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ピケの代表辞退宣言が起こす波紋

ユニフォームの袖を切ったことへの批判に耐えかねて。

ジェラール・ピケがまたもや、スペイン代表を巡って台風の目となっています。故郷カタルーニャへの強い愛情を示していること、アンチマドリー発言、嫉妬などから、代表チームへの忠誠心や責任感などを一部方面からしつこく疑問視されてきたセントラルですが、今回因縁を付けられたのは日曜日のアルバニア戦で着用していたシャツの袖が半袖にカットされていたこと。これはスペインカラーの袖飾りを取り除くためであるとの不当な批判がSNSで起こり、複数のメディアが同調、そして試合後にピケが2018年での代表引退を宣言したことで大きな話題へと発展しているところです。

ラ・ロハへ来る希望を失った

いつもは必ず長袖シャツを着用しているところを、アルバニアとのムンディアル予選ではその長袖を肘上でカットし、下に白いインナーシャツを着てプレーしたジェラール・ピケ。それによって彼は一部方面から袖のエンブレムをなくすために袖を切った不忠義者と批判をされたわけですが、スペインフットボル連盟が擁護したように実際はその袖にはエンブレムも赤と黄色の縁取りもありません。事実無根の非難を受けたピケは、試合終了後のミックスゾーンにて、真剣な面持ちで次のようにコメントをしています。

「僕はあらゆることを試みてきたけど、もうこれ以上は堪えきれないよ。満杯なっているグラスへの一滴。今日の袖の件はそういう感じだね。彼らは僕にここへくる希望を失わせることに成功したんだ。ロシアでのムンディアルが終わった時、僕はまだ31歳だけれど、代表を引退するだろう

「毎回照準を合わされているのは疲れる。ロシアでのムンディアルは僕にとって代表チームへの最後のコミットメントとなるだろうから、心穏やかに過ごせればいいなと思うよ。少なくともこれは今日思いついた決断じゃないんだ。今日のことはたくさんあった中の一つに過ぎないジューレン(ロペテギ)のプロジェクトに期待しているから、今日で引退をすることはない。僕らは団結し始めたので、団結して終わっていくよ」

「僕はいつも長袖シャツを着ているけれど、ちょっと僕には短かくて気持ち悪かったので、カットしたんだ。長袖には赤と黄色の縁取りは付いてない」

代表引退はずっと前から頭の中にあったよ。ここ数年、僕はあまり歓迎をされてこなかった。それでも僕は全力を出しているし、これからも出し続けていく。ただ僕に感謝してくれる人たちがいる一方で、ここに僕がいない方が良いと考える人たちがいるのは明らかだからね。僕はこのことを何度も熟考してきたし、頭がカッとして言ってるわけじゃないんだ。でも決断はしなくちゃならない。それが時に望まないものであってもね。ロシア大会の後、一つの時代が終わると感じている。あと2年残っているから、大いに楽しんでいくよ。2つめのムンディアルが獲れれば最高だろうね」

家族も驚いた

ジェラール・ピケによる2018年ムンディアル後の代表引退宣言は、マドリー方面の人たちだけでなく、彼に近しい人たちも驚かせたようです。彼が言ったように、それが何度も考えた結果の決断であり、ずっと以前から出していた結論であり、頭が熱くなって止めてやると思ったのではなくとも、2年先での代表引退宣言はやはり一般的には少々早い。本来ピケはもっと適切なタイミングで、その瞬間が訪れてからそれを公表する計画だったと伝えるのは11日付のSPORT紙です。それがマドリー系メディアの先導(扇動)する度の過ぎて不当な攻撃によって、発表時期が早められたと。

同紙によりますと、ジェラールの宣言にまず最初に驚いたのは彼の家族でした。つまりピケのご両親や、パートナーのシャキラは彼がムンディアル・ロシア大会を最後に代表を引退する計画であるのを知っていたけれど、発表は2年後にするということだったらしく。それをぶっちゃけたのですから、度重なるいわれなき批判に対し、ピケが相当ウンザリしていたことが伝わります。

ちなみにジェラールの父上ジョアンさんは昨日、ジョハン・クライフの自伝の出版発表会に出席。会場から去る際、報道陣から多数のマイクを向けられると「ノーノー、ノーコメント」とコメントを断りつつ、最後は「息子にはシャポー(脱帽)と言ったよ」とのみ語っています。そしてこの「シャポー」が11日付SPORT紙の表紙の見出しに採用されました。

AS編集長の謝罪

このピケの言葉に対しては、各方面で大きな反響が起きています。一番大きな動きは、チームメイトだけでなく彼を知る人々からのサポートメッセージ。一方でマドリー系ASのアルフレド・レラニョ編集長が公けの謝罪を行ったことも、それなりのニュースです。セントラルの袖切りに関するSNSでの批判に裏付けもなく真っ先に飛びつき、事を煽ったことをレラニョ氏ははピケに詫びています。

レラニョ氏はジェリによる常日頃のアンチマドリー発言が今回の誤解を生んだと言い訳をしつつも、「代表でのピケのプレーには、彼のクラブのほかの選手たちと同じように汚点はなかった。バルセロナは他のクラブと同じように代表に多大な貢献をしている」とラ・ロハでのピケやバルサの貢献を評価。「引退宣言をした選手は新しくはないが、彼が“カタラン対立”によって引退する最初の選手となるのは望ましくない。それゆえに私は彼の考えが変わることを願う。この場を借り、私たちがデジタル紙面にて20分間にわたって行った軽率な行為、SNSでの扇動をお詫びしたい」と記述しています。勇気のある行為なのは確かですが、今更感が強いのも確かでしょう。まあテキトーに煽ることにかけては負けていない日本の軽率メディア(以下略)

元々カタルーニャ独立派で愉快なコメントもするピケは批判対象となりやすい選手でしたが、ブーイングは三冠祝勝会での「ありがとうケビン・ロルダン!」発言で一気に加熱。結局のところ、全てを手にした者に対する醜い嫉妬、なんとなくお決まりになったブームだろうと思うのですが、批判になどビクともしない様子だったジェリも“味方”からの指笛には穏やかでなく、少なからぬ影響を受けていたと示されたことが、今回のNEW!な点です。そして守備の要を失うことになり、彼を責めていた人々が焦っていると。

ラ・ロハの行く末には興味がないので、個人的にはピケが翻意せずに代表を離れることを希望。2018年といわず、前倒しでもいいと思うくらいであります。

 

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