組織の利益が優先されるべきだ、とスポークスマン
もはやこの冬での退団は確定的になっていて、あとはどのタイミングになるのか、どこへ行くのかが焦点の感があるハビエル・マスチェラーノ。どうも国内メディアには大した追加情報が流れていませんので、少しさかのぼりつつ状況をまとめてみます。少し長くなりますが、お付き合いください。
退団するにせよ、1月末まで待つ
マスチェラーノ・ケースに関して、当初から積極的に報じているのはMD(ムンドデポルティボ)紙です。毎日なにかしら、新しい情報を出しているMD。12月12日はチャンピオンズ抽選会を脇にやり、マスチェの後釜候補イェリー・ミナを表紙にしています。
そのMDが12月9日(土)に報じたのは、「マスチェラーノには退団をウンティティの復帰近くまで伸ばす心づもりがある」というニュースです。
マスチェラーノは11月時点でクラブに退団希望を伝えていたとテレビ番組内で明らかにしていますが、12月2日のセルタ戦でウンティティが全治8週間の負傷。もしマスチェが12月末で退団すれば、バルベルデチームは1月をピケとベルマーレン+バルサBのコスタス(+冬に獲得する選手)で乗り切らねばなりませんでした。
そういう状況を受け、マスチェラーノはウンティティが復帰目前となる1月末まで退団を待つことにしたそうで。彼は最後の日までチームのために役立った後、表門からバルサを去りたいのだとMDは述べています。
ただ中国チームに移籍する場合、あちらの冬の移籍市場は2月らしいので、どうであれウンティティの復帰目前まで待つ結果になるわけです。身もふたもない言い方ですが、バルサとしては助かります。
クラブは出来るだけ希望に添うようにする
続く12月10日のMD紙は、「バルサがマスチェラーノに扉を開き始めた」の記事。こちらは日本語版に取り上げられていますが・・・ いくつかの箇所が現地版と微妙に異なる。ざっくりまとめると、
- ●マスチェラーノは退団に固執し、ロベルト・フェルナンデスにも要望を伝えた。クラブは1月に手放すことを望まないが、少しずつ扉を開き始めている。
- ●マスチェラーノがウンティティの回復を待つのは良い考えだが、バルサと結びついている別のセントラルはいる。
- ●イェリー・ミナの1月獲得にはテクニコの多くが賛成している。しかし同意は完全ではなく、監督は適応期間が必要だと考えている。監督の納得する、実績・レベル・安価を兼ね備えたセントラルを探している。
てな感じです。
そして12月11日のMDは、「マスチェラーノの将来は近々明らかになるだろう」。今日明日にもバルサと選手代理人の会合が予定されていて、冬マーケットでの退団について話し合われると同紙は伝えています。
アルゼンチンのテレビ局TyC Sportsの番組で「クラブや自分、みんなにとって有益な結論に達するようにしていく」と語っていたマスチェラーノでしたが、それはバルサが移籍を妨害しない代わりに、マスチェは1月末までチームに尽力するという形になりそう。
実際そのあたりが、綺麗な落としどころかもしれません。
スポークスマン「冬に弱くなるわけにいかない」
がしかし。昨日11日、FCバルセロナの公式スポークスマン、ジュゼップ・ビベスがマスチェラーノに関して次のようにコメントしています。
「クラブでの7年間で勝ち取った敬意が彼にはあります。しかし私たちの監督エルネスト・バルベルデが言ったように、冬マーケットの目標は彼のスカッドをより強く競争力あるものにすることであって、弱くすることではないのです」「この件においては、クラブやスカッドの利益が、個人の利益より優先されるべきです」
さて、これをどう捉えるか。文字どおり、開きかけていたという扉を閉じたのか。それとも彼の移籍金を上げるための駆け引き・けん制か。バルトメウ会長は「話を聞く」と明言してますので、とりあえずは代理人との会議ですな。あとは監督が納得する後釜を確保できるか。
このニュースのまとめ
- ・マスチェラーノは1月末まで退団を待つという話
- ・バルサは扉を開き始めているという話
- ・クラブ代弁者は「冬の市場はスカッドを強化するもので、弱くするわけにいかない」と放出に否定的コメント
コメント