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中盤を削って4-2-3-1という泣ける選択:レガネス戦

改善ではなく悪化へと進み、不安ばかりが募るバルサのフットボール

バルサがどうにかこうにか逆転勝利を収めた、ブタルケでのCDレガネス戦(1-2)。これがもう見事に、ただ勝てて良かった試合でした。ここ数週間のダメフットボールが改善する兆しを示されることもなく、これから迎える大一番を前に不安ばかりが募る内容。待ったなしでやってくるドルトムント戦やアトレティコ戦を、この調子で戦えるんでしょうか。

豪華カルテット起用

さっぱりだったレガネス戦で主な話題となったのは、エルネスト・バルベルデが4-2-3-1を試してきたことです。メッシスアレスグリーズマンそしてデンベレを同時起用し(MSGDカルテット)、その後列にセルヒオ・ブスケツデ・ヨング。この決定は驚きでした。
どこが驚きかというともちろん、中盤を削ってクラックを並べれば上手くいくとチングリが考えたことにです。

何を思ってバルベルデがこの選手配置にしたのか、よく分かりません(試合後のコメントでも、カルテット起用の説明が見当たらない)。
グリーズマンを獲得する前には、どのように豪華デランテロ陣を配置するかの予想の中で4-2-3-1もあったような気がしますが、バルサらしいフットボールを取り戻すためにどうしようかとの議論がなされている中で、やってくるとは予想しなかった。
明らかだったのはこの4-2-3-1が機能しなかったこと、そして退屈だったことです。

いまのバルサが全然クレに喜ばれてないのは、バルサらしいパス回しやハイプレスがなく、眠たくなるフットボールをしているからですが、MSGDカルテットを同時起用するために中盤を削ってしまって、パス回しが改善するかというと、しないですよね・・・。クラックのパンチ力に期待したんでしょう。

バルベルデは試合終了後、「輝く試合ではなかったけれど、どういう形であれ勝つ必要があった」とか「多くの試合で先行されているのは事実だが、セットプレーを土台に逆転に成功している」とか言ってますが、それで良いのかと。
「良い感覚を持ってドルトムント戦にいける」なんて本当かと。

シュートも打てない

この“奇策”によってレガネスがビビったかというと、そんなことはなかったでしょう。彼らの2本ラインの守備ブロック(5-4-1)が崩れる場面もほぼなく、慌てて守備をさせたことが何度あったか。デランテロを増やせば攻撃力が増す、そんな単純な話ではないのがフットボールです。

そして中盤でボールをつないで試合をコントロールする、バルサの哲学にもそぐわない。
原点回帰、とか言っていたのもすでに忘れられたような、味気ない試合が続いています。

ブタルケで得点チャンスになりかけたのは、カウンターを発動した時くらい。それ以外は守備ブロックの外周でボールを回し、可能性の低い縦パスを入れては弾き返されて自陣に撤収することの繰り返し・・・ の退屈なゲームでした。
スペースを空けられないので、シュートも打てない。前半なんてシュート4本なり。

足りないものだらけ

今のバルサの見所って何だろうか、と考えてみると、レオ・メッシの別格のプレーくらいでしょうか。
足りないところはたくさん浮かびます。
ワンタッチのパス交換による中央突破、サイドを深くえぐってのセンタリング、2列目からのディアゴナル侵入、数的優位を作ってパスを回すトライアングル、絶えずトライアングルを作る動きと配置、エトセトラ。

それが最近はそういった攻めのアイディアもなく、トレーニングされてる感じもなく、ブタルケではパスコースとスペースを消すハビエル・アギーレの選手配置(こちらはよく訓練されている)によって自慢のMSGDカルテットは交通渋滞。さすがのメッシも決定的な仕事をさせてもらえませんでした。
苦手としているアウェーゲームでの印象は改善されず、むしろ悪化しています。

そして躍動感もない。熱くない。老け込んだようなオーラ。
グリーズマンフレンキーら新戦力の成功への渇望、それらの生むフレッシュさがチームにダイナミズムをもたらすのが理想ですが、そうなっていない。むしろ新戦力たちが熟したベテランチームの不活性に呑み込まれてしまい、どうすりゃいいんだと混乱する表情ばかりが目立ちます。

で、一番チームに活力を注入してくれるのが、闘士アルトゥロ・ビダルという。。

セットプレーでしか得点できない現状

今のバルサが機能不全を起こしていることを示すデータのひとつに、セットプレーでしか得点を決められないことがあります。パスや連動した動きで守備ブロックを崩せないんですから、流れの中からゴールが生まれないのは自然な結果ですが・・・

レバンテ戦(3-1負け)はメッシのペナルティキック、セルタ戦(4-1勝ち)はメッシのペナルティと2本のフリーキック、そしてこのレガネス戦のコーナーキックからの2得点。
ここ最近の3試合においてバルセロナが決めた6ゴールのうち、流れの中から得点したのはセルタ戦でのセルヒオ・ブスケツだけなんですよね。他のチームならともかく、これはバルサなので切ない。

そういった問題点をこれからいかに改善していくか、いけるのか、ですが、そのためにまず必要なものは何だろうか。どこから改善に着手すれば良いのだろうか。
バルサらしいフットボールができていなかった状況で、MSGDカルテットの4-2-3-1をやってしまう監督の下で、それは可能なのだろうか。

しっかりとした対策なんて時間的にも望めないドルトムント戦(あちらも不調らしい)とワンダ・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリー戦。覚悟しといたほうがいいですかね。

 

コメント

  1. ゼロ より:

    4人FWで試合開始で途中に中盤3枚に増やしたけど、やっぱり4人FWに戻したり…
    バルベルデ監督の戦術は何がしたいのか全く分からないんですよね。記者会見の的外れなコメントを見るとなおさら失望してしまいます。

  2. トム より:

    単純な話、ラキティッチとアルトゥールを軸にすれば、昨季程度には中盤支配できると思ってます。
    ラキティッチを外してるのが一番の間違い。
    チャビとイニエスタがいない今、バルサで中盤を作れるのは、ラキティッチだけです。
    アルトゥールはその次。
    デヨンクはフルで使うんじゃなく、彼ら+ブスケの中盤を見ながら覚えさせて、だんだんと慣れさせる方がいい。

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