カンプノウで勝つには勝ったが、調子はまだ上がらない
中盤の組み合わせから活路を見出してほしいところ
FCバルセロナがビジャレアルに2-1で勝利し、とりあえずの傷をふさぎました。SPORT紙はそれを3ポイントとかけて「三針(3 puntos)縫った」と表現。縫っただけでは傷は閉じないので、これからもう少し時間をかけて完治させていく作業が必要になるバルサです。
なんだかんだでエル・クラシコが1ヶ月後に近づいてきており、早い復調が望まれますが。
アルトゥール&デ・ヨングの中盤
勝つには勝ったけれども、ビジャレアル戦のバルサはまだ内容がいまいちでした。
良かったのは最初の20分ほどで、ここで2点リードを手に入れられたのが良かった。レオ・メッシの太ももに違和感が発生した30分頃からはビジャレアルが勢力を伸ばし、44分にはサンティ・カソルラのゴラッソで1点返されています。
チームが調子を取り戻し、周囲の疑念を吹き飛ばすのは簡単にはできない。
今季のバルベルデバルサは過去2年とは異なる試みをしていて、まだ軸が定まっておらず、チングリが最適解を見つけ出すにはしばらくかかりそうな様子です。柱となるレオ・メッシが8月から怪我に悩まされているのが痛い。
インテリオールの組み合わせは、アルトゥールとフレンキー・デ・ヨングが最良ではないでしょうか。
セルジ・ロベルトの気の利いたポジション取りや、時折示す推進力も悪くないけれど、フレンキーが入った方がパスがつながり展開力が増すと思う。
コパ・アメリカで出遅れたアルトゥールはぼちぼち出番が増えてきましたし、昨シーズンよりも前に出て、ゴールにつながるプレーが増えるなど進化しています(早くも2ゴール)。
あとは90分間、安定したパフォーマンスを続けられれば、不動のレギュラーになれる。ビジャレアル戦ではラ・リーガで初めてフル出場を果たしたので、どんどんと伸ばしていってほしいです。
中盤は選択肢が多く、あれこれと試してみたくなるのは分かるのですが、もうちょっとアルトゥール&デ・ヨングで続けてみてほしい。中盤がしっかり安定してくれば、いろいろと改善されそうなので。デンベレとアンス・ファティの両翼も興味深かった。
ピケ「プレシーズンが役立たなかった」
テンポ良くパスを回し、ボールを敵陣で奪ってすばやく攻めるためにはコンパクトなライン間隔が必要ですが、今のバルセロナにはそれを90分間通して行うコンディションにないのが、このビジャレアル戦でも分かりました。
ジェラール・ピケは試合終了後のインタビューで、夏の過ごし方に問題があったと指摘しています。集金ツアーが多すぎたとのクラブへの苦情です。
「プレシーズンが役に立たなかったよ。今年は遠征が多くて、僕らはトレーニングができなかった。それが感じられているんだ。まだフォームを手にしていない選手が複数いるし、違和感が生じている選手もいる。でも僕らはバルサだからね、言い訳はないよ」
イニエスタやオトモダチのいる日本へのツアーに文句はないでしょうから、アメリカ旅行が余計だったってことですね。ロッカールームの権限が強まっているというバルセロナですから、これが聞き入れられ、来夏のツアーは控えめになれば良いのにね。
役立たなかったプレシーズンの穴埋めをするのに、どれくらいの期間が必要でしょうか。
10月末のエル・クラシコの頃には仕上がってきていると期待して良いのか。なんだかんだでクラシコまであと1ヶ月、これからバルサが上り調子に転じるように期待しましょう。とにかく次、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでの敵地戦です。
コメント
私もアルトゥールとフレンキーが最もいいインテリオールの組み合わせだと思います。だからチングリさんにはある程度メンバーを固定して戦ってほしいです。あれほど新戦力が多い状況でメンバーを数人も毎試合ごとに変えてしまうと、なかなか選手の連携が高められないです。
あとはスアレスを先発から外したほうがいいです。せっかく中盤の選手が縦パスを前線に入れても、スアレスがボールをつなげられていないです。また、先日の試合の後半ではグリーズマンを中心に置き、ファテイとデンベレを両翼に配置していました。あの構成にしてからバルサの動きはずいぶん良かったのでヘタフェ戦で実践してもいいのではないでしょうか。