グループセッションが可能となったことを利用し、基礎となるビルドアップを練習
1月に監督就任したセティエンにとってアイディアを浸透させる重要な数週間
保健省の許可を得て、今週月曜(18日)から最大10人でのグループ練習を行っているラ・リーガの各クラブ。先週の個別トレーニングは見ていて寂しいかぎりでしたが、ロンドを始めとして、いつもの練習の光景が見られるようになってクレとしても胸が弾みます。キケ・セティエンもこの日を待ちわびていたことでしょう。コロナウイルスに強制中断された戦術トレーニングを、“新監督”は進めねばなりません。
寂しい内容だったリーガ中断前のバルサ
今から1週間前、5月15日のSPORT紙インタビューにて、カピタン・メッシは競技再開後のタイトル獲得(チャンピオンズ)についてこんなふうにコメントをしています。
「僕はスカッドに一切の疑問を抱いていないし、残る試合の全てに勝てることを疑ってもいないよ。でも、リーガ中断前のようなプレーをしていたらダメ。チャンピオンズ優勝には手が届かない」
そしてこのメッシの発言について、イバン・ラキティッチも
「僕らがしていたようなプレーではチャンピオンズ優勝が難しいと彼が言うのは、まったくもって正しいよ」と賛意を示している。
コロナウイルスを巡る諸々のインパクトが強すぎ、前回の試合(3月7日のレアル・ソシエダ戦、メッシのPKで1-0勝ち)はもう遠い遠い昔のようにも思えますが、そういえば寂しい内容だったんですよね。その6日前にはベルナベウで負けましたし(2-0)、その前のナポリ戦(1-1)もパッとしませんでした。
キケ・セティエンとしては、この異例の“プレシーズン”でチームに仕込みたいことが山ほどあるでしょう。自らのフットボールアイディアを浸透させていくための重要な数週間です。
ビルドアップ習得に取り組む
5月22日版MDによると、5月18日に最大10人でのグループ練習が認められて以降、セティエンが取り組んでいるのが、ビルドアップとボールの回し方だそうです。
1月19日のグラナダ戦(1-0)で初めて指揮を執ってから、これまでキケバルサは12試合をプレーしています。そのなかで彼が気付いたのが、自分のプランニングが選手たちに迷いを生んでいることだという。
プレシーズンのないシーズン半ばでの監督就任でしたから、アイディアを浸透させる時間がなかったのは仕方がない。いきなり3バックを試したりしましたしね。。
新監督の求める戦術を選手たちが理解していくうえで、今回のコンペティション中断とそれに伴う“プレシーズン”実施はバルサにとっては有益だとの期待は持てます(ルイス・スアレスも手術から回復)。
バルサスタイルの肝であるビルドアップやポジション取りなどを、しっかり練習していけるわけですから。
練習試合を行えず、紅白戦だけで本番(しかも無観客)に臨まなければならないなど、現実は簡単ではないですが、せめて始まるまでは楽観的にいきましょうか。セティエンと選手たち、宿題をクリアして“新学期”に臨んでくれると信じてます。
コメント
近年のバルサは速攻を多用したことがビルドアップの劣化も招いていましたからね。
チーム全体が楽を覚えてしまったというか。
時代に逆行する取り組みでもありますが、今は理想の選手も指揮官も揃ってるわけですから
バルサらしい一点特化型の横綱相撲を見せて頂きたいです。