スポーツ面を優先し、バルサが第一志望になったという 選手の希望は、バルセロナが有利に戦える大きな武器
ここ数日、バルサ系スポーツ紙にひんぱんに取り上げられているのが、マティイス・デ・リフト(19)です。アヤックスの若きセントラルに対する関心は以前から高かったですが、獲得は「無理っぽい」から「なんかいけそう」に変化したのが特徴。デ・リフト本人がバルサ移籍を優先しだした、というのです。
バルサの代表団が最初にデ・リフト側とアムステルダムで面談した11月、セントラルはバルサ移籍にあまり乗り気ではなかったと伝えられています。
その一番の理由は、バルセロナにはトップクラスのセントラルが3人揃っているので(ピケ、ラングレ、ウンティティ)ポジション競争が非常に激しいこと。他の勧誘クラブは初年度からのレギュラーを確約しているとされますし、ならばカンプノウ行きは数年後でもいいと考えるのも頷けます。
当時は、デ・リフトは移籍先選びをミノ・ライオラ代理人に委ねているとも言われていて、移籍金と年俸の高いクラブへ行くのが確実っぽかった。そこでバルサはデ・リフト獲得を閉じ、デ・ヨングを確保。トゥールーズからはトディボも獲得しました。
デ・リフトに心境の変化
しかし。
なにがあったか、どんな心境の変化があったか、デ・リフトはカンプノウでの挑戦を受け入れる気になり、その旨をバルサに伝えたと3月11日のSPORTは報じています。
ライバル紙のMDもまた、デ・リフトはバルサ入団を優先しているとの見解です。
同紙によると、セントラルに響いたのはラジオ局SERの番組内でジュゼップ・マリア・バルトメウ会長が「デ・リフトの名前はテーブルに乗っている」と認めたこと。強化技術部の勧誘と会長の言葉により、デ・リフトは“ピケから学びながら、出場時間を手にするために戦える”と考えるようになったそうです。
(同じように、出場時間を不安視していたラングレという成功例もある)
そしてバルセロナからのオファーが届くまで、他クラブからの提案は一度保留すると。
現理事会寄りのMDなので、多少は割り引いて聞くにしても、もしデ・リフトが本当にバルサを第一志望としているなら状況はいろいろと変わってきます。
アヤックスは選手の希望を聞く
大きいのは、アヤックスが選手の将来や希望を考慮し、尊重してくれることです。
フレンキー・デ・ヨングの場合がそうだったように、オファーが希望水準を満たしていれば、アヤックスはもっと儲けようとはせずに選手の志望先と交渉してくれる。ビッグクラブへと羽ばたく際には希望を聞いて後押ししてもらえる、との評判が高まることで、アヤックスは有望な若手を多数確保できるようになるからです。
選手の希望を優先してくれるということは、オークションが起こりにくいということ。
競売になりそうな場合、バルサは乗らずに撤退するとSPORTはいいます。
さらにアヤックスとバルセロナの間には、歴史的な共感がある。アムステルダムのスポーツディレクター、オーベルマルスはフレンキーのバルサ移籍決定後、「彼がバルサと契約して嬉しい」と語っています。
アヤックスの選手がスポーツ面を最優先にすると決めたなら、バルセロナは相当優位に立つ。クラブ理事会が手応えを感じるのも分かります。ってことで、とりあえず現時点ではデ・リフト獲得に関しバルサが他クラブをリードしているみたいですよ。
(移籍金の捻出方法とか、カンテラーノの出番とかは、今回は言及せずに書いてます)
このニュースのまとめ
- ・出場時間の点で、バルサ入団を心配していたデ・リフト
- ・しかし考えが変わり、カンプノウでの挑戦を受け入れるようになったという
- ・アヤックスは移籍交渉に選手の希望を聞くクラブ
- ・バルサが一気にポールポジション!
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