エスパニョール戦でラフプレーを許した審判。
バルセロナが6-0で大勝したリーガでの対決からわずか中2日。今度はサン・マメスへと会場を移して行われるコパ・デル・レイでのアスレティック・クラブ戦の前日会見において、ルイス・エンリケが珍しくも審判についてコメントを行いました。通常であれば、報道陣からの質問があっても審判については口を出そうとしないルーチョですが、今回は自ら審判指名について言及。ゴンサレス・ゴンサレス氏が選ばれたことについて、「驚いた」、「どちらのチームにとっても良い報せではない」との見解を示しています。試合展開に関しては、日曜とは全く異なったものになると予想する監督です。
「審判にとっても、両チームにとっても良いニュースではない」
コパ1/4ファイナル第一戦の主審にゴンサレス・ゴンサレスが指名されたぞ、とのニュースは、バルセロニスタを驚かせる(そして嫌がらせる)に十分なものでした。新年初戦となるリーガ第18節エスパニョール対バルセロナにおいて笛を吹き、ペリコたちの暴力的なプレーを容認したことで、その4日後のコパデルビーで両チーム間に起こる騒動の種をまいたといえる審判がまたもや自分たちの前に現れる。どういう方法によって指名が決まるのかは知りませんが、“黒い手”の存在を信じる者としましては、よくもまあ次から次へと、と感心するほどです。きっと妄想なんでしょうけれど。
ゴンサレス・ゴンサレス審判といえば、バルサがアスレティックにコテンパンにやられたスーペルコパ第一戦(4-0)を担当したほか、ベルナベウでのレアル・ソシエダ戦でレアル・マドリーに存在しないペナルティキックを二つ与えたり、前述のリーガ・デルビー(0-0)でエスパニョールのラフなプレーを認めたことで、クレの印象は非常に悪い。激しくなるであろうと予想される試合ですから、またやってくれるんじゃないかとの先入観は避けられません。
火曜日に行われたアスレティック・クラブ戦前日会見でルイス・エンリケは、報道陣から尋ねられたわけでなく、この審判指名について語ったのだそうです。SPORT紙によりますと、彼がこの件について言及したのはバルサを迎えるサン・マメスの雰囲気について質問を受けた際でした。エンリケは言います。
「審判の指名には驚いたよ。思ってもなかった人が指名を受けたからね。フットボル界の皆と同じように、私も驚いたんだ。理由?私の言葉が誤解されないことを願うけれど、これまでの前例からいって、テンションの上がるこの試合に彼を指名することは、審判にとっても両チームにとっても良いニュースじゃない。私たちとしては、スペクタクルな試合となるようフットボルに集中していきたいと思う」
こうしたルイス・エンリケの発言に対しては、審判に影響を及ぼしかねない言葉は避けるべきだ、との批判も上がっているようです。前日会見におけるバルサ監督のその他のコメントは以下のようになっています。
メッシ起用でリスクは冒さない
■試合について 「先日の試合とは、全く別物になるだろう」、「この前の試合に勝ったのは好ましいことだったけれど、それは彼らにとって刺激にもなりえるね。難しい試合になるのは間違いない。けれどもその難しさは私たちをやる気にさせるし、私たちを引き付ける。チームとして成長し、カンペオンになるためには、こういった試合が必要なんだ」
■サン・マメスの雰囲気 「観客の数は多いほど好いさ。それは私たちにとって刺激となる」
■今度はアドゥリスが出てくる 「アスレティックにとってカギになる選手だ。彼は空中戦に強く、彼がいることでチームがセカンドボールを得る機会が増える。彼は年を重ねるとともに良くなっているよ。若くはないが、非常にハイレベル。味方にとっても、相手方にとっても参照となる選手だ」
■メッシの状態 「彼の体調は良いよ。怪我はなく、ただ(筋肉に)違和感が生じているだけだ。出場するかどうかは、明日決めることになるだろう。重要なのは彼自身のフィーリングだ」、「今回は決勝戦ではないし、リスクを冒さないのが私のやり方だよ」
■ネイマールの役割 「メッシが不在の時にネイマールがさらに良くなるという感覚は私にはない。レオがいる、いないにかかわらず、彼は信じられないほどのレベルにあるよ。それがこのチームの偉大さであり、個人の成長はチームにプラスとなるんだ。レオやルイスがいる試合でも、ネイがすばらしいパフォーマンスをした例を私は何度も目撃している」
■セルジ・ロベルトの多用途さ 「試合によっては、セントラルも完璧にこなせるだろう。彼はスピードが速く、先を読む力もあるからね。これまで彼はピボーテでも、偽9番でも、両サイドでも、インテリオールでもプレーをしてきた。バルサのような60-70%ボールを保持するチームでなら、彼はポルテーロ以外全てのポジションをこなせるよ。思えるほどに驚くことじゃない。難しいのは多くのポジションで良いプレーをすることであり、ロベルトはそれをやれる選手だ」
■ハードスケジュール 「日程が詰まっているという事は私たちが全てのコンペティションで生き残っていることを意味するわけで、私たちは喜んでるよ。バルサを率いるってのは、そういうことだ」
ローテーションとハイプレス対策
3ポイントの積み重ねが重要となるリーガとは異なり、ホーム&アウェイの二試合で勝負が付くトーナメント制のコパでは、試合への臨み方も異なってきます。3日おきにゲームがやってくる過密日程とあって、重要となるのは選手たちの出場時間管理。今回のサン・マメスでのアスレティック戦では、ルイス・エンリケは複数の選手を入れ替えてくると予想されており、場合によっては珍しい起用法も見られるかもしれません。
ポルテーロがカップ戦担当のテル・ステーゲンになるのはまず間違いないでしょう。その他の変更としては、空中戦に強いアドゥリスを抑えるために、トーマス・ベルマーレンがジェラール・ピケとコンビを組むのではないかとSPORT紙は予想してます。ジョルディ・アルバとジェレミー・マテューを欠く左ラテラルは、本職のアドリアーノが選ばれるのか、それともアレイシ・ビダル、あるいはセルジ・ロベルトが務めるのか。ルーチョのアドリアーノへの信頼度を計る目安となりそうです。メッシ(別調整)とスアレス(出場停止)がいない前線は、ネイマール、アルダ・トゥラン、ムニールでしょうか。
先日の試合とは違い、アスレティックはおそらく前線からのハイプレスでバルサの息を詰まらせようとしてくるでしょう。ルイス・エンリケはそのプレッシングにどう対応するかを考えているはずで、中盤は勿論のこと最終ラインから前線までを含めたチーム全体でボールを進めるプランを練ってきそうです。重要になるのは、ゴールに近い位置でボールを奪われないためのパスコース作り。ってことで、セルジ・ロベルトはやはり左ラテラルでしょうかね。ルーチョとデニム・ウンスエの選択が楽しみです。
コメント
アドリアーノは守備が軽いのでもう最終ラインでは使われない気がします。
アウェーであることを考えても守備で違いを見せたロベルトの可能性が高いでしょう。