の増加となっています(計16試合)。
バルサB選手6人がトレーニング参加
現在のルーチョチームはブラボ、アドリアーノ、ベルマーレン、イニエスタ、ラフィーニャ、メッシが負傷者リストに名を連ねています。それによって起用可能な選手は合計16名となり、フィールド選手では14名。ポジション別の内訳はデフェンサが7名、セントロカンピスタが3名、デランテロが4名で、ブラボ、ベルマーレンはそろそろ戻ってくるでしょうから、ラフィーニャとイニエスタを欠く中盤が特に火の車です。
そういう状況につき、頭の痛いルイス・エンリケは水曜日のトレーニングに6人のバルサB選手(グンバウ、サンペール、バブンスキ、コスタ、カマラ、アイトル)を呼び、セビージャ戦の準備を行いました。トップチーム選手だけではベンチ入りメンバーも埋められない人数ゆえ、土曜日のサンチェス・ピスファン遠征にもフィリアルの若者たちが呼ばれるのは確実で、ラフィーニャの離脱以降“レギュラー”となっているグンバウに加え、中盤のダビ・バブンスキとメディアプンタのファン・カマラあたりが招集リストに入るのではないか、と予想されています。カマラはリーガ開幕節で招集メンバー入り。バブンスキが呼ばれれば、トップチーム初招集です。
ラフィーニャの代替としてアルダ・トゥラン登録が認められていれば、、、
3-5-2もある?
サンチェス・ピスファンという厄介なスタジアムで、ルーチョがどのようなやり繰りをしてくるのかは、この10月初日のバルサ周辺における大きな注目点です。レオ・メッシを欠いて臨んだレバークーゼン戦でさらに、アンドレス・イニエスタまで失うことになったバルセロナ。起用できる選手にシステムを合わせるのであれば、その二人のクラック不在を補うためにはフォーメーション変更もやむなしといえる状況ですから、セビージャ戦で監督が手を打ってくることは十分に考えられます。レバークーゼン戦の前は4-4-2もウワサされましたが、今回可能性として挙がっているのは、そのドイツチームとの戦いでも見られた陣形に修正を加えた3-5-2です。
レバークーゼン戦の終盤はメディオセントロのマスチェラーノがピケとマテューの間に入り、両ラテラルが高い位置を取る3-4-3の形となっていました。中盤はブスケツとセルジ・ロベルトで、その両脇にアルベスとアルバが張って前線はスアレス、ネイマール、ムニール。SPORT紙はそこに少々の変更を加え、3-5-2にするかもしれない、と予想しています。違いは中盤にラキティッチが入り、前線がスアレスとネイマールの2枚になっている点です。ラテラルはほぼエストレーモ。中盤の人数を増やすことでプレッシングから逃れ易くし、パス回しを滑らかにすることを目的とするとのことです。
とはいっても、ルイス・エンリケはオーソドックスな4-3-3を採用してくるんじゃないか、という気はします。レバークーゼン戦からの変化は左ラテラルがジョルディ・アルバ、左インテリオールがセルジ・ロベルトとなって、右エストレーモはおそらくムニール。そこから試合展開を見て3バックなりに変更するのではないでしょうか。
いずれにせよ、今後チームとして取り組むべき優先課題は“守備の再構築”。まずはこれです。レバークーゼン戦でもポジショニングの悪さは改善されておらず(特に前半)、選手たちの距離は間延び。プレッシングに時間がかかるだけでなく、パスコースを作れないことでボールを喪失する回数も増え(88回)、両脇のスペースを突かれてドタバタの連続でした。どのような選手配置であれ、このポジショニングの改善が重要となります。
ポルテーロはクラウディオ・ブラボが復帰し、テル・ステーゲンは再びカップ戦担当に戻ると予想されています。
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