あとはクラブ間交渉を詰めるだけらしく。
バルサの2017年夏一人目の補強選手として、テオ・エルナンデス(19)の名前が挙がっています。FCバルセロナがアラベスへと期限付き移籍中のデフェンサを納得させたと報じたのは全国区のラジオ局ONDA CERO(オンダ・セロ)の番組 El Transistorで、その後各メディアが追随。テオ・エルナンデスはレアル・マドリーと合意に至ったとも報じられていましたが、元の所属クラブであるアトレティコからエル・ブランコへの“禁断の移籍”は危険と、バルサ行きに考えを変えたとされます。番組ではまた、ジョルディ・アルバがアトレティコへ期限付き移籍される可能性も伝えていますが、こちらの線は薄いでしょう。
マドリー行きが確実と言われていた
テオ・エルナンデスはアトレティコ・マドリーのカンテラ育ちのフランス人左ラテラルで、今季はアラベスへと期限付き移籍中です。父は元アトレティコのセントラル、兄ルカも現アトレティコの選手というコルチョネロ一家。赤白マドリーとの契約は2021年まで、契約解除金は2,400万ユーロだそうです。
(バルセロニスタとしては、2月の試合で終了間際にアレイシ・ビダルに無意味なタックルをかまして彼の足首を壊した選手との印象が強い)
そんなテオ・エルナンデスをバルサが狙っている、とのウワサは新しいものではなく、今月上旬からあちらこちらで伝えられていましたが、全般としては3日にMARCAが口答合意と伝えたレアル・マドリーへの移籍が濃厚の気配でした。
10日にはASが、“バルサもまたテオにオファーを出し、選手はどちらを選ぶか迷っているがバルセロナの方を好んでいる”と言っている一方で、21日のMDは“バルサはマドリーに並ぶオファーを出そうとしているが、上手くいっておらず、マドリー移籍が有力”との見解。バルセロナ方面でも、結局のところマドリーか、と見なされていました。
禁断の移籍を避けたいアトレティコ
そんななか、昨日のONDA CEROの情報です。同局の番組 El Transistor のディレクター、ホセ・ラモン・デラ・モレナさんは次のように言ったようです。「バルセロナがアトレティコ・マドリーからアラベスへと貸し出されているテオ・エルナンデスに強い圧力をかけ、バルセロナと契約することを説得した。バルサはアトレティコと、来季ジョルディ・アルバを貸し出すことで合意に達するだろう。レアル・マドリーはテオ自身と合意していたように思われる」
「アトレティコ・デ・マドリーはテオに対し、もし退団するのであればレアル・マドリーよりもバルセロナへ行くように言った」
どこまでが事実かは分かりませんが、アトレティコがカンテラ選手のベルナベウ行きを避けたがっていたのは事実でしょう。しかし契約解除金が支払われ、選手が移籍にOKを出せば、禁断であろうと引き抜かれてしまう。そこへバルサの“助け船”がきたなら、アトレティコが乗ってくるのは不思議ではありません。選手自身も迷う程度の白組志向なら、コルチョネロファンを裏切る行為よりはカンプノウ行きを選ぶでしょう。
しかし、入団確実とされていた有望株を横から持っていかれることはマドリディスタとしては面白くない。あちらのファンサイトを覗くと、バルサがまた汚い手口でマドリーを妨害する、このバルサの盗人野郎、といった感じです。バルセロナがせっせと進めている移籍交渉にちょっかいを出してくるのは、フロレンティノ・ペレスも同じでしょうに。
ちなみにバルサのロベルト・フェルナンデスSDは以前アトレティコでも働いていたことがあり、その頃からテオ・エルナンデス少年のポテンシャルに注目していたそうです(SPORTより)。なのでテオはロベルトSDと親しい関係にあり、説得に応じたというのも分かる。左ラテラルはバルサの優先補強ポイントではないですが、このままではマドリーに奪われてしまうので動く、アンドレ・ゴメス的獲得になるようです。
ジョルディ・アルバは手放さない
ONDA CEROのホセ・ラモン・デラ・モレナ ディレクターはまた、アトレティコを納得させるためにバルサがジョルディ・アルバ(28)の期限付き移籍を打診しているとも言っていますが、こちらは信憑性が薄いと思います。
ルイス・エンリケが3バックを使うようになったことでジョルディ・アルバの出場時間は減少し、それに伴ってもはやアルバはアンタッチャブルではないとの記事がちらほらと現れるようになっている昨今ですが、28日のSPORTやMDのウェブは“FCバルセロナはアルバに全幅の信頼を置いており、完全に移籍不可能な選手の一人”と反論。彼を何らかのオペレーションに含める可能性をクラブは一切考えていないと断言しています。
実際のところ、もしバルサがテオ・エルナンデスの獲得に契約解除金を支払うのであれば、アトレティコにジョルディを貸し出す必要はありません。ベルナベウクラシコでも存在感を発揮していましたし、アルバ自身が強く望まない場合はネイマールとの左サイドコンビを解体する意味はないでしょう。
とはいえジョルディもあと2年で三十路に入りますし、中期的な世代交代も考えておかねばならない。19歳の有望選手を獲得でき、ついでにマドリーが歯ぎしりをするのであれば、良い話ですかね。
また、SPORT紙はテオ・エルナンデスをジェレミー・マティエウの後釜としても見ています。左ラテラルだけでなく、カリレーロや左セントラルとしてもプレーできるらしいテオ・エルナンデスは、監督に複数の選択肢をもたらしてくれるでしょう。
その場合はルカス・ディニェの立場はかなり微妙になりますので、貸し出される、もしくは移籍するのであればこちらのような(昨年テオを獲るのは、バルサでやれる確証がまだなかった?)。なんにせよ、マドリーの想定外の札束攻撃がないかぎりは、テオ・エルナンデスの未来はアスルグラナだろうと自信を見せるSPORT紙です。
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