またも前半に酷かったものの、後半は復調し逆転勝利。
FCバルセロナがコパ王者としてのリアクションを示し、アスレティック・クラブに3-1で逆転勝利。2試合合計スコア5-2で無事準決勝へと駒を進めました。公式戦7連勝となるルーチョチームがアスレティックの攻勢を跳ね返すポイントとなったのは、後半に見せた反発力。ダメだった前半のプレーを繰り返すことなく、問題点を修正し早めの同点弾を決めたことが、その後の危なげない逆転劇への布石となったのでした。闘志みなぎるプレーでチームを引っ張ったのは、このところの存在感絶大なるネイマール。周囲の雑音を物ともせず、レベルを上げて続けている我らのブラジリアンクラックです。
ネイマールがチームを牽引
ピッチ上でのプレーリーダーとして、秋口から目覚しい活躍をしているのがネイマールJr.です。レオ・メッシの後継者として近々バロンデオロに輝くのは確実と見られるバルサの11番は、チーム全体がアスレティック・クラブの窒息プレッシングに苦しみ、メッシもまた違いを示せなかった試合でチームを牽引。前半は特に孤軍奮闘と言えるパフォーマンスによって、ビルバオ守備陣を脅かしていました。この試合でアスレティックに出されたカード3枚は全てネイマールに対して犯したファールである点からも、彼がどれだけバスクチームの脅威だったかが判るというものです。
ルーチョチームにおけるネイマールのリーダー度数が上がったのは、昨年9月末のラス・パルマス戦でレオ・メッシがヒザを痛め、長期離脱を余儀なくされてからでした。大エース離脱の穴を埋めるのは自分だ、とネイマールはそこから一歩前へと進み出ると、攻撃の中心となってチームを牽引。メッシ復帰後もその勢いを止めることなく、現在の出来栄えは完全に昨季を上回っています。グループに活気のない時もそれに引っ張られることなく、自分のプレーでなんとかしてやるとの精神の強さがネイマールにはある。このアスレティック戦の前半のネイのプレーはそれをよく表しています。
惜しいシュートを放ちながらも、あと一歩でゴールネットを揺らせていなかったネイマールでしたが、頑張った報いは最後(アディショナルタイム)にやってきました。それも特大のイチゴをケーキに乗っける、SPORT紙がいうところの“ネイマラッソ”の一撃です。アスレティック選手4人に囲まれ、直前に踏まれながらも振り抜いた左足から飛び出したシュートは、電光石火の速さでゴール左隅に一直線!バルセロニスタの満足感も、これにて五割増(当社比)のゴラッソでした。
アスレティックのプレッシングに苦しむ
このアスレティック戦の勝利により、公式戦25試合無敗+7連勝と華々しい成績を残しているルーチョチームですが、パフォーマンス内容がどうだったかというと、前半は非常に残念なものでした。週末のマラガ戦も前半が酷かったですが、このビルバオ戦も似たような出来栄え。今回はアスレティックのプレッシングが激しく、中盤の編成が大きく変わったことが影響しているとはいえ(ブスケツ、イニエスタ、アルダがコンディション不良で先発起用できず)、2試合続けてのこの低調さは気になるところです。単なる1月の一時的下降だとは思いますけれど。
■アスレティックの窒息プレッシング: 序盤のポイントとなったのはアスレティックのハイプレッシングです。4-4-2の3本のラインが一体となってバルサのボールの出所へと圧力をかけると、ブスケツもイニエスタも不在だったバルサはあっぷあっぷに。パスは不正確になり、ビルバオ陣内へとボールを進めることも困難な有様でした。そんな前半、かつての本職だったピボーテで機能しなかったマスチェラーノが少々気がかりです。裁判の件が響いているのでしょうか。ラキティッチとセルジ・ロベルトはよく走っていました。
■ベルマーレンとマテュー: 前半は全体としてボロボロでしたが、特に狙われていたのはベルマーレンとマテューが組んだ左サイドでした。週末のマラガ戦で酷評されたベルマーレンは、再び与えられたチャンスでもアピールに失敗(2試合連続途中交代)。ムッシュマテューはスピードあるウイリアムスに対応できず、失点の場面ではオフサイドを巡る駆け引きにも敗れています。まあムッシュはもうムッシュなんでジョルディ・アルバ復帰まで頑張ってもらうとして、、、セントラルはそろそろマルク・バルトラを試してほしいところです。ここまで使われないほどにトレーニングでいまいちなんでしょうか。
■後半は復調: 後半は一転、バルサのペースで試合が進んでいきました。ハーフタイム中の修正指示が効いたであろうことに加え、前半に飛ばしたアスレティックのラインが少し下がったことでバルセロナはボールを持てるようになり、ルイス・スアレスの得点で1-1(合計3-2)としてからは余裕の展開。69分にはセルヒオ・ブスケツを投入し、特に危なげなく逆転勝利へとつなげています。前半のダメさを引きずることなく、後半にリアクションを示せたこともこの試合の重要なポイントでした。
■グレート・ピケ: 先日、年間最優秀カタルーニャ人スポーツ選手賞を受賞したジェラール・ピケは、目下絶好調。守備陣が総じて低評価だったアスレティック戦においても、ひとり高評価を手にしています。周りのデフェンサたちが冴えない中で、テル・ステーゲンとともに壁となってビルバオ勢の前に立ちはだかっていたワカ旦那は、常に声を出すなど守備のリーダーとして奮闘。攻撃においても持ち味と強さを発揮し、完璧なヘディングで2-1のゴールを決める活躍ぶりでした。
そんなこんなで6年連続となるコパ準決勝進出を決めたバルセロナは土曜日、セルタに敗れ国王杯から敗退となったリーガ2位のアトレティコ・マドリーをカンプノウに迎えます。現在、ルーチョチームとシメオネチームは勝点48で並んでいますが、バルサの方が消化試合が一つ少ない状況。もしここで敗れればバルセロナとの勝点差が6へと拡大する可能性が高くなり、優勝への道が非常に厳しくなるため、アトレティコは死に物狂いで戦いに臨んでくるでしょう。きつかったトゥールマレの最後の大一番。バルサもまたスイッチを入れてくるでしょうから、マラガ戦やこのアスレティック戦の前半とは全然違うチームが見れると期待です。
ひとまずは準決勝進出おめでとう。リーガ首位決戦までゆっくり休む時間はないですが、出来るかぎりコンディションを整え、アトレティコ戦に臨みましょう。バモス!
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