選手は近々、ベンゲルと話をするとの推測。
FCバルセロナの今夏の優先補強ポイントである右ラテラルは、アーセナルのエクトル・ベジェリンで決まりそうな方向へと着実に進んでいます。ここ数日は話に動きが出ており、バルセロナの有力スポーツ紙 MDとSPORTが揃って彼のインタビューコメントを掲載した6日の夜には、RAC1の番組内でジェラール・ロメロ記者が“バルサと選手側が条件面で合意”と説明。ロメロさんによると、ベジェリン自身も近日中にチームの指揮官ベンゲルと話をするそうで、本当に選手からの移籍志望が出た場合、物事はゴールへと向けて進んでいくことでしょう。
首脳会議
エクトル・ベジェリンの獲得に関しては 6日付のMD紙が、官邸、ではなく “クラブの最高レベル”たちが木曜日に夕食会議を行い、その場にはデフェンサのエージェントたちも同席していた旨を伝えています。
それによると、テーブルを囲んだのはFCバルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長、スポーツディレクターのロベルト・フェルナンデス、フットボルディレクターのラウール・サンジェイ、そしてベジェリンのエージェント二人でした。会食の目的はやはり、アーセナルとの交渉を始めるにあたり、選手側との合意を得ておくこととなるでしょう。選手の強い移籍志望が有ると無いとでは、交渉の流れは全然違ったものとなります。
“バルサの最高レベル”はベジェリンの代理人たちに対し、背番号2の提供を含む諸条件を説明したり、エルネスト・バルベルデ新監督が彼を大いに評価していることなどが伝えられたそうです。MD曰く、バルトメウの中ではカンテラを家出してアーセナルに行った選手に大金を投じることへのためらいがあるとのことですが、第一級のラテラルが必要な状況では背に腹は代えられず、ベジェリンに賭けることにした云々。ベジェリン本人としても求められる成果レベルは高くなるので、戻るなら覚悟が必要です。
選手本人による移籍直訴
その夕食会を経て、バルサと選手側が合意に達したとするなら、次なるステップは家出息子ベジェリンによる恩師アルセーヌ・ベンゲルへの退団意思の伝達です。
退団を志望する理由が“チャンピオンズに出られないクラブでプレーするのは辛い”、でも、”16歳まで過ごしたクラブからの誘いは断るに困難”、でもなんでもいいので、アーセナルにベジェリンを引き留めるのは無理そうだと思わせることで交渉の後押しをしてもらいたいところ。彼をロンドンへ引き抜き、育てた恩人ベンゲルに退団したいと言うのは簡単じゃないでしょうが、バルサにトップチームのレギュラーとして戻りたいなら、それは外せません。
そして前述のジェラール・ロメロ記者によると、ベジェリンは今週もしくは来週の初めあたりにベンゲルと話をするつもりであるとのことです。
6日付のSPORT紙に掲載されたインタビューの中で、ベジェリンは自らを「挑戦を恐れない人間」「新たな挑戦に挑むのが好きで、それがイングランドに行った理由」と語っていますし、同じ日のMD紙では「この夏はいろんなことが起こるかもね」と言ってますので、是非頑張ってもらいましょう。「今は代表に集中しているので、それ以外のことは、その後」と強調してはいますけれど。
4,000万ユーロラインの攻防?
バルセロナとアーセナルの交渉戦略については、7日付のSPORTウェブに記事があります。それによると、今週にもアーセナルとの交渉に着手するというバルサの考えは、“相手の要求額にそのまま応じはしないけれど、それなりに高額な固定額とチーム成績に応じた変動額を組み合わせたオファーを出す”こと。アーセナルは4,000万ユーロ以下のオファーに耳を貸さないだろうけれど、バルサはそこまで出す気はなく、4,000万を超えるにしても成果報酬込みになる、とのことですがどうなりますでしょうか。その提案はアーセナルを交渉の席に着かせるに十分だろうとSPORTは言っています。
そして急ぐことなく話し合いを進め、決算の年度が変わる7月1日以降にオペレーションを完了させると。強力な競合クラブがいる場合は悠長な交渉をしている余裕はないですが、ベジェリンの場合は本人とがっちり合意していることで、焦らず外堀を埋めていこうというところでしょう。
右ラテラルに関してはベンフィカのネルソン・セメドやモナコのディブリル・シディベらの名前も候補に挙がっていますが、現時点ではベジェリンに傾いている感じです。
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